![]() | [1063] 出来高回転率 |
目次へ.. 前頁へ.. 次頁へ.. ![]() 意味出来高に関係するチャートのうち、出来高の水準を見るものには、@出来高1日の棒グラフ(加工は「加工なし」)、A出来高のn日平均(加工は「平均」)、B出来高回転率があります。A銘柄が1日に200万株でき、B銘柄が40万株できたとしても、A銘柄にとって200万株は少ない出来高で、B銘柄にとっては稀な大出来高かもしれません。出来高そのものを見て、多い・少ないを判断するには、その銘柄の過去の出来高を知らねばなりません。 それを簡単に知るために、前章の出来高倍率がありますが、これはある時期の相対的な出来高を表すものしかありません。出来高倍率が同じ3.0倍であっても、平均出来高が2000株のときに、たまたま6000株できて、倍率が3.0倍になっていることもあるし、平均500万株のときに1500万株の大商いになったこともあります。同じ出来高倍率であっても、その出来高の絶対量は大いに違っていることがあるわけです。 出来高の絶対量を表し、同時に多くの銘柄と出来高の多寡の比較ができる加工に「出来高回転率」があります。出来高回転率は、そのときの出来高が発行株式数に比べてどうかを計算します。比較のしかたは2つ考えられます。
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出来高回転率は、2.の方法をとっています。回転率は経営指標によく使われます。例えば年間売上高÷期末在庫は商品回転率ですが、商品が年間に何回転するかを計算することで、商品および資金の効率の良し悪しがわかります。 出来高回転率は、その時期の出来高が1年続くすれば、発行株式数が何回転するかを見ることで、出来高の多寡がわかります。回転率が大きいほど売買は活発です。出来高を回転率に変換することで、他の銘柄との比較が可能な、出来高量を表す物差しができます。 図は 5301 東海カーボン の1日出来高回転率です。aの日の出来高は3776千株ですが、この日の出来高回転率は46.3回転と計算されています。しかし日足の場合は、正しくはこの1/10の4.63回転が正しいのです。 ![]() 日足の出来高回転率は、出来高X250÷発行株式数で計算されます(3776千株X250÷20408万株=46.25)が、日足の出来高は千株単位で記憶されているので、回転率は10倍大きく計算されているわけです。(週足と月足データは万株単位で記憶されているので、回転率は正しく計算されています。)日足データの回転率は、計算値の1/10が正確な回転率であるということに気をつけて下さい。 規則 (出来高回転率) |
元データ | 出来高 |
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副データ | |
加 工 | x日平均出来高は発行株式数が年当り何回転しているか |
パラメータ | ×日平均の出来高回転率 |
単 位 | 回転(0〜999) |
使用例 | ・1日出来高回転率 ・5日出来高回転率 |
![]() 計算方法出来高回転率は次の算式によって計算します。n日の出来高回転率=n日出来高平均÷発行株式数XA (ただしAは、日足のときX250倍、週足のときX53倍、月足のときX12倍) 株価の「5日出来高回転率」を計算してみましょう。 図のようなNo.10〜No.1の10日間の株価があります。
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ただし日足データの場合の正しい回転率の数値は, この1/10の0.51、0.49です。 |
設定例@ 出来高回転率の設定![]() 設定のポイント |
No.3線 | 5日出来高回転率を紺色で描画する。 |
設定例A 日足の正しい出来高回転率の設定日足の回転率は10倍の大きさになっていますが、これを週足・月足と同じ正しい回転率の数値で計算したいときは、以下のように設定すればよいのです。![]() |
No.4線 | 出来高の5日平均を計算する。 |
No.5線 | 発行株式数を取り出す。 |
No.6線 | No.4線(出来高の5日平均)をNo.5線(発行株式数)で割る。 |
No.7線 | No.6線をX25倍する。これが正しい日足の出来高回転率である。 |
![]() グラフ@「出来高回転率の設定」のグラフは図のようになります。紺色が5日出来高回転率。図のa,b,cの出来高回転率は15を超えています(正しくは1.5回転)が、これはこの銘柄(5706 三井金)にあてはまることであって、他の銘柄がいつも15回転でピークを打つということではありません。 目次へ.. 前頁へ.. 次頁へ.. |