No.2 デイトレードでオーバーナイトしてよいのか?

2007年6月に執筆 ・・・・  講座目次へ.

先物取引は日経平均が200円動けば売買のチャンスが出てきます。ということで、日経先物用のリアルタイムのソフトである《リアル24》を使うと、この気の抜けたビールを飲むようなメリハリのない相場で、どのようなことができたのか。またリアルタイムで売買する「システムトレード」はどうあるべきか。をしばらく述べてみようと思います。

@「プレゼント」を使ったシステムトレードの成績

右のような売買ルールで、2006年9月から2007年5月までの9か月の成績を調べました。

次の7つのルールを使っています。
  1. 売買マークがでたら、次の分足の始値で仕掛ける
  2. 仕掛けて40本(3分足を使うので120分後ということになる)が経過したら手仕舞う
  3. 当日の15:00に手仕舞いする(オーバーナイトしない)
  4. 売買マークと逆の売買マークがでたらドテン売買する
  5. ザラバで+1.2%の利益がでたら利食いする
  6. ザラバで-0.7%の損失がでたら損切りする
このうち図のB.の「仕掛けC」(14時10分から15時10分の間の最後の売買マークは、翌日の寄り付きで仕掛ける)は、ややわかりづらい(質問が幾度かあった)ので、今日は「仕掛けC」は使わない(「仕掛けC」のチェック欄を空白にしておく)とき、No.103「プレゼント」がどのような成績を出してきたかを、各月ごとにまとめました。(3分足データは私が楽天証券のRSSで受信したものです。人によって受信のタイミングが違うので、このとおりになるとは限りませんが、リアル24の「データダウンロード」でダウンロードしたデータなら同じ結果になります。)次の表です。

  1. 2006年9月から2007年5月までの9か月の成績です。
    06年10月の利益は0円。06年11月は-270千円の損失がでましたが、ほかの7か月は利益が出ています。

  2. 下から2行目の黄色欄は、9か月間の成績です。累計で3010千円の利益が出ています。
    この間の最大ドローダウンは400千円で、勝率は60.1%。プロフィットファクターは2.12倍。と良好です。

  3. 最下行の緑色欄は、「仕掛けC」(時刻14:10〜15:10の間にでた売買マークは翌日の寄り付きで仕掛ける)も採用したときの成績です。9か月間の累計で3790千円の利益が出ています。
    この間の最大ドローダウンは550千円で、勝率は62.1%。プロフィットファクターは2.35倍。売買ルールの「仕掛けC」を採用していない今日掲げた成績よりも良好ですが、最大ドローダウンが-550千円(ほぼ証拠金1枚分)というのがマイナスです。
時期 トレード数
勝ちトレード
負けトレード
損益額(千円)
利益額
損失額
平均利益率 勝率 プロフィットF 最大ドローダウン 累計利益
2006年9月 18件
15件
3件
650千円
810千円
-160千円
0.22% 83.3% 5.06倍 -120千円
6連勝
1連敗
650千円
2006年10月 18件
8件
10件
0千円
420千円
-420千円
0.00% 44.4% 1.00倍 -150千円
3連勝
2連敗
650千円
2006年11月 20件
9件
11件
-270千円
420千円
-690千円
-0.09% 45.0% 0.61倍 -400千円
2連勝
4連敗
380千円
2006年12月 12件
7件
5件
150千円
320千円
-170千円
0.07% 58.3% 1.88倍 -90千円
3連勝
2連敗
530千円
2007年1月 17件
11件
6件
720千円
880千円
-160千円
0.24% 64.7% 5.50倍 -140千円
6連勝
3連敗
1250千円
2007年2月 14件
8件
6件
150千円
430千円
-280千円
0.06% 57.1% 1.54倍 -130千円
4連勝
3連敗
1400千円
2007年3月 24件
11件
13件
340千円
820千円
-480千円
0.08% 45.8% 1.71倍 -260千円
2連勝
4連敗
1740千円
2007年4月 20件
15件
5件
880千円
1150千円
-270千円
0.25% 75.0% 4.26倍 -110千円
7連勝
1連敗
2620千円
2007年5月 15件
11件
4件
390千円
440千円
-50千円
0.14% 73.3% 8.80倍 -20千円
4連勝
2連敗
3010千円
2006年9月〜
2007年5月まで
158件
95件
63件
3010千円
5690千円
-2680千円
0.11% 60.1% 2.12倍 -400千円
7連勝
4連敗
3010千円
これまでの
標準売買ルール
161件
101件
60件
3790千円
6600千円
-2810千円
0.13% 62.7% 2.35倍 -550千円
10連勝
4連敗
3790千円


Aオーバーナイトとギャップ


上の9か月間の成績の売買ルールでは、「時刻15:00に当日の仕掛けを手仕舞う」としていました。15:00(正しくは15:03の始値)で手仕舞いするので、建て玉を翌日に持ち越すことはありません。

もし翌日に持ち越した(オーバーナイトする)ときは、どういうリスクを許容しなければならないのかは、右図を見ればわかります。6月7日から6月11日かけて、3度の大きなギャップ(前日終値と当日始値の格差)がでています。

もし(a)の近辺で買い仕掛けをしていたならば、翌日の始値ができたとたんに-180円の損失がでます。逆に(a)で売り仕掛けをしていたならば、一晩で+180円の利益がでます。

(b→B)の-200円のギャップ、(c→C)のギャップでも同じことが起こります。日本の市場は9:00に始まり、15:10に終わります。24時間のうちの約6時間ほどをカバーしているに過ぎません。残り18時間で様々なことが起こります。それが欧州の株価が変化し、米国の株価が変化して、9:00に日本に戻ってきます。日本で立会いがない時間に起きたことを9:00に一気に織り込むので、ギャップが生まれます。


ギャップの大きさについて知っておくことは大切です。右図は《Qエンジン24》でギャップ(前日終値と当日始値の差)を集計したものです。

1996年12月26日〜2007年6月11日までの2571日(約10年分)の統計です。
  1. ギャップには高く寄り付く「ギャップアップ」と安く寄り付く「ギャップダウン」がありますが、平均すると90.9円のギャップが発生しています。

  2. ギャップダウンを見ると、-200円より大きいギャップがでるのは全体の3.7%あります。-500円より大きいギャップは0.3%あります。

  3. ギャップアップ見ると、+200円より大きいギャップがでるのは全体の5.2%あります。+500円より大きいギャップは0.1%あります。

  4. どちらかというとギャップダウンのほうが大きく、多く出るといえます。+-200円を超えるギャップがでるのは9.0%あります。だいたい10日に1回は-200超か+200円超のギャップが発生します。


過去10年間で、+-500円を超えるギャップがあいたのは11回あります。
  1. 最大のギャップアップは700円で、98年6月のことでした。

  2. 最大のギャップダウンは-1000円で、2000年4月のことでした。

  3. 大きなギャップが多発したのは2000年までで、97年が4回。98年が3回。2000年が2回あります。2001年は2回、2003年〜2006年はなし。2007年2月に1回ありました。
オーバーナイトしないときは、常々のリスクは「最大ドローダウン」です。例えば昨日掲げた9か月間の最大ドローダウンは400千円でした。おそらくこの2倍の800千円のマイナスを覚悟しておけば、常々のリスクはほとんどこの範囲で収まるでしょう。証拠金が700千円とするならば、800千円を加えた1500千円を用意しておけば、昨日のトレードシステムが維持できます。

オーバーナイトをする売買ルールを採用するときは、最大ドローダウン+過去の最大のギャップを覚悟しておかねばなりません。証拠金(700千円)+最大ドローダウンの2倍(800千円)+最大のギャップ(1000千円)=2500千円を用意しておけば、10年は「プレゼント」のトレードシステムを維持できます。ただし500円を超えるような大きなギャップは滅多に出ないが、この10年間の最大のギャップより大きいギャップが生じる可能性もあります。ここでは一応用意する資金を2500千円としましたが、実際には不明です。


Bオーバーナイトしたらどうなったか


オーバーナイトする売買ルールは右図のようになります。
  1. 売買マークがでたら、次の分足の始値で仕掛ける
  2. 「仕掛けC」は採用しない
  3. 仕掛けて40本(3分足を使うので120分後ということになる)が経過したら手仕舞う
  4. 「決済K」は採用しない(オーバーナイトする)
  5. 売買マークと逆の売買マークがでたらドテン売買する
  6. ザラバで+1.2%の利益がでたら利食いする
  7. ザラバで-0.7%の損失がでたら損切りする

このときの成績は次のようになりました。
  1. 2006年9月から2007年5月までのオーバーナイトしたときの9か月間の成績です。
    06年10月は-200千円の損失がでましたが、ほかの8か月は利益が出ています。

  2. 最下行の黄色欄は、オーバーナイトしたときの9か月間の成績です。累計で4830千円の利益がでています。オーバーナイトしないときの利益は3010千円であったので、約1.6倍のの利益が出ています。
    この間の最大ドローダウンは-510千円で、勝率は60.2%。プロフィットファクターは2.31 倍。と良好です。

  3. オーバーナイトして変わったことは、@累積利益額が3010千円→4830千円に増加した。しかしA最大ドローダウンが-400千円→-510千円に拡大した。B4連敗→5連敗に増えた。
    利益額は目覚しく増えたが、最大ドローダウンと連敗というマイナス面も増えました。
時期 トレード数
勝ちトレード
負けトレード
損益額(千円)
利益額
損失額
平均利益率 勝率 プロフィットF 最大ドローダウン 累計利益
2006年9月 18件
14件
4件
740千円
1020千円
-280千円
0.25% 77.8% 3.64倍 -210千円
9連勝
2連敗
(4回)
740千円
2006年10月 18件
7件
11件
-200千円
380千円
-580千円
-0.07% 38.9% 0.66倍 -270千円
2連勝
3連敗
(4回)
540千円
2006年11月 22件
11件
11件
60千円
950千円
-890千円
0.01% 47.6% 1.07倍 -380千円
2連勝
3連敗
(9回)
600千円
2006年12月 12件
6件
6件
240千円
410千円
-170千円
0.12% 50.0% 2.41倍 -90千円
3連勝
2連敗
(4回)
840千円
2007年1月 19件
13件
6件
930千円
1250千円
-130千円
0.28% 68.4% 3.91倍 -190千円
6連勝
5連敗
(8回)
1770千円
2007年2月 15件
11件
4件
610千円
860千円
-250千円
0.23% 73.3% 3.44倍 -90千円
4連勝
1連敗
(5回)
2380千円
2007年3月 26件
11件
15件
490千円
1350千円
-860千円
0.11% 42.3% 1.57倍 -440千円
4連勝
4連敗
(7回)
2870千円
2007年4月 21件
15件
6件
1050千円
1320千円
-270千円
0.28% 71.4% 4.89倍 -110千円
5連勝
1連敗
(2回)
3920千円
2007年5月 15件
12件
3件
910千円
970千円
-60千円
0.34% 80.0% 16.17倍 -30千円
4連勝
1連敗
(4回)
4830千円
2006年9月〜
2007年5月まで
166件
100件
66件
4830千円
8510千円
-3680千円
0.17% 60.2% 2.31倍 -510千円
9連勝
5連敗
4830千円

昨日いったようにオーバーナイトしないときに用意しておく資金を150千円、オーバーナイトするときに用意する資金を250千円とするならば、全体の資金に対する利益率は
  1. オーバーナイトしないときは、3010÷1500=2.00倍
  2. オーバーナイトするときは、4830÷2500=1.93倍
  3. オーバーナイトしたときの最大ドローダウンは-510千円になっていたので、用意すべき資金は、証拠金(700千円)+最大ドローダウンの2倍(1020千円)+最大のギャップ(1000千円)=2720千円となります。
    このときの資金効率は、4830÷2720=1.77倍とさらに低下する。
となります。(ここで仮定した必要資金による)資金効率からは、オーバーナイトしないほうがよいともいえます。


Cオーバーナイトしたら何が利益を稼いだのか?

2006年9月〜2007年5月までの9か月間について、(A-1)オーバーナイトしないときと、(A-2)オーバーナイトしたときの検証をしました。その売買成績は次の表のようになりました。

検証のしかた トレード数
勝ちトレード
負けトレード
損益額(千円)
利益額
損失額
平均利益率 勝率 プロフィットF 最大ドローダウン 累計利益
(A-1)
オーバーナイトしない
158件
95件
63件
3010千円
5690千円
-2680千円
0.11% 60.1% 2.12倍 -400千円
7連勝
4連敗
3010千円
(A-2)
オーバーナイトする
166件
100件
66件
4830千円
8510千円
-3680千円
0.17% 60.2% 2.31倍 -510千円
9連勝
5連敗
4830千円

(A-1)「オーバーナイトしない」と(A-2)「オーバーナイトする」の違いは、(A-1)が15:00でその日の建て玉を手仕舞いする、(A-2)が手仕舞いせずに建て玉を持続する、ということです。15:00に手仕舞いしないとどういうことになるのか。
  1. 手仕舞いをしないので明日以降に「利食いA」の可能性がでてくる。
  2. 手仕舞いをしないので明日以降に「損切りZ」の可能性ががでてくる。
  3. 「時間切れJ」となったときに、利益額は増加または減少している。
  4. 「時間切れJ」となったときに、損失額は増加または減少している。
  5. 終値から翌日の始値までにギャップが発生する。
1.と2.はあわせて評価せねばなりません。「利食いA」と「損切りZ」が増加することによってトータルでプラスになるのかマイナスになるのかが問題です。3.4.は翌日の相場次第です。5.のギャップもプラスに加担するのかマイナスに加担するのかは不明です。

(A-1)次図は冒頭に掲げた(A-1)「オーバーナイトしない」ときの売買成績表の一部です。



表の下段の「決済別の成績」欄を見ると、どの決済で利益がでて、どの決済で損失がでたのかがわかります。(A-1)「オーバーナイトしない」では、
  1. 「利食いA」 (1.2%の利益がでたとき)
  2. 「損切りZ」 (-0.7%の損失がでたとき)
  3. 「決済L」 (反対の売買マークがでたとき手仕舞いし、新規に仕掛ける)
  4. 「時間切れJ」 (仕掛けて40本が経過したら次の足で手仕舞い)
  5. 「決済K」 (15:00にその日の建て玉を手仕舞い)
の5つの手仕舞いかたがあります。この内訳を見るのです。 次のことがわかります。
  1. 累計利益は17.73%であった。(@平均利益率は0.11%、A勝率60.1%、BPFは2.11倍)
  2. 「利食いA」による累計利益は4.94%。
  3. 「決済L」(ドテン売買)による累計利益は-3.80%。
  4. 「時間切れJ」(仕掛けて40本で手仕舞い)による累計利益は 16.79%。
  5. 「決済K」(15:00に手仕舞い)による累計利益は 2.76。
  6. 「損切りZ」による累計損失は-2.97%。
累計利益17.73%(金額では3010千円)のうち、時間切れJが16.79%の利益を出しています。「決済K」(15:00手仕舞い)は42件あります。全トレード158件のうちの1/4が「決済K」で強制的に手仕舞いをしています。この手仕舞いではわずかだが2.76%の利益を出しています。

「利食いA」(4.94%)と「決済L」(-3.80%)と「損切りZ」(-2.97%)の3つの合計は(-1.83%=4.94-3.80-2.97)です。「利食いA」で利益を上げているわけではありません。「時間切れJ」が利益の源泉です。


(A-2)次は(A-2)「オーバーナイトする」の売買成績です。



  1. 累計利益は28.40%であった。(@平均利益率は0.17%、A勝率60.2%、BPFは2.30倍)
  2. 「利食いA」による累計利益は13.26%。
  3. 「決済L」(ドテン売買)による累計利益は-8.77%。
  4. 「時間切れJ」(仕掛けて40本で手仕舞い)による累計利益は 27.61%。
  5. 「決済K」は採用していない(オーバーナイトするため)。
  6. 「損切りZ」による累計損失は-3.70%。
(A-1)の決済K(15:00に手仕舞い)は42件ありました。これがなくなることによってどうなったかというと、
  1. 「利食いA」は4件→10件へ増加した。(6件増加)
  2. 「損切りZ」は4件→5件へ増加した。(1件増加)
  3. 「決済L](ドテン)は9件→20件へ増加した(11件増加)
  4. 「時間切れJ」は99件→131件へ増加した(32件増加)
  5. 全トレードは158件→166件へ増加した(8件増加)
「利食いA」が6件増加したのでよかったと思うかも知れませんが、 「利食いA」(13.26%)と「決済L」(-8.77%)と「損切りZ」(-3.70%)の合計は(0.79%)です。「利食いA」で利益を上げても「決済L」や「損切れZ」に食われてしまっています。

最も利益を出したのは「時間切れJ」の27.61%です。(A-2)「オーバーナイトする」の利益の源泉は「時間切れJ」なのです。これは(A-1)でも同じです。「時間切れJ」が利益の源泉になっています。

D利益の源泉はなにか?

(A-3)(A-1)(A-2)は「時間切れJ」が利益の源泉になっていました。もし「時間切れJ」を売買ルールにしていなかったらどういうことになるのか?

もっと極端な売買ルールにしてみましょう。次は決済L(ドテン売買)だけにしたときの成績です。仕掛け→手仕舞い(同時にドテン仕掛け)→手仕舞い(同時にドテン仕掛け)の繰り返しをします。時間切れJの制限はないし、15:00の手仕舞いもしません。利食いAも損切りZもしません。この売買ルールでは次のような売買成績になります。



  1. 累計利益は8.17%であった。(@平均利益率は0.05%、A勝率39.4%、BPFは1.16倍)
  2. 「利食いA」はしない。
  3. 「決済L」(ドテン売買)による累計利益は8.17%。
  4. 「時間切れJ」はしない。
  5. 「決済K」はしない(オーバーナイトするため)。
  6. 「損切りZ」はしない。
ようするに究極のドテン売買です。常に買い仕掛けか売り仕掛けをしている。ドテン売買は理論的には、@平均利益率0.0%、A勝率50%、BPF1.0倍に収束します。この例では、@平均利益率は0.05%とプラス、A勝率39.4%とマイナス、BPF1.16倍とややプラスになっていますが、もっと長い期間の成績を調べると理論値に近くなるはずです。

ドテン売買の成績を理論値よりよくするためには、「仕掛けていない時間を作ること」です。仕掛けていない時間を作るには、
  1. 「利食いA」をして仕掛けを手仕舞いする。
  2. 「損切りZ」をして仕掛けを手仕舞いする。
  3. 「時間切れJ」を決めて仕掛けを手仕舞いする。
  4. 「決済K」の時刻を決めて仕掛けを手仕舞いする。
の方法があります。有利な時期だけ建て玉をし、不利な時期には建て玉をしないことが利益の源泉です。

(A-4)(A-3)「究極のドテン売買」に、利食いAと損切りZの売買ルールを追加してみます。利食いAや損切りZによって建て玉しない時期を作るわけです。この売買ルールでは次のような売買成績になります。



  1. 累計利益は18.68%であった。(@平均利益率は0.11%、A勝率41.2%、BPFは1.39倍)
  2. 「利食いA」による累計利益は58.60%。
  3. 「決済L」(ドテン売買)による累計利益は-30.09%。
  4. 「時間切れJ」はしない。
  5. 「決済K」は採用していない。
  6. 「損切りZ」による累計損失は-9.83%。
「利食いA」と「損切りZ」を売買ルールに追加したことによって、(A-3)「究極のドテン売買」の@平均利益は0.05%→0.11%へ、A勝率39.1%→41.2%へ、BPF1.16倍→1.39倍へと向上しました。

「利食いA」が58.60%と大きくなっているのは、2007年2月27日〜28日の-670円のギャップを取り込めたのが原因です。建て玉にプラスに影響するギャップが発生したことで利益を増加させています。 売買の基本は「決済L」(ドテン売買)ですが、ここでは-30.09%の累計損失がでています。(A-3)では「決済L」は+8.17%の利益をあげていましたが、ここから「利食いA」(+58.60%)が強制的に手仕舞いされ、「損切りZ」(-9.83%)が強制的に手仕舞いを強制されたために、利食いも損切りもできなかった売買が「決済L]として残ったわけです。

「利食いA」と「損切りZ」と残りの「決済L」の合計が、この条件表「プレゼント」の基本の性能です。この3つの合計は(18.68%)ですから、「プレゼント」はナカナカの性能をもつ条件表だといえます。


(A-5)(A-3)「究極のドテン売買」に、「利食いA」と「損切りZ」と「決済K」(15:00で手仕舞い)の売買ルールを追加してみます。「決済K」はオーバーナイトするかしないかですから、(A-4)はオーバーナイトする、(A-5)はオーバーナイトしない、という点が違います。(A-1)の「オーバーナイトしない」と(A-2)の「オーバーネナイトする」と同じ関係です。(A-1)と(A-2)を比較すると、オーバーナイトしたほうが成績はよかったが、最大ドローダウンは大きくなっていました。



  1. 累計利益は13.67%であった。(@平均利益率は0.09%、A勝率56.7%、BPFは1.63倍)
  2. 「利食いA」による累計利益は8.61%。
  3. 「決済L」(ドテン売買)による累計利益は-7.27%。
  4. 「時間切れJ」はしない。
  5. 「決済K」による累計利益は18.22%。
  6. 「損切りZ」による累計損失は-5.88%。
「決済K」を入れたことによって、「利食いA」や「損切りZ」のチャンスが減少し、累計利益は18.68→13.67%へダウンしましたが、勝率は41.2%→56.7%へ、PFは1.39倍→1.63倍へと向上しました。全体の成績はハデさがなくなったが安定したといえます。




E建て玉を0にすることが利益を出す

(A-1)〜(A-5)の成績を表にまとめました。

検証(売買ルール) トレード数
勝ちトレード
負けトレード
損益額(千円)
利益額
損失額
平均利益率 勝率 プロフィットF 最大ドローダウン 資金効率
(A-3)
@決済L
165件
65件
100件
1430千円
9930千円
-8500千円
0.05% 39.4% 1.16倍 -1560千円
6連勝
7連敗
0.458倍
(A-4)
@決済L
A利食AB損切Z
165件
68件
97件
3220千円
11220千円
-8000千円
0.11% 41.2% 1.39倍 -1250千円
6連勝
7連敗
1.288倍
(A-5)
@決済L
A利食AB損切Z
C決済K(15:00)
157件
89件
68件
2310千円
5930千円
-3620千円
0.09% 56.7% 1.63倍 -730千円
6連勝
6連敗
1.582倍
(A-2)
@決済L
A利食AB損切Z
C時間J
166件
100件
66件
4830千円
8510千円
-3680千円
0.17% 60.2% 2.31倍 -510千円
9連勝
5連敗
4.735倍
(A-1)
@決済L
A利食AB損切Z
C時間JD決済K(15:00)
158件
95件
63件
3010千円
5690千円
-2680千円
0.11% 60.1% 2.12倍 -400千円
7連勝
4連敗
3.762倍


右欄の「資金効率」は累積利益額÷(最大ドローダウン×2)で計算しました。(ギャップのリスクは最大ドローダウンの2倍とすることで吸収できるとしました)。(A-3)を例にすると、累積利益が1430千円、最大ドローダウンが1560千円なので、1430÷(1560×2)=0.458 と計算できます。

表の順は、決済の方法が少ないものから多い順になっています。決済の種類が増えるにしたがって、@勝率が高まり、A最大ドローダウンが小さくなり、B資金効率が高くなっていくことがわかります。

(A-1)と(A-2)は「決済K」(15:00で手仕舞い)を採用するかどうかの違いですが、この例では「決済K」を採用しないほうが、最大ドローダウンが増加した以外のすべてがよくなっています。

「決済K」(オーバーナイトしない)は無効なのでしょうか? そうではありません。(A-4)と(A-5)は「決済K」を採用するかしないかだけが違っていますが、採用した(A-5)は(A-4)に比べて、@勝率は41.2%→56.7%へアップ、APFは1.39倍→1.63倍へアップ、B最大ドローダウンは-1250千円→-730千円へ縮小、C資金効率は1.288倍→1.582倍へアップと向上しています。「決済K」(オーバーナイトしない)は有効であることがわかります。(それでは「決済K」を採用しない(A-2)のほうが採用した(A-1)よりも成績がよかったのはなぜなのかは、後で調べます。)

(A-3)(A-4)(A-5)と((A-1)(A-2)の違いは「時間切れJ」があるかないかです。(A-3)(A-4)(A-5)は「時間J」は採用していません。「時間切れJ」がない(A-5)と(A-1)を比べると、(A-1)は(A-5)に比べて,@勝率は56.7 %→60.1%へアップ、APFは1.63倍→2.12倍へアップ、B最大ドローダウンは-730千円→-400千円へ縮小、C資金効率は1.582倍→3.762倍へアップと向上しています。「時間切れJ」は非常に有効な売買ルールです。

「利食いA」「損切りZ」「時間切れA」「決済K」は強制的に手仕舞いをし、建て玉を0にし、次の仕掛けを待つということです。つまり「建て玉していない時間をうまく作る」ことが、システムトレードの良し悪しを決定するのです。



なぜ「建て玉しない時間」について繰り返しいったかというと、ユーザーから「NO.103 プレゼント」を使って手仕舞いした後、ポカンと相場を見ていなければならない。なんとかならないか。」という問い合わせがくるからです。

建て玉しない時間を作ることが利益の源泉であることがわかってもらえれば、こんな質問はこないだろうと思いますが、さらに説明をしておきます。

図の(A-3)は、ドテン売買です。Aで買い仕掛け→Bで買い手仕舞い・売り仕掛け→Cで売り手仕舞い・買い仕掛け→Dで買い手仕舞い・売り仕掛け→Eで売り手仕舞い・買い仕掛け、をします。常に建て玉をしているやりかたです。この成績はどうであったは(A-3)の売買成績を見るとわかります。トレードシステムとしては失格です。

(A-4)(A-5)(A-1)(A-2)は、「利食いA」「損切りB」「時間切れJ」「決済K」などで強制的に手仕舞いをするやりかたです。(a-B)(b-C)(c-D)(d-E)では建て玉をいません。このことが成績をよくしています。

「No.103 プレゼント」で、この建て玉しない時間を埋めようとすると、これは(A-3)に戻すことで自殺行為です。もし「プレゼント」で建て玉しない時間においても建て玉したいならば「プレゼント」とは別のシステムを用意することです。「プレゼント」で売買すると同時に「別のシステム」でも売買することです。
  1. このとき「別のシステム」は「プレゼント」と同じくらいの成績でなければならない。もし「別のシステム」がかなり劣るのであれば、「プレゼント」だけで2枚の売買をしたほうがよいし、「別のシステム」が優れているのであれば、「プレゼント」は使わずに「別のシステム」だけで2枚の売買をしたほうがよいからです。

  2. もし「プレゼント」と同じような成績になる「別のシステム」を作ったとしても、「プレゼント」で2枚を売買するのと、「プレゼント」で1枚・「別のシステム」で1枚の売買をするのとでは、利益額は同じです(同じ成績だから)。わざわざ「プレゼント」と「別のシステム」を併用するのは、「プレゼント」によって建て玉していない時間を「別のシステム」で埋めたいという理由だけからです。もし「プレゼント」と「別のシステム」が同時に仕掛けや手仕舞いを出したときは、2つの注文を出せるのかという弊害もあります。

  3. このように2つのシステムを併用することは、利益という面ではあまり意味がありませんが、仕掛け・手仕舞いを異なる時間に執行すれば「時間の分散」ができます。時間が分散すればリスクも分散しますから、最大ドローダウンは1つのシステムのものよりも小さくなる可能性があります(確かめてはいないが)。
以上の理由から、わざわざ建て玉しない時間を埋めることには積極的な効果はないと思っています。






Fオーバーナイトしたときのギャップの発生の様子

C「オーバーナイトしたら何が利益を稼いだのか?」で、(A-1)「オーバーナイトしない」と(A-2)「オーバーナイトする」の成績を比較しました。これは次の表の(A-1)(A-2)のようになっていました。ここでは(A-2)「オーバーナイトする」の内訳を検討します。すなわち(A-2)のうちで@(A-6)オーバーナイトしたトレードと、A(A-7)その日のうちに決済したトレードを区分して、その成績を比較します。

検証(売買ルール) トレード数
勝ちトレード
負けトレード
損益額(千円)
利益額
損失額
平均利益率 勝率 プロフィットF 最大ドローダウン 資金効率
(A-1)オーバーナイトなし
@決済L
A利食AB損切Z
C時間JD決済K(15:00)
158件
95件
63件
3010千円
5690千円
-2680千円
0.11% 60.1% 2.12倍 -400千円
7連勝
4連敗
3.762倍
(A-2)オーバーナイトする
@決済L
A利食AB損切Z
C時間J
166件
100件
66件
4830千円
8510千円
-3680千円
0.17% 60.2% 2.31倍 -510千円
9連勝
5連敗
4.735倍
(A-6)オーバーナイトした取引 47件
29件
18件
2290千円
3470千円
-1180千円
0.29% 61.7% 2.92倍 - -
(A-7)当日決済した取引 119件
71件
48件
2540千円
5040千円
-2500千円
0.13% 59.7% 2.00倍 - -


(A-7)の当日決済した取引の成績は、(A-1)と同じような成績になるはずです。@平均利益率は、0.11%(A-1)と0.13%(A-7)でほぼ同じ。A勝率は60.1%(A-1)と59.7%(A-7)で同じ。BPFは2.12倍(A-1)と2.00倍(A-7)でほぼ同じです。

(A-1)で「決済K」の件数は42件でしたが、オーバーナイトすることによって、@15:03以降に仕掛けとなったものや、A15:03以降に決済したものが出てくるので、(A-6)のオーバーナイトした件数は42件ではなく47件ありました。

(A-6)のオーバーナイトした取引の成績を(A-1)と比べると、@平均利益率は、0.11%(A-1)に対し0.29%(A-6)で約3倍近い利益率です。A勝率は60.1%(A-1)と61.7%(A-6)でほぼ同じ。BPFは2.12倍(A-1)と2.92倍(A-6)でかなりよい。この違いはギャップによるものと推測できます。そこでオーバーナイトした47件について、@どのようなギャップが発生したのか、Aそのギャップは利益にどれだけの影響を与えたのかを調べました。次のようになりました。


重要なものは「ギャップ」と「影響」の欄の数値です。1行目を例にすると、
  1. 060905に
    16370円で
    買い仕掛け(B)

  2. 060906に
    16340円で
    時間切れ

  3. 粗利は-30円

  4. この日-70円のギャップがあった(ギャップダウン)

  5. -70円のギャップは買い仕掛けにとってはマイナスの影響を与えたので「影響」は-70円とする。
13行目を例にすると、
  1. 061110に
    16120円で
    売り仕掛け(S)

  2. 061113に
    16030円で
    時間切れ

  3. 粗利は+90円

  4. この日-80円のギャップがあった(ギャップダウン)

  5. -80円のギャップは売り仕掛けにとってはプラスの影響を与えたので「影響」は+80円とする。

オーバーナイトした47日について調べると次のようになっていました。

ギャップ オーバーナイト
した件数
出現率 累計 平均ギャップ 10年間の
件数
出現率 平均ギャップ
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
-
25件
20件
2件
計47件
53.2%
42.6%
4.2%
-
+2030円
-1650円
0円
-
81.2円
-82.5円
0円
-
1292件
1123件
156件
2571件
50.2%
43.7%
6.1%
-
96.1円
-97.5円
0円
-

左の黄色い欄をみてください。ギャップアップが発生していた日は25件あり、ギャップダウンした日は20件、ギャップがない日が2件ありました。ギャップアップが47日中25日(出現率が53.2%)、ギャップダウンが47日中に20日(出現率が42.6%)あります。ギャップアップのほうが多くでています。これは過去の出現率に比べてどうなのでしょうか。この47日はいつもと同じだったのか、異常にギャップアップが多かったのでしょうか。

右の緑色欄は過去2571日間のギャップの出現率です。これによると、ギャップダウンの出現率は43.7%です。47日間の出現率42.6%とほぼ同じです。ギャップアップも同じで、過去2571日間の出現率50.2%に対して47日間は53.2%ですから、この47日間のギャップはいつもと同じ確率どおりに発生しています。

ギャップの平均値を見ると、2571日のギャップダウンは-97.5円、ギャップアップは96.1円でだいたい同じ大きさです。47日間のギャップの平均値はギャップダウンが-82.5円、ギャップアップが81.2円で、2571日のものより小さくなっていますが、2571日間には株価が2000円、30000円の水準の時期もあったので、現在の株価水準(17000円)のギャップの平均値が小さいことは問題になりません。重要なのは、47日間のギャップダウンの平均値-82.5円とギャップアップの平均値81.2円が同じ大きさであったことです。これは2571日の平均値が-97.5円と96.1円で同じ大きさであったことと一致します。

つまり47日間に発生したギャップは、@出現率は確率どおりだった、Aギャップダウンとギャップアップの平均は過去の統計どおりで同じだったわけです。

Gオーバーナイトしたときのギャップの影響

過去2571日間で@ギャップダウンは43.7%、Aギャップアップは50.2%、Bギャップなしは6.1%の出現率であったという数字は重要です。

売り仕掛けをしてオーバーナイトしたとき、翌日のギャップがギャップダウンであれば順風であり、ギャップアップであれば逆風になります。ところがこの統計からすると、翌日ギャップダウンが発生するのは43.7%でしかない。50.2%はギャップアップが発生し逆風になります。

反対に買い仕掛けをしてオーバーナイトしたとき、翌日のギャップがギャップアップであれば順風であり、ギャップダウンであれば逆風になります。統計では翌日逆風であるギャップダウンが発生するのは43.7%でしかなく、50.2%はギャップアップが発生し順風になります。

ギャップダウンが43.7%、ギャップアップが50.2%であるところから、ギャップアップを順風とする買い建てをしておいたほうが有利である(有利であった)ことになりますが、実際にはさほどの違いはでません。

仕掛けの割合 (順風)
売りはギャップダウン
買いはギャップアップ
(逆風)
売りはギャップアップ
買いはギャップダウン
順風−逆風
売り 1000回
買い 1000回
合計
437回
502回
* 939回
502回
437回
* 939回
0.0%
-
0回
売り  800回
買い 1200回
合計
350回
602回
* 952回
402回
524回
* 926回
1.3%
-
26回
売り  500回
買い 1500回
合計
219回
753回
* 972回
251回
656回
* 907回
3.2%
-
65回
売り  200回
買い 1800回
合計
87回
904回
* 991回
100回
787回
* 887回
5.2%
-
104回
売り  0回
買い 2000回
合計
0回
1004回
* 1004回
0回
874回
* 874回
6.5%
-
130回

次の表は、2000回のオーバーナイトをしたとき、その売り仕掛けの回数と買い仕掛けの回数によって、どのくらい有利になるかをまとめたものです。
  1. 1番上の欄は、売り仕掛けを1000回、買い仕掛けを1000回の同数ずつ仕掛けてオーバーナイトしたとき、ギャップが有利(順風)になった回数と不利(逆風)になった回数を表しています。
    1000回売り仕掛けをしたとき、翌日順風であるギャップダウンになる確率は43.7%あるので順風は437回。逆風であるギャップアップになる確率は50.2%あるので逆風は502回です。

    1000回買い仕掛けをしたとき、翌日順風であるギャップアップになる確率は50.2%あるので順風は502回。逆風であるギャップアップになる確率は43.7%あるので逆風は437回です。

    売り仕掛けの順風(437回)と買い仕掛けの順風(502回)を合計すると、順風は939回あることになります。同じく売り仕掛けの逆風(502回)と買い仕掛けの逆風(437回)を合計すると、逆風は939回あります。順風(939回)と逆風(939回)は同数です。つまりギャップダウンの出現率(43.7%)とギャップアップの出現率(50.2%)に差があっても、売り仕掛けと買い仕掛けを同じ割合で仕掛けオーバーナイトするならば、ギャップによる有利不利はありません。

  2. 2番目の欄は、売り仕掛けを800回、買い仕掛けを1200回に変えてみたものです。ギャップアップの出現確率のほうがギャップダウンの出現確率より高いのだから、ギャップアップが順風である買い仕掛け(でオーバーナイトする)を増やしてみました。2000回のうち40%の800回を売り仕掛け、60%の1200回を買い仕掛けとしました。
    800回売り仕掛けをしたとき、翌日順風であるギャップダウンになる確率は43.7%あるので順風は350回。逆風であるギャップアップになる確率は50.2%あるので逆風は402回です。

    1200回買い仕掛けをしたとき、翌日順風であるギャップアップになる確率は50.2%あるので順風は602回。逆風であるギャップアップになる確率は43.7%あるので逆風は524回です。

    売り仕掛けの順風(350回)と買い仕掛けの順風(602回)を合計すると、順風は952回あることになります。同じく売り仕掛けの逆風(402回)と買い仕掛けの逆風(524回)を合計すると、逆風は926回あります。順風(952回)と逆風(926回)の差の26回が、ギャップによって有利になった正味の回数です。26回というのは2000回の仕掛けの1.3%でしかありません。ほとんど差はありません。

  3. 3番目以下は売り仕掛けの回数を減らし、買い仕掛けの回数を増やしていったときの計算値ですが、(売り:買いが1:3である)売り500回・買い1500回でもギャップによる有利な回数は65回しかありません。(売り:買いが1:9である)売り200回・買い1800回でもギャップによる有利な回数は104回(5.2%)です。

    まったく売り仕掛けでオーバーナイトしないとしたとき、130回(6.5%)だけ有利になりますが、6.5%というのは、ギャップアップの出現率(50.2%)とギャップダウンの出現率(43.7%)の差です。
今後、ギャップの出現率が大きく変わる(例えばギャップダウンの確率が30%、ギャップアップの確率が60%のように)ことがない限り、ギャップは「売り仕掛け」「買い仕掛け」によってギャップが有利不利に発生することはありません。ギャップの発生は確率的なものであり、ランダムに発生すると思ったほうがよいのです。

Hオーバーナイトした延べ47日間のギャップの影響

さてオーバーナイトした47日間の売買成績は、F「オーバーナイトしたときのギャップの発生の様子」の表に掲げたように、@平均利益率が0.29%、APFが2.92、とよいものでした。この延べ47日間に発生したギャップは同じE章に掲げたように統計値と同じものでした(@出現率がだいたい同じ、Aギャップダウンとギャップアップの平均ギャップの大きさがだいたい同じ)。そうであれば、ギャップの発生は47日間の成績にはほとんど影響を与えないはずですが、そうではなかった。

次の表は、47日間の売り仕掛けの順風・逆風の回数とギャップによる利益の増加額をまとめたものです。

47日の仕掛け @(順風)
統計値
@(逆風)
統計値
@ギャップの
有利不利
A(順風)
理論値
A(逆風)
理論値
Aギャップの
有利不利
B(順風)
実際値
B(逆風)
実際値
Bギャップの
有利不利
売り 22回
G 82.5円
9.6回
+792円
11.0回
-893円
-
-101円
11回
+908円
11回
-893円
-
+15円
11回
1050円
11回
-590円
-
+460円
買い 25回
G 81.2円
12.6回
+1023円
10.9回
-899円
-
+124円
14回
+1137円
9回
-743円
-
+394円
14回
+1440円
9回
-600円
-
+840円
ギャップによる利益額 - - +23円 - - +409円 - - +1300円


47日間で売り仕掛けしてオーバーナイトしたのは22回ありました。
  1. 売りの順風であるギャップダウン(47日の平均は82.5円)が発生する確率は43.7%であるので、統計どおりならば順風を受ける回数は9.6回(=22×0.437)になります。 このとき順風によってかさ上げされる利益は+790円(9.6回×82.5円)です。上段の「@(順風)統計値」の欄の(9.6回 +792円)とあるのがそれです。

    いっぽう逆風であるギャップアップ(47日の平均は81.2円)が発生する確率は50.2%であるので、統計どおりならば逆風を受ける回数は11.0回(=22×0.502)になります。このとき逆風によって引き下げられる損失は-893円(11.0×81.2円)です。上段の「@(逆風)統計値」の欄の(11.0回 -893円)とあるのがそれです。

    22回の売り仕掛けでは順風に遭遇したとき+792円の有利、逆風に遭遇したときは-893円の損失となるので、売り仕掛けのオーバーナイトは-101円ほど不利(オーバーナイトしないのに比べて)になる。というのが統計値から導かれます。

  2. 実際には、売り仕掛け22回のうち、順風に遭遇したのは11回で、逆風に遭遇したのは11回でした。もしギャップの大きさが平均値(ギャップダウンは82.5円、ギャップアップは81.2円)だとしたら、順風によって908円(=11回×82.5円)ほど利益がかさ上げされ、逆風によって-893円(=11回×81.2円)ほど利益が引き下げられます。上段の「A(順風)理論値」「A(逆風)理論値」の欄の数字です。

    売り仕掛け22回では+15円の利益のかさ上げがされたはずです。順風に遭遇した回数が、統計上は9.6回であるのに実際には11回あった(1.4回多かった)ことによって順風により利益額が+792円から+908円へ増加したのが原因です。順風が1.4回多かったのは、@「プレゼント」がギャップダウンを予想して、売り仕掛けでオーバーナイトしたからではなく、A単に「運よく順風となった」というところでしょう。

  3. しかし現実は、売り仕掛けで順風に遭遇した11回のギャップダウンの累計が1050円ありました。理論値(908円)より142円多くのかさ上げとなりました。逆風に遭遇した11回のギャップアップの累計は590円で、理論値の893円よりも303円ほど損失が軽くすみました。この結果、売り仕掛けでオーバーナイトしたことによって+460円のギャップによる利益のかさ上げを実現しています。「B(順風)実際値」「A(逆風)実際値」の欄の数字です。

  4. 同様にして、買い仕掛けでオーバーナイトしたときの、「統計値」「理論値」「実際値」が2段目の数字です。

  5. 3段目の数字はギャップを許容したことによって、利益がどれだけかさ上げされるたの数字です。
    @順風・逆風に会う確率が統計どおりであれば、オーバーナイトしたことで+23円の利益がかさ上げされます。
    Aしかし実際には順風に遭遇した回数はこれよりよいものでした。売り仕掛けでは9.6回のところが11回(+1.4回)とよくなり、買い仕掛けでは順風に遭遇するのは12.6回のところが14回(+1.4回)となっています。つごう+2.8回ほど有利になりました。

    逆風に遭遇した回数も統計値よりよいものでした。売り仕掛けでは11.0回のところが11回だったので統計どおりでしたが、買い仕掛けでは逆風に遭遇するのは10.9回のところが9回(-1.9回)と少なく、この分だけ損失が回避されます。

    遭遇したギャップが平均的な大きさであれば、売り仕掛けで+15円、買い仕掛けで+394円、合計409円ほどがギャップによってかさ上げされる利益です。統計値の利益+23円から+409円へ利益が増加するのは、ひとえに順風に遭遇した回数が統計値よりも多く、逆風に遭遇した回数が統計値より少なかったのが原因です。これは「運」によるものだと今のところは判断しています。

  6. 現実は予想を超える利益をかさ上げしました。Aの順風(理論値)の利益の額とBの順風(実際値)の利益の額はよりラジカルにカイリしています。

    売り仕掛けの順風は+908円に対し現実は+1050円。逆風は-893円に対し-590円で済んでいます。売り仕掛けをオーバーナイトすることにより+460円の利益のかさ上げになりました。買い仕掛けの順風は+1137円に対し現実は+1440円。逆風は-743円に対し-600円で済んでいます。買い仕掛けをオーバーナイトすることで+840円の利益のかさ上げになりました。合計では+1300円の利益のかさ上げです。
理論値では+409円の利益であるべきところが、現実には+1300円の利益になったのは、@順風に遭遇したときのギャップは平均値より大きく、A逆風に遭遇したときのギャップは平均値よりも小さかったのが原因です。これは「運がよかった」からでしょうか? 理論値と実際値を比べてみると、
  1. 売り仕掛けの順風は(+908円→1050円)へ増加し、プラス。
  2. 売り仕掛けの逆風は(-893円→-590円)へ減少し、プラス。
  3. 買い仕掛けの順風は(+1137円→1440円)へ増加し、プラス。
  4. 買い仕掛けの逆風は(-743円→-600円)へ減少し、プラス。
となっています。ギャップによる利益が(オーバーナイトしないときに比べて)増減する原因はこの4つしかありませんが、4つの原因ともにプラスに動いています。1つか2つの原因で利益がかさ上げされていたのであれば「運がよかった」といえますが、全部がプラスとなると、「プレゼント」が
  1. 売り仕掛けを出している(下降相場である)ときのギャップは、ギャップダウンならその幅は拡大され(順風の利益が増加する)、ギャップアップならその幅は縮小され(逆風の損失が減少する)、

  2. 買い仕掛けを出している(上昇相場である)ときのギャップは、ギャップアップならその幅は拡大され(順風の利益が増加する)、ギャップダウンならその幅は縮小される(逆風の損失が減少する)。
という現象があるのかも知れません。下降相場のときに発生するギャップダウンは平均より大きく、ギャップアップは平均より小さい。上昇相場のときに発生するギャップアップは平均より大きく、ギャップダウンは平均より小さい、ということはありうることです。つまり
  1. 明日のギャップがギャップアップになるのかギャップダウンになるのかはわからないが、通常なら100円のギャップが出るところが、
  2. 上昇相場のときは楽観人気によって、ギャップダウンのときは80円に縮小され、ギャップアップのときは+120円に拡大されるのでないか。
  3. 下降相場のときは悲観人気によって、ギャップダウンのときは120円に拡大され、ギャップアップのときは+80円に縮小れるのでないか。
ということが推測できます。そうであれば上昇相場のときは買いマークを出し、下降相場のときは売りマークを出すような条件表はギャップをも味方につけるのではないか。(これは次章から調べてみます。)


I-1 トレンドによってギャップの出現回数やギャップの幅はちがうのか?

前章「Hオーバーナイトした延べ47日間のギャップの影響」では、オーバーナイトしたとき、
  1. 順風となった回数が少し多かった(売りの統計では9.6回なのに11回でた。買いの統計では12.6回なのに14回でた)
  2. 順風のギャップの幅が大きかった(売りの統計では792円なのに1050円あった。買いの統計では1023円なのに1440円あった)
  3. 逆風のギャップの幅が小さかった(売りの統計では893円なのに590円だった。買いの統計では899円なのに600円だった)
とギャップが大いに成績を向上させたのですが、これは47日間にたまたま出現したことなのか?単に運がよかっただけではないか?別の時期にはこれと逆にギャップは成績を悪化させるのではないか? の疑問が残ります。そこで「トレンドとギャップの関係」を調べてみます。

図は25日平均線です。株価(終値)が25日線より上位にあるときを上昇トレンド、下位にあるときを下降トレンドとしてみましょう。このとき 前日の株価が前日の25日平均線より上位にある(上昇トレンド)ときに発生するギャップは
  1. ギャップアップ
  2. ギャップダウン
  3. ギャップなし
の3通りがあります。A,Bのギャップの回数とギャップの幅をそれぞれに統計を取ってみる。また前日の株価が前日の25日平均線より下位にある(下降トレンド)ときに発生するギャップは
  1. ギャップアップ
  2. ギャップダウン
  3. ギャップなし
の3通りがあります。a,bのギャップの回数とギャップの幅をそれぞれに統計を取ってみる。(AとB)また(aとb)のギャップの出方(回数とギャップ幅)に違いがあれば、25日平均線はギャップを味方にできるという判断ができます。はたしてそうなるのか。次のような条件表を設定します。


  1. No.5行は、株価(終値)を先行させ、前日の終値を当日に移動させています。
  2. No.6行は、当日の始値から前日の終値を「a-b」で引いています。プラスの値ならギャップアップ、マイナスの値ならギャップダウンです。(ギャップがないときは0になる)
  3. No.7行で(ギャップの幅を前日の終値で割り)、1000倍しています。(数字の桁数を多くしたいため)
  4. No.12行で25日平均を計算し、これを1日先行させています。前日の25日線の値がNo.13行に移動します。

  5. 前日の終値が前日の25日線より上位にあれば「買い」の条件です。
  6. No.8行の値(ギャップ÷前日終値×1000)が0.001以上(プラス)であれば「買い」の条件。DとEによって、前日の株価が25日線以上であったときのギャップアップの数字を取り出すことができます。

  7. 前日の終値が前日の25日線より上位にあれば「買い」の条件です。
  8. No.8行の値(ギャップ÷前日終値×1000)が-0.001以下(マイナス)であれば「売り」の条件。FとGによって、前日の株価が25日線以上であったときのギャップダウンの数字を取り出すことができます。
この条件表では「株価が25日線より上位にあるとき」を調べることができます。「株価が25日線より下位にあるとき」を調べるには、No.14行の(1以上)を(-1以下)に変更し、No.15行の(1以上)を(-1以下)に変更します。

またギャップアップはNo.8行の(0.001以上)で、ギャップダウンはNo.16行の(-0.001以下)で統計がとれますが、ギャップが発生していないときの統計はとれません。ギャップが発生していない日の統計をとるにはNo.8行かNo.16行かを(0以上 0以下)にすればよいのです。


I-2 トレンドとギャップ(「平均とSD」の使い方)


《カナル24》のスタート画面で
  1. 1009「日経先物」を選び

  2. 「計算」→「平均とSD」をクリックします。

  3. 過去10年間の統計をとりたいので「連結」にし、

  4. さきほど設定した条件表を選び、

  5. 961226〜070611 までと期間を指定する。

  6. 「売買共」にして

  7. 「開始」をクリック。


「平均とSD」は次のような画面に統計値がまとめられます。(横に長いので、途中の項目(元データ・副データ・パラメータ・加工)は省略してある)


  1. 買いの条件に合致した日の統計は左欄にまとめられています。(この条件表の「買い」は、前日終値が25日線より上位にあり、ギャップアップであるもの)
  2. 売りの条件に合致した日の統計は右欄にまとめられています。(この条件表の「売り」は、前日終値が25日線より上位にあり、ギャップダウンであるもの)

  3. 株価が25日線より上位にあるときのギャップアップは667回あった。
  4. 株価が25日線より上位にあるときのギャップダウンは567回あった。

  5. ギャップアップの統計値。ギャップアップの幅の平均値は86.8円。最大値は570円、最小値は10円。
  6. ギャップダウンの統計値。ギャップダウンの幅の平均値は-85.8円。最大値は-10円、最小値は-1000円。

  7. は(e)(f)と同じ数字です。
ついでにギャップがないときの統計をとり、まとめたものが次の表です。

(B-2)株価が25日線より上位にあるとき 発生回数 出現率 平均値 最大値 最小値 平均%
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
667回
567回
84回
1318回
50.6%
43.0%
6.4%
100.0%
86.8円
-85.8円
0円
7.0円
570円
-1000円
0円
-
10円
-10円
0円
-
0.61%
-0.61%
0%
0.05%


以上の数字を見ると、
  1. ギャップアップの幅(86.8円)とギャップダウンの幅(-85.8円)は違いがない。このことは確かです。株価が25日線より上位にあるからといって、発生するギャップの大きさが変わることはありません。

  2. (前日の)株価が25日線より上にあるときには、ギャップアップ(667回)のほうがギャップダウン(567回)よりも多く出ていますが、「株価が25日線より上にある」からギャップアップが多く発生したわけではありません。1318回のギャップのうちギャップアップが発生したのは667回で、50.6%の確率です。この確率は過去2571日間のギャプアップの確率(次の表)の50.2%に比べて0.4%ほど多いだけです。
(B-1)10年間のギャップ 発生回数 出現率 平均ギャップ
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全体
1292回
1123回
156回
2571回
50.2%
43.7%
6.1%
-
96.1円
-97.5円
0円
-

「前日の株価が25日線より下位にあるとき」の統計をとると、以下の表になります。(条件表を変更する行は前章に書いています)

(B-3)株価が25日線より下にあるとき 発生回数 出現率 平均値 最大値 最小値 平均%
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
619回
543回
72回
1234回
50.2%
44.0%
5.8%
100.0%
106.1円
-108.8円
0円
5.3円
700円
-960円
0円
-
10円
-10円
0円
-
0.80%
-0.74%
0%
0.04%


I-3 トレンドとギャップ(期待値について)

@10年間に発生したギャップと、A株価が25日線より上にあるときのギャップ、B株価が25日線より下にあるときのギャップを比較してみましょう。

ギャップ 10年間の
出現率
10年間の
平均ギャップ
25日線より上位
のときの出現率
25日線より上位
のときのギャップ
25日線より下位
のときの出現率
25日線より下位
のときのギャップ
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
50.2%
43.7%
6.1%
96.1円
-97.5円
0円
50.6%
43.0%
6.4%
+86.8円
-85.8円
0円
50.2%
44.0%
5.8%
+106.1円
-108.8円
0円


10年間の統計値(( )内)と比べると、
  1. 株価が25日線より上位にある(上昇トレンドとする)ときは、ギャップアップが発生する確率は50.6%(50.2%)で、0.4%ほど高い。ギャップダウンが発生する確率は43.0%(43.7%)で、0.7%ほど低い。株価が25日線より上位にあるときはギャップアップに賭けるほうが、アップで0.4%、ダウンで0.7%ほど有利になる。(しかしわずかの違いである)

    ギャップアップの幅は86.8円で、ギャップダウンの幅の-85.8円よりも1.0円ほど大きいので、ギャップアップに賭けるほうが有利である。(これも僅少差であるが)

  2. 株価が25日線より下位にある(下降トレンドとする)ときは、ギャップダウンが発生する確率は44.0%(43.7%)で、0.3%ほど高い。ギャップアップが発生する確率は50.2%(50.2%)で同じである。株価が25日線より下位にあるときはギャップダウンに賭けるほうが、平均よりもダウンで0.3%ほど有利になる。(しかしギャップアップのほうがさらに確率は高いので、必ずしもギャップダウンに賭けるのがよいとはいえない)

    ギャップダウンの幅は-108.8円で、ギャップアップの幅の106.1円よりも2.7円ほど大きいので、ギャップダウンに賭けるほうが有利である。(これも僅少差であるが)
確かめようとしているのは、@上昇トレンドにあるときは、ギャップアップが有利(発生の確率が高い。ギャップアップの幅のほうが大きい)、A下降トレンドにあるときは、ギャップダウンが有利(発生の確率が高い。ギャップダウンの幅のほうが大きい)ような「トレンド判定に役立つチャート」があるのかどうかです。 役立つチャートであれば以下のことが成り立ちます。
  1. 上昇トレンドにあるときは「買い仕掛けをしてギャップをとると、利益が拡大する」
  2. 下降トレンドにあるときは「売り仕掛けをしてギャップをとると、利益が拡大する」
@この10年間の統計ではギャップダウンの出現率は43.7%であるのに、ギャップアップの出現率は50.2%あります。もし毎回「買い仕掛け」をしていたならば、
  1. 「買い仕掛け」をしているとギャップアップによって、96.1円×50.2%=+48.2422円ほど利益が加算されるが、
  2. -97.5円×43.7%=-42.6075円ほど損失が加算される。
  3. 通算すると+48.2422-42.6075=5.6347円ほどの利益が加算される。

  4. もし逆に「売り仕掛け」をしているなら、-5.6347円の損失が加算される。
  5. よって、平均的には「買い仕掛け」をしてギャップアップを取るのが有利である。買い仕掛けをしたときの「期待値」は5.6347円である。
A株価が25日線よりも上位にあるときギャップダウンの出現率は43.0%・ギャップ幅は-85.8円であるのに、ギャップアップの出現率は50.6%・ギャップ幅は+86.8円あります。もし毎回「買い仕掛け」をしていたならば、
  1. 「買い仕掛け」をしているとギャップアップによって、86.8円×50.6%=+43.9208円ほど利益が加算されるが、
  2. -85.8円×43.0%=-36.894円ほど損失が加算される。
  3. 通算すると+43.9208-36.894=7.0268円ほどの利益が加算される(1取引あたり)。

  4. もし逆に「売り仕掛け」をしているなら、-7.0268円の損失が加算される。
  5. よって、「株価が25日線より上位にあるとき」は「買い仕掛け」をしてギャップアップを取るのが有利である。買い仕掛けをしたときの「期待値」は7.0268円である。(これは10年間の期待値よりも大きい)
B株価が25日線よりも下位にあるときギャップダウンの出現率は44.0%・ギャップ幅は-108.8円であるのに、ギャップアップの出現率は50.2%・ギャップ幅は+106.1円あります。もし毎回「買い仕掛け」をしていたならば、
  1. 「買い仕掛け」をしているとギャップアップによって、106.1円×50.2%=+53.2622円ほど利益が加算されるが、
  2. -108.8円×44.0%=-47.872円ほど損失が加算される。
  3. 通算すると+53.2622-47.872=5.3902円ほどの利益が加算される(1取引あたり)。

  4. もし逆に「売り仕掛け」をしているなら、-5.3902円の損失が加算される。
  5. よって、「株価が25日線より下位にあるとき」も「買い仕掛け」をしてギャップアップを取るのが有利である。買い仕掛けをしたときの「期待値」は5.3902円である。(これは10年間の期待値よりも小さい)

以上の「期待値」を表にまとめると次のようになります。

(B-2)株価が25日線より上位にあるとき 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
667回
567回
84回
1318回
50.6%
43.0%
6.4%
100.0%
86.8円
-85.8円
0円
7.0円
0.61%
-0.61%
0%
0.05%
+43.9円
-36.9円
0円
+7.0円
買い

(B-3)株価が25日線より下にあるとき 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
619回
543回
72回
1234回
50.2%
44.0%
5.8%
100.0%
106.1円
-108.8円
0円
5.3円
0.80%
-0.74%
0%
0.04%
+53.2円
-47.9円
0円
+5.3円
買い?


「株価が25日線より上位にあるか下位にあるか」でトレンドを判断すると、@上昇トレンドで「買い仕掛け」のときは期待値(7.02円)が平均(5.63円)より大きくなったので効果があるが、下降トレンドで「売り仕掛け」は期待値(-5.39円)がマイナスになるので、25日線を使って下降トレンドの判断をしても役に立ちません。


I-4 トレンドとギャップ(75日線によるトレンドの判定)

前章では25日線をトレンド判定に使いましたが、たいしたものでありませんでした。本章では75日線を使ってみます。条件表はNo.12行のパラメータを25から75に変更するだけです。

「前日の株価が75日線より上位にあるとき上昇トレンドとし、下位にあるとき下降トレンドとする」の統計をとると、以下の表になります。

(B-4)株価が75日線より上位にあるとき 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
678回
536回
86回
1300回
52.2%
41.2%
6.6%
100.0%
88.5円
-84.7円
0円
11.2円
0.61%
-0.58%
0%
0.08%
+46.2円
-34.9円
0円
+11.3円
買い

(B-5)株価が75日線より下位にあるとき 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
580回
555回
66回
1201回
48.3%
46.2%
5.5%
100.0%
104.6円
-108.7円
0円
0.3円
0.82%
-0.84%
0%
0.01%
+50.5円
-50.2円
0円
+0.3円
なし


A株価が75日線よりも上位にあるときギャップダウンの出現率は41.2%・ギャップ幅は-84.7円であるのに、ギャップアップの出現率は52.2%・ギャップ幅は+88.5円あります。もし毎回「買い仕掛け」をしていたならば、
  1. 「買い仕掛け」をしているとギャップアップによって、88.5円×52.2%=+46.197円ほど利益が加算されるが、
  2. -84.7円×41.2%=-34.8964円ほど損失が加算される。
  3. 通算すると+46.197-34.8964=11.3006円ほどの利益が加算される(1取引あたり)。

  4. もし逆に「売り仕掛け」をしているなら、-11.8964円の損失が加算される。
  5. よって、「株価が75日線より上位にあるとき」は「買い仕掛け」をしてギャップアップを取るのが有利である。買い仕掛けをしたときの「期待値」は11.30円である。(これは10年間の期待値よりも、25日線による判断よりも大きい)
B株価が75日線よりも下位にあるときギャップダウンの出現率は46.2%・ギャップ幅は-108.7円であるのに、ギャップアップの出現率は48.3%・ギャップ幅は+104.6円です。もし毎回「買い仕掛け」をしていたならば、
  1. 「買い仕掛け」をしているとギャップアップによって、104.6円×48.3%=+50.5218円ほど利益が加算されるが、
  2. -108.7円×46.2%=-50.2194円ほど損失が加算される。
  3. 通算すると+50.5218-50.2194=0.3024円ほどの利益が加算される(1取引あたり)。

  4. もし逆に「売り仕掛け」をしているなら、-0.3024円の損失が加算される。
  5. 「株価が75日線より下位にあるとき」に「買い仕掛け」をしてギャップアップを取るのと「売り仕掛け」をしてギャップダウンをとるのとに、差はありません。どちらをしても期待値(0.3024円)は小さいので、ギャップをとっても成績はアップしません。

「株価が75日線より上位にあるか下位にあるか」でトレンドを判断すると、@上昇トレンドで「買い仕掛け」のときは期待値(11.90円)が平均(5.63円)より大きいので効果があるが、下降トレンドでは「買い仕掛け」も「売り仕掛け」もしないというのが正解です。25日線によるトレンドの判断よりも75日線によるトレンドの判断のほうが役に立ちます。

I-5 トレンドとギャップ(25日線と75日線のクロスによるトレンドの判定)

前章では75日線をトレンド判定に使いました。75日平均線は特に上昇トレンドにあるときに「買い仕掛け」をしてギャップをとると成績がよくなり、下降トレンドのときはオーバーナイトしてギャップをとらないほうがよい。ということを教えてくれました。

本章では、

@25日線が75日線より上位にある(ゴールデンクロス中)ときは上昇トレンド、

A25日線が75日線より下位にある(デッドクロス中)ときは下降トレンド

と判断したときはどうなるかについて調べます。
「25日線が75日線より上位にあるとき上昇トレンドとし、下位にあるとき下降トレンドとする」の統計をとると、以下の表になります。

(B-6)25日線が75日線より上位にあるとき 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
663回
540回
80回
1283回
51.7%
42.1%
6.2%
100.0%
88.6円
-88.0円
0円
8.8円
0.61%
-0.61%
0%
0.06%
+45.8円
-37.0円
0円
+8.8円
買い

(B-7)25日線が75日線より下位にあるとき 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
595回
551回
72回
1218回
48.9%
45.2%
5.9%
100.0%
104.1円
-105.6円
0円
3.0円
0.81%
-0.82%
0%
0.03%
+50.9円
-47.7円
0円
+3.2円
買い?


A25日線が75日線よりも上位にあるときギャップダウンの出現率は42.1%・ギャップ幅は-88.0円であるのに、ギャップアップの出現率は51.7%・ギャップ幅は+88.6円あります。もし毎回「買い仕掛け」をしていたならば、
  1. 「買い仕掛け」をしているとギャップアップによって、88.6円×51.7%=+45.8062円ほど利益が加算されるが、
  2. -88.0円×42.1%=-37.048円ほど損失が加算される。
  3. 通算すると+45.8062-37.048=8.7582円ほどの利益が加算される(1取引あたり)。この期待値(8.76円)は前章の「株価が75日線より上位にある」の期待値(11.30円)よりも期待値が小さい。

B25日線が75日線よりも下位にあるときギャップダウンの出現率は45.2%・ギャップ幅は-105.6円であるのに、ギャップアップの出現率は48.9%・ギャップ幅は+104.1円です。もし毎回「買い仕掛け」をしていたならば、
  1. 「買い仕掛け」をしているとギャップアップによって、104.1円×48.9%=+50.9049円ほど利益が加算されるが、
  2. -105.6円×45.2%=-47.7312円ほど損失が加算される。
  3. 通算すると+50.9049-47.7312=3.1737円ほどの利益が加算される(1取引あたり)。

  4. もし逆に「売り仕掛け」をしているなら、-3.1737円の損失が加算される。
  5. 「25日線が75日線より下位にあるとき」は「買い仕掛け」をしたほうが「売り仕掛け」をするよりも期待値が大きくなるので、25日線と75日線のクロスによる下降トレンドの判断は、ギャップをとるという点からは役に立ちません。
「25日線が75日線より上位にあるか下位にあるか」でトレンドを判断すると、@上昇トレンドで「買い仕掛け」のときは期待値(8.76円)が平均(5.63円)より大きいので効果があるが、下降トレンドでは「買い仕掛け」の期待値は(3.60円)と平均値(5.63円)よりも低いので「買い仕掛け」はしない(「売り仕掛け」もしない)というのが正解です。25日線と75日線によるトレンドの判断よりも75日線によるトレンドの判断のほうが役に立ちます。

I-6 トレンドとギャップ(抵抗帯によるトレンドの判定)

一目均衡表の抵抗帯をトレンドの判定に使ってみましょう。 本章では、

@株価が抵抗帯の上限線より上位にあるときは上昇トレンド、

A株価が抵抗帯の下限線より下位にある下降トレンド

(株価が抵抗帯の中にあるときはトレンドはない)

と判断したときはどうなるかについて調べます。

次のような条件表を設定します。No.1〜No.11行までは「I-1」の条件表と同じ。

  1. No.12行は抵抗帯の上限の数値を計算する。
  2. No.13行は抵抗帯の下限の数値を計算する。
  3. No.14行は、株価と抵抗帯(上限)のクロス日数を計算する。「株価が雲の上」にあるときは+1,+2,+3,+4・・・ とプラスの日数になる。

    「株価が雲の下」にあるのを調べるときは、No.14行を「株価 と No.13線 のクロス日数」に変更する。(No.13行は抵抗帯の下限の数値)。「株価が雲の下」にあるときは-1,-2,-3,-4・・・ とマイナスの日数になる。

  4. No.14線の「クロス日数」を1日先行させて、昨日の数字を移動する。
  5. No.15線は、昨日の「クロス日数」が+1以上(雲の上にある)なら「買い」とする。
  6. No.16線は、昨日の「クロス日数」が+1以上(雲の上にある)なら「売り」とする。
●「株価が雲の下にある」ときの統計をとるときは、No.14行の(No.12線)を(No.13線)に変更し、No.15行を(-1以下)に、No.16行を(-1以下)に変更する。
 
「株価が抵抗帯(雲)の上にあるとき上昇トレンドとし、下にあるとき下降トレンドとする」の統計をとると、以下の表になります。

(B-8)株価が抵抗帯(雲)の上にあるとき 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
610回
488回
77回
1175回
51.9%
41.5%
6.6%
100.0%
86.6円
-83.9円
0円
10.1円
0.60%
-0.58%
0%
0.07%
+44.9円
-34.8円
0円
+10.1円
買い

(B-9)株価が抵抗帯(雲)の下にあるとき 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
465回
477回
57回
999回
46.55%
47.75%
5.7%
100.0%
110.5円
-112.7円
0円
-2.4円
0.87%
-0.87%
0%
-0.01%
+51.4円
-53.8円
0円
-2.4円
売り?


A株価が抵抗帯(雲)の上にあるときギャップダウンの出現率は41.5%・ギャップ幅は-83.9円であるのに、ギャップアップの出現率は51.9%・ギャップ幅は+86.6円あります。もし毎回「買い仕掛け」をしていたならば、
  1. 「買い仕掛け」をしているとギャップアップによって、86.6円×51.9%=+44.9454円ほど利益が加算されるが、
  2. -83.9円×41.5%=-34.8185円ほど損失が加算される。
  3. 通算すると+44.9454-34.8185=10.1269円ほどの利益が加算される(1取引あたり)。この期待値(10.13円)は前章の「株価が75日線より上位にある」の期待値(11.30円)に次ぐ。

B株価が抵抗帯(雲)の下にあるときギャップダウンの出現率は47.75%・ギャップ幅は-112.7円であるのに、ギャップアップの出現率は46.55%・ギャップ幅は+110.5円です。もし毎回「買い仕掛け」をしていたならば、
  1. 「買い仕掛け」をしているとギャップアップによって、110.5円×46.55%=+51.4378円ほど利益が加算されるが、
  2. -112.7円×47.75%=-53.8143円ほど損失が加算される。
  3. 通算すると+51.4378-53.8143=-2.3765円ほどの損失が加算される(1取引あたり)。

  4. もし逆に「売り仕掛け」をしているなら、+2.3765円の利益が加算される。
  5. 「株価が抵抗帯(雲)の下にあるとき」は下降トレンドであると判断して「売り仕掛け」をしてギャップをとったときに少ないとはいえ利益がでています。これまでは、A.25日線、B.75日線、C.25日線と75日線によって下降トレンドであると判断しても、「買い仕掛け」をするほうが「売り仕掛け」をするよりも有利だった。抵抗帯は、初めて「下降トレンドと判断したときに売り仕掛けをしたほうが有利」であると判断できたわけです。
「株価が抵抗帯(雲)の上にあるか下にあるか」でトレンドを判断すると、@上昇トレンドで「買い仕掛け」のときは期待値(10.13円)が平均(5.63円)より大きいので効果があるが、残念ながら、下降トレンドでは「売り仕掛け」の期待値はわずか(2.38円)しかありません(しかし「買い仕掛け」をすると-2.38円の損失になる)。せっかくの「下降トレンドだから売り仕掛けをする」の決定ですが、この期待値(2.38円)では「売り仕掛け」でのオーバーナイトはしないというのが正解です。

I-7 トレンドとギャップ(ほかのチャートによるトレンドの判定)

いろいろなチャートを使ってトレンドを判定し、@上昇トレンドにあるときは「買い仕掛け」でギャップをとる、A下降トレンドにあるときは「売り仕掛け」でギャップをとる。ということができるかを調べてみます。


( 1 ) 5本新値足によるトレンド

「5本新値足が陽転中のときは上昇トレンドとし、陰転中のときは下降トレンドとする」の統計をとると、以下の表になります。

表の見方は、「上昇トレンドにある」と判定したときの期待値はプラスで数値が大きいものほどよい。(買い仕掛けでオーバーナイトすることによって、期待値分の利益が加算される。次表では+9.0円ほど有利になっている)

「下降トレンドにある」と判定したときの期待値はマイナスで数値が大きいものほどよい。(売り仕掛けでオーバーナイトすることによって、期待値分の利益が加算される。次表では+3.9 円なので、売り仕掛けをすると3.9円ほど損失を加算することになる。下降トレンドと判定しても損失になる)

(B-10)5本新値足が陽転中 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
494回
396回
64回
954回
51.8%
41.5%
6.7%
100.0%
93.4円
-94.9円
0円
9.0円
0.67%
-0.68%
0%
0.06%
+48.4円
-39.4円
0円
+9.0円
買い

(B-11)5本新値足が陰転中 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
796回
722回
92回
1610回
49.4%
44.9%
5.7%
100.0%
97.8円
-99.2円
0円
3.9円
0.72%
-0.73%
0%
0.03%
+48.4円
-44.5円
0円
+3.9円
買い?



( 2 ) 200円カギ足によるトレンドの判定

「200円カギ足が陽転中のときは上昇トレンドとし、陰転中のときは下降トレンドとする」の統計をとると、以下の表になります。
(B-12)200円カギ足が陽転中 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
701回
605回
90回
1396回
50.2%
43.3%
6.5%
100.0%
90.4円
-89.0円
0円
6.8円
0.65%
-0.63%
0%
0.05%
+45.4円
-38.5円
0円
+6.8円
買い

(B-13)200円カギ足が陰転中 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
591回
518回
66回
1175回
50.3%
44.1%
5.6
100.0%
102.9円
-107.4円
0円
4.4円
0.77%
-0.80%
0%
0.03%
+51.8円
-47.2円
0円
+4.6円
買い?



( 3 ) 50日平滑平均線の向きによるトレンド

「50日平滑平均線が上向き中のときは上昇トレンドとし、下向き中のときは下降トレンドとする」の統計をとると、以下の表になります。(平滑平均は四捨五入したものの向きを見る)
(B-14)50日平滑平均線が上向き中 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
689回
547回
85回
1321回
52.2%
41.4%
6.4%
100.0%
86.9円
-83.1円
0円
10.9円
0.60%
-0.58%
0%
0.07%
+45.4円
-34.4円
0円
+10.9円
買い

(B-15)50日平滑平均線が下向き中 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
581回
552回
71回
1204回
48.3%
45.7%
5.9
100.0%
106.5円
-111.2円
0円
0.4円
0.82%
-0.85%
0%
0.00%
+51.3円
-50.9円
0円
+0.4円
なし



( 4 ) 15日順位相関の水準によるトレンド

「15日順位相関が0超のときは上昇トレンドとし、0以下のときは下降トレンドとする」の統計をとると、以下の表になります。(平滑平均は四捨五入したものの向きを見る)

(B-16)15日順位相関が0超のとき 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
688回
532回
83回
1303回
52.8%
40.8%
6.4%
100.0%
87.5円
-84.7円
0円
11.6円
0.62%
-0.61%
0%
0.08%
+46.2円
-34.6円
0円
+11.6円
買い

(B-17)15日順位相関が0以下のとき 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
600回
585回
73回
1258回
47.7%
46.5%
5.8
100.0%
106.3円
-108.5円
0円
0.3円
0.80%
-0.80%
0%
0.01%
+50.0円
-50.4円
0円
-0.4円
なし


I-8 トレンド判定のしかたとギャップのまとめ

I-1章からI-7章までで、さまざまなトレンドの判定のしかたについて調べました。これをまとめると次表のようになります。トレンドを判定することによって、明日のギャップの予想ができるのかどうか?を問題にしたのですが、その結果はかんばしくありません。

(B-0) トレンド判定のしかた 上昇トレンドの
期待値
有利 下降トレンドの
期待値
有利
(B-1) 10年間の統計(トレンドにかかわらず) +5.6円 買い 0.0円 なし
(B-2)(B-3) 株価が25日線より上・下 +7.0円 買い +5.3円 ?買い
(B-4)(B-5) 株価が75日線より上・下 +11.3円 買い +0.3円 なし
(B-6)(B-7) 25日線が75日線より上・下 +8.8円 買い +3.2円 ?買い
(B-8)(B-9) 株価が抵抗帯(雲)より上・下 +10.1円 買い -2.4円 ?売り
(B-10)(B-11) 5本新値足が陽転中・陰転中 +9.0円 買い +3.9円 ?買い
(B-12)(B-13) 200円カギ足が陽転中・陰転中 +6.8円 買い +4.6円 ?買い
(B-14)(B-15) 50日平滑平均が上向き中・下向き中 +10.9円 買い +0.4円 なし
(B-16)(B-17) 15日順位相関が0超・0以下 +11.6円 買い -0.4円 なし


(上表)で、「上昇トレンドの期待値」は、上昇トレンドと判定して「買い仕掛け」をするとどれだけのギャップを味方にできるかを表しています。 最上行の(B-0)「10年間の統計」では、トレンドを判定せずに、いつも「買い仕掛け」をしたとき+5.6円のギャップをとることができます。よって、上昇トレンドと判定したときは+5.6円を超えるギャップをとらないと、上昇トレンドと判定した価値はありません。さいわいにして(B-1)〜(B-16)のトレンド判定では+5.6円以上のギャップを取っているので、この面では合格です。

(上表)で、「下降トレンドの期待値」は、下降トレンドと判定して「売り仕掛け」をするとどれだけのギャップを味方にできるかを表しています。 売り仕掛けをしたときのギャップはギャップダウンが出れば勝ちです。ギャップアップが出ると負けです。ギャップアップとギャップダウンの差がマイナス値になっていれば、ギャップダウンを多く捕らえたことになります。

ところが「下降トレンドの期待値」でマイナスになったのは(B-9)の「株価が抵抗帯(雲)より下」と(B-17)「15日順位相関が0以下」の2つしかありません。最上行の(B-0)「10年間の統計」では、トレンドを判定せずに、いつも「買い仕掛け」をするので、「売り仕掛け」の期待値は0円です。0円より大きい期待値があるトレンドの判定は失敗しています。

上昇トレンドと判定したときの期待値が+5.6円より大きく、下降トレンドと判定したときの期待値が0以下(マイナス)になったのは(B-8)(B-9)の「株価 が抵抗帯(雲)より上か下か」で判定したときだけであるといってよいでしょう。

なぜ抵抗帯を使ってのトレンド判定がよかったのか? それは@上昇トレンドにあるのか、A下降トレンドにあるのか、Bトレンドはないのか、の3通りの判定をしているからです。

右図のように上昇トレンドにあると判定するのは「株価が雲の上にある」ときだけです。下降トレンドにあると判定するのは「株価が雲の下にある」ときだけです。「株価が雲の中にある」ときはトレンドの判定はしていません。つまり「トレンドはない」としています。

多くのチャートはトレンドを判定することによって、翌日の株価の変動が仕掛けに対して少し有利になるといえますが、実際にはトレンドを判定することは結構難しい。

右図は株価が75日平均線を上回った日に買い(上昇トレンド入り)とし、下回った日に売り(下降トレンド入り)としています。

(a)までは上昇トレンドが持続しましたが、(a-b)(c-d)(e-f)の間はほぼ日替わりでトレンドが交代しています。

トレンドとは相場の方向性であるとするならば、毎日コロコロと方向が変わるというのは、適切にトレンドをつかめていないということです。上表の有利・不利はこのようにコロコロ変わったトレンドの判定を含むものです。

右図は、75日平均線に2.0%の幅を取ったものです。株価が50日線より2.0%以上(上)にあるときを上昇トレンドとし、-2.0以上(下)にあるときを下降トレンドと判定すると、株価が75日線を中心に+2.0%〜-2.0%の間にあるときは「トレンドなし」となります。

このときの期待値は次の表になります。

(B-8)「株価が雲の上にある」ので上昇トレンドと判定したときの期待値は+10.1円でしたが、(B-18)「株価が75日線より+2.0%以上上にある」としたときの期待値は+10.7円です。

(B-9)「株価が雲の下にある」ので下降トレンドと判定したときの期待値は-2.4円でしたが、(B-19)「株価が75日線より-2.0%以上下にある」としたときの期待値は-3.0円で、「抵抗帯(雲)の上下」による判定よりもよい期待値になっています。

トレンドの判定は「上昇トレンド」または「下降トレンド」という2値ではなく、「トレンドはない」という判定を加えるほうが、よいことがわかります。

(B-18)株価が75日線より2.0%以上、上にあるとき 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
528回
413回
68回
1009回
52.3%
40.9%
6.8%
100.0%
87.5円
-85.8円
0円
10.7円
0.60%
-0.58%
0%
0.08%
+45.8円
-35.1円
0円
+10.7円
買い

(B-19)株価が75日線より-2.0%以上、下にあるとき 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
440回
451回
54回
945回
46.6%
47.7%
5.7%
100.0%
112.9円
-116.4円
0円
-3.0円
0.89%
-0.89%
0%
-0.01%
+52.5円
-55.5円
0円
-3.0円
売り?



J《Qエンジン24》の「検証」を使うと簡単にトレンドとギャップの関係がわかる

ここまで《カナル24》の「平均とSD」を使って、トレンドの判断によって有利なギャップを取り込むことができるのかの検討をしてきました。
  1. 上昇トレンドと判定したならば「買い仕掛け」をしてオーバーナイトしたとき、ギャップによって利益がでるのか?
  2. 下降トレンドと判定したならば「売り仕掛け」をしてオーバーナイトしたとき、ギャップによって利益がでるのか?
を問題にしました。 @25日平均線、A75日平均線、B25日線と75日線、C抵抗帯、D5本新値足、E200円カギ足、F50日平滑平均の向き、G15日順位相関の水準 によるトレンドの判定では、順風になるギャップをとらえることはできませんでした。最も優れていたのは、C抵抗帯で、上昇トレンドと判定して「買い仕掛け」をしたときの期待値は+10.1円で、下降トレンドと判定して「売り仕掛け」をしたときの期待値は+2.4円でした。ギャップを取ったとしてもわずかなものです。たぶん10円のギャップを取るには、ものすごいリスクをかけています。リスクをかけてとるほどのものなのか?の疑問がでます。

実は《カナル24》の「平均とSD」を使ってトレンドとギャップの関係を調べるのとほぼ同じことが《Qエンジン24》の「検証」ではもっと簡単にできます。時間は1/10か1/20で済みます。

《Qエンジン24》の「新規検証」を出します。

25日平均線でトレンドを判定したときの検証は、図のような簡単な条件表を設定しておけばよいのです。
  1. No.3行で、株価が25日線より上位にあるときは「買い」。

  2. No.4行で、株価が25日線より下位にあるときは「売り」。

    これだけです。

  3. 売買ルールは次図のようにします。

  4. 売買マークがでたら、「当日の終値」で仕掛ける。

  5. 時間切れは1日で、「当日の始値」で手仕舞う。

    これによって、その日の終値で仕掛け→翌日の始値で手仕舞いできます。ギャップを取るわけです。

    「実行」ボタンをクリックするとすぐに結果がわかります。


  6. 「売買成績」を見ましょう。



  7. 表示されているのは「売買共の成績」です。全体では、@2551件のトレードをして、A平均利益率は0.01%だった。B勝率は47.7%で、Cプロフィットファクター(PF)は1.04倍だった。ことがわかります。

  8. 「買いの成績」は上昇トレンドと判断したときの成績です。

  9. 「売りの成績」は下降トレンドと判断したときの成績です。

  10. 次図は「買いの成績」です。(a)平均利益率は0.06%とわずかながらプラスで、(b)勝率は50.9%、(c)PFは1.23倍です。

    25日線によって上昇トレンドだと判断しても、「買い仕掛け」の順風はわずかにしか吹いていません。平均利益率+0.06%の数字は、先に「平均とSD」で調べた(B-1)の「全部の平均%」の数字0.05と同じです。(データ数が少し違うので完全には等しくない)



  11. 次図は「売りの成績」です。(a)平均利益率は-0.04%とマイナスで、(b)勝率は44.3%、(c)PFは0.90倍です。

    25日線によって下降トレンドだと判断しても、「売り仕掛け」の順風は吹かず、オーバーナイトすればかえって損失を拡大することがわかります。平均利益率-0.04%の数字は、先に「平均とSD」で調べた(B-2)の「全部の平均%」の数字+0.04と同じです。(データ数が少し違うので完全には等しくない)




このように、《Qエンジン24》の「新規検証」をし、「買い成績」と「売り成績」を見れば、そのチャートがトレンドを的確に判断できるかどうかがわかります。







K-1《Qエンジン24》の「最適パラメータ」を使うとよりよいパラメータがわかる

25日平均線をトレンド判定に使ったときの成績は、I-3章の「トレンドとギャップ(期待値について)」の(B-2)と(B-3)の表にあります。上昇トレンドと判定して「買い仕掛け」をすると+0.05%の利益がでるが、下降トレンドと判定して「売り仕掛け」をすると-0.04%の損失がでました。

75平均線をトレンド判定に使ったときの成績は(B-4)と(B-5)の表にあります。上昇トレンドと判定して「買い仕掛け」をすると+0.08%の利益がでるが、下降トレンドと判定して「売り仕掛け」をすると-0.01%の損失がでていました。25日線よりも75日線のほうがまだましな判定をしています。


何日の平均線を使えばよいのかは、《Qエンジン24》「最適パラメータ」をすればわかります。
  1. 前章で使った条件表の(25日)の行を指定して、

  2. 25日のパラメータを(2〜200まで、2ずつ)変化させて、成績が最もよいものを見つけます。

  3. 「売買ルール」は前章と同じものです。



  4. 最適パラメータはすぐに見つかります。図では50日がよいとでています。

  5. (50日)を条件表に書き込みます。

  6. 次図は50日平均線をトレンド判定に使ったときの「買いの成績」です。(a)平均利益率は0.09%、(b)勝率は52.4%、(c)PFは1.38倍。と、25日や75日に比べて少しよくなっています。

    それでもPFが1.38倍というのは、「買い仕掛け」をしたときの順風(ギャップアップ)は、逆風(ギャップダウン)の1.38倍しかないということで、相当なリスクがあることがわかります。



  7. 次図は50日平均線をトレンド判定に使ったときの「売りの成績」です。(a)平均利益率は0.00%でトントン。(b)勝率は46.3%、(c)PFは0.99倍です。リスクだけがあって、リターンはゼロです。




  8. 次図は50日平均線をトレンド判定に使ったときの「買いの売買経過」です。(a)この10年で16110千円の利益がでていますが、平均すると12.4千円でしかありません。ただ(b)最大ドローダウンは-1450千円であるので、(c)7連敗を耐えるころができるのであれば、ドローダウンのリスクに対するリターンは大きいといえます。



  9. 次図は50日平均線をトレンド判定に使ったときの「売りの売買経過」です。(a)この10年で1220千円の利益しかでていませんが、(b)最大ドローダウンは-5100千円であり、(c)14連敗をしています。リスクが大きくリターンはわずかです。


このことから、50日平均線を使ってトレンドの判定をしたとき、上昇トレンドのときは「買い仕掛け」でオーバーナイトをしてもよい。ただし「オーバーナイトが裏目」にでることは、連続7回あることもあります。


K-2 日足ベースのトレンドでは明日のギャップを捕らえることはできない

I章で各種のチャートを使ってトレンドの判断を判定したときのギャップの統計をとりましたが、「上昇トレンドなら買いでギャップアップをとる」「下降トレンドなら売りでギャップダウンをとる」という成績は思わしいものではありませんでした。

これはチャートのパラメータ(25日平均とか75日平均とか)が適当でなかったためかも知れません。そこでJ章では、平均線の最適化をすると、平均期間は2日〜200日のうちの50日がよいことを知りました。(それでも下降トレンドでの売りの成績はよくなかった)

本章では、そのほかのチャートのパラメータの最適化をし、上昇トレンドと下降トレンドの成績を掲げます。表の一番上はトレンドによってギャップを予想せずに「いつも買い仕掛けをしてオーバーナイト」したときの成績です。これ以上の成績がだせないことには、トレンドを判定しても無意味であることになります。

No. 判定の基準にするチャート トレード数 平均利益率 勝率 プロフィットF 最大ドローダウン
B-0 常に買い仕掛けをする
2570件 0.05% 50.3% 1.15倍 -5780円
10連敗
B-1 株価が50日平均線より上(上昇)
1303件 0.09% 52.4% 1.38倍 -1450円
7連敗
S-1 株価が50日平均線より下(下降)
1223件 0.00% 46.3% 1.02倍 -5100円
14連敗
B-2 20日線が130日線より上(上昇)
1238件 0.09% 53.8% 1.37倍 -1860円
7連敗
S-2 20日線が130日線より下(下降)
1208件 0.00% 47.1% 1.00倍 -4090円
10連敗
B-3 株価が抵抗帯の上限より上(上昇)
1175件 0.07% 51.9% 1.32倍 -2160円
10連敗
S-3 株価が抵抗帯の下限より下(下降)
999件 0.01% 47.7% 1.02倍 -4930円
9連敗
B-4 8本新値足が陽転中(上昇)
883件 0.10% 53.0% 1.39倍 -1640円
8連敗
S-4 8本新値足が陰転中(下降)
1482件 -0.03% 45.3% 0.93倍 -6660円
10連敗
B-5 950円カギ足が陽転中(上昇)
1351件 0.08% 52.3% 1.32倍 -2010円
8連敗
S-5 950円カギ足が陰転中(下降)
1214件 -0.01% 45.7% 0.98倍 -5720円
13連敗
B-6 185日平滑平均が上向き中(上昇)
1216件 0.09% 54.1% 1.38倍 -1490円
7連敗
S-6 185日平滑平均が下向き中(下降)
1174件 -0.01% 47.7% 0.98倍 -5010円
10連敗
B-7 110日順位相関が0超のとき(上昇)
1254件 0.08% 53.6% 1.32倍 -2350円
7連敗
S-7 110日順位相関が0以下のとき(下降)
1212件 -0.01% 46.9% 0.97倍 -5190円
10連敗
B-11 株価が130日平均線より+3.0%上(上昇)
902件 0.08% 54.1% 1.32倍 -1750円
6連敗
S-11 株価が130日平均線より-3.0%下(下降)
957件 0.03% 48.8% 1.07倍 -3800円
8連敗
B-12 20日線が130日線より+10円以上(上)
1231件 0.09% 53.8% 1.35倍 -1920円
7連敗
S-12 20日線が130日線より-10円以上(下)
1197件 0.01% 47.3% 1.03倍 -4010円
10連敗
B-16 55日平滑平均が上向いて5日以上(上昇)
1055件 0.07% 52.3% 1.29倍 -2280円
9連敗
S-16 55日平滑平均が下向いて5日以上(下降)
958件 0.04% 48.9% 1.09倍 -3850円
9連敗
B-17 110日順位相関が20以上のとき(上昇)
1107件 0.08% 53.7% 1.32倍 -1740円
6連敗
S-17 110日順位相関が-20以下のとき(下降)
1054件 0.02% 47.5% 1.05倍 -3430円
10連敗

(B-1)〜(S7)は「上昇トレンド」か「下降トレンド」かの2値を判定したものですが、(B-11)〜(S-17)では、「上昇トレンド」「下降トレンド」「トレンドなし」の3値を判定させてみました。

下降トレンドと判定して、最も成績がよかったのは(S-16)の「55日平滑平均が下を向いて5日以上経過した」とき下降トレンドと判定するでした。この最高の成績を出したものでさえ、平均利益率は0.04%、プロフィットFは1.09倍でしかありません。ほとんどトレンド判定することの意味はないといってよい成績です。

上の表からわかることは、
  1. 明日発生するギャップは日足ベースのトレンドに依存するものではない。トレンドとは無関係に発生する。

  2. 日足ベースで上昇トレンドにあると判定したときは、「買い仕掛け」でオーバーナイトしてもよいが、そのリターンはリスク(最大ドローダウン)をおかして取るほどのものではない。

  3. 日足ベースで下降トレンドにあると判定しても「売り仕掛け」でオーバーナイトしてはならない。

  4. 上昇トレンドの「買い仕掛け」と下降トレンドの「売り仕掛け」の成績に差がでるのは、単にギャップアップの出現率(50.2%)がギャップダウンの出現率(43.7%)より大きいからにすぎない。(なぜギャップアップのほうが多くでるのかの原因は不明だが)
という結論になります。日足ベースのトレンドによって明日のギャップをとろうと思っても取れません。


L-1 3分足でのトレンドとギャップの関係につて

日足データのベースでは明日のトレンドを捕らえることはできないことがわかりました。しかし統計的に有利であることがありました(日足ベースでの実用にはならないが)。次の表は「I-7 トレンドとギャップ(ほかのチャートによるトレンドの判定)」で掲げました。

(B-10)5本新値足が陽転中 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
494回
396回
64回
954回
51.8%
41.5%
6.7%
100.0%
93.4円
-94.9円
0円
9.0円
0.67%
-0.68%
0%
0.06%
+48.4円
-39.4円
0円
+9.0円
買い


「期待値」の欄を見てください。5本新値足が陽転中のとき、買い仕掛けをしてオーバーナイトすると、ギャップアップによって得る利益は+48.4円で、ギャップダウンによって失う損失は-39.4円です。陽転中のときは「買い仕掛け」をしてオーバーナイトすると平均して+9.0円の利益が積み上がります。

ただし「陰転中のときは売り仕掛け」をしてオーバーナイトすると平均して-3.9円負けます。

(B-11)5本新値足が陰転中 発生回数 出現率 平均値 平均% 期待値 有利
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
全部
796回
722回
92回
1610回
49.4%
44.9%
5.7%
100.0%
97.8円
-99.2円
0円
3.9円
0.72%
-0.73%
0%
0.03%
+48.4円
-44.5円
0円
+3.9円
買い?


日足データを使って、「5本新値足」が
  1. 陽転中のときは、当日の終値で買い仕掛けでオーバーナイトする。また
  2. 陰転中のときは、当日の終値で売り仕掛けしてオーバーナイトする。
  3. 翌日の始値で決済する。
という売買をしたときの10年間の成績は次の表のようになります。

検証のしかた トレード数
勝ちトレード
負けトレード
損益額(千円)
利益額
損失額
平均利益率 勝率 プロフィットF 最大ドローダウン 資金効率
(B-10)
陽転中は買い
954件
494件
460件
8620千円
46170千円
-37550千円
0.07% 51.8% 1.25倍 -3290千円
9連勝
8連敗
1.31倍
(B-11)
陰転中は売り
1610件
722件
888件
-6340千円
71580千円
-77920千円
-0.03% 44.8% 0.90倍 -10530千円
8連勝
10連敗
-0.30倍
(B-計)
陽転+陰転
2564件
1216件
1348件
2280千円
117750千円
-115470千円
0.00% 47.4% 1.01倍 -7020千円
9連勝
10連敗
0.16倍

( 資金効率=損益額÷(最大ドローダウン×2) )

上の表から
  1. 「5本新値足が陽転中のときは買いでオーバーナイトする」と、954回の仕掛けで8620千円の利益がでますが、最大ドローダウンが-3290千円あるし、8連敗することもあります。
  2. 「5本新値足が陰転中のときは売りでオーバーナイトする」と、1610回の仕掛けで-6340千円の損失がでます。陰転中(下降トレンド)と判定したときは、損失がでています。
日足ベースでは実用にならないことがわかります。

それでは日足ではなく、3分足を使って新値足による売買をしたらどのようになるでしょうか?

  1. 4本新値足を使い

  2. 陽転したときに買い仕掛けをする

  3. 陰転したときに売り仕掛けをする
を仕掛け(翌足の始値で)のタイミングとしましょう。 売買ルールによって以下の(C-1)〜(C-4)のような成績になります。

(2006年9月1日〜2007年5月31日までの182日間の検証)

検証のしかた トレード数
勝ちトレード
負けトレード
損益額(千円)
利益額
損失額
平均利益率 勝率 プロフィットF 最大ドローダウン 資金効率
(C-1)
決済L
193件
80件
113件
370千円
10790千円
-10420千円
0.01% 41.5% 1.03倍 -1530千円
3連勝
9連敗
0.12倍
(C-2)
決済L
時間J
193件
108件
85件
2240千円
7810千円
-5570千円
0.07% 56.0% 1.39倍 -1180千円
9連勝
5連敗
0.95倍
(C-3)
決済L
時間J
利食A 損切Z
193件
107件
86件
2380千円
7940千円
-5560千円
0.07% 55.4% 1.42倍 -1110千円
9連勝
5連敗
1.07倍
(C-4)
決済L
時間J
利食A 損切Z
15:00に決済K
188件
103件
85件
1650千円
5730千円
-4080千円
0.05% 54.8% 1.40倍 -890千円
11連勝
5連敗
0.92倍


上表の(C-1)は完全なドテン売買です。これだと平均利益率が0.01%、PFが1.03倍で、利益はでません。最大ドローダウンは-1530円あります。

(C-2)は「時間切れ(40本)」を売買ルールに追加したものです。仕掛けて40本(3分足なら2時間)が経過したら強制的に手仕舞いします。このとき平均利益率は0.07%、PFが1.39倍で、少し利益がでてきます。最大ドローダウンは-1180円に減ります。

(C-3)は「利食いA(1.2%)」と「損切りZ(0.7%)」を追加したものです。このとき平均利益率は0.07%、PFが1.42倍で、少し成績が上がります。最大ドローダウンは-1110円に減ります。

(C-4)は「15:00に決済K」を追加してオーバーナイトをしないようにしたものです。このとき平均利益率は0.05%、PFは1.40倍へと、(C-3)に比べて、少し成績が悪化しますが、最大ドローダウンは-890円に減ります。

(C-3)と(C-4)はオーバーナイトするかしないかの違いです。オーバーナイトしたほうが成績がよくなっているのは、「Cオーバーナイトしたら何が利益を稼いだのか?」で掲げた「プレゼント」の成績と同じです。オーバーナイトすることによって、@最大ドローダウンは大きくなるが、A平均利益率やPFはアップしています。「プレゼント」も「4本新値足」も同じ傾向があるということは、オーバーナイトしたらプラスになる要素があるということです。それではそのプラスはどこに現れてくるのか?


L-2 分足でトレンドに応じてギャップをとるとどうなるか?


右図は「4本新値足」を使って、ギャップだけを取ろうとしています。
  1. 当日の15:10の直前の4本新値足が陽転中のときは、その日の大引けで「買い仕掛け」をする。

  2. 当日の15:10の直前の4本新値足が陰転中のときは、その日の大引けで「売り仕掛け」をする。

  3. 翌日の始値で決済する。(立会い中の取引はしない)
(a)は陰転中なので、ギャップダウンを期待して「売り仕掛け」。翌日の始値(A)がギャップダウンとなったら利益、そうでないと損失。

(b)は陽転中なので、ギャップアップを期待して「買い仕掛け」。翌日の始値(B)がギャップアップとなったら利益、そうでないと損失。

《リアル24》で「新規検証」するときの条件表は次のようになります。



  1. No.3行で、株価の1日平均を計算し、No.4行でこれを元にして「4本新値日数」を計算し描画させます。(1日平均の4本新値を描くと、上図のように新値足と株価が時系列で描かれる)
  2. 新値日数が(1以上)なら「買い」とします。陽転中であれば毎分足で買いマークを出します。
  3. 新値日数が(-1以下)なら「売り」とします。陰転中であれば毎分足で売りマークを出します。

ギャップを取るということは、@大引けで仕掛けて、A翌日の始値で決済するので、「売買ルール」は右のように設定します。
  1. 「当足の終値」で仕掛ける。

  2. 9:00〜15:06 の間の仕掛けはしない。
    (3分足のデータの日付(時刻)は、9:00→9:03→9:06→・・・15:00→15:03→15:06→15:09 であるので、15:09だけで仕掛けることができるようにする)

  3. 時間切れは、売買マークがでて「1本が経過したら当足の始値」で手仕舞う。(売買マークがでた15:09から1本経過した9:00の始値で手仕舞う)


検証のしかた トレード数
勝ちトレード
負けトレード
損益額(千円)
利益額
損失額
平均利益率 勝率 プロフィットF 最大ドローダウン 資金効率
(C-5)
全ギャップ
182件
87件
95件
1250千円
8120千円
-6870千円
0.04% 47.8% 1.18倍 -1500千円
7連勝
5連敗
0.41倍
(C-6)
買い仕掛けギャップ
97件
53件
44件
1640千円
4450千円
-2810千円
0.10% 54.6% 1.59倍 -570千円
7連勝
5連敗
1.44倍
(C-7)
売り仕掛けギャップ
85件
34件
51件
-390千円
3670千円
-4060千円
-0.03% 40.0% 0.89倍 -1150千円
4連勝
6連敗
-0.17倍


上表の(C-5)は陽転中なら「買い仕掛け」でオーバーナイト・陰転中なら「売り仕掛け」でオーバーナイトしたときの成績です。(C-6)は陽転中に「買い仕掛け」してオーバーナイトするだけ、(C-7)は陰転中に「売り仕掛け」してオーバーナイトするだけです。これを見るとやはり(C-6)の成績がよくなっています。

日足ベースで、陽転中は「買い仕掛け」でオーバーナイトしたときの成績は上の(B-10)に掲げていますが、次の表に「日足ベース(5本新値足)」「3分足の4本新値足」による成績をまとめました。

(C-8)売買成績 トレード数
勝ちトレード
負けトレード
損益額(千円)
利益額
損失額
平均利益率 勝率 プロフィットF 最大ドローダウン 資金効率
(A)日足5本新値足
上昇トレンド
954件
494件
460件
8620千円
46170千円
-37550千円
0.07% 51.8% 1.25倍 -3290千円
9連勝
8連敗
1.31倍
(B)3分足4本新値足
上昇トレンド
97件
53件
44件
1640千円
4450千円
-2810千円
0.10% 54.6% 1.59倍 -570千円
7連勝
5連敗
1.44倍
(a)日足5本新値足
下降トレンド
1610件
722件
888件
-6340千円
71580千円
-77920千円
-0.03% 44.8% 0.90倍 -10530千円
8連勝
10連敗
-0.30倍
(b)3分足4本新値足
下降トレンド
85件
34件
51件
-390千円
3670千円
-4060千円
-0.03% 40.0% 0.89倍 -1150千円
4連勝
6連敗
-0.17倍

(上表)を見ると「3分足」の上昇トレンド(買い仕掛けでギャップをとる)の成績は日足ベースのものより、よい成績です。@平均利益率・A勝率・BプロフィットF・C資金効率のすべてが上回っています。

一方、下降トレンド(売り仕掛けでギャップをとる)のほうは、ほぼ同じです。@平均利益率は-0.03%で同じ、A勝率は日足のほうがよい、BプロフィットFはほぼ同じ、C資金効率は3分足のほうがよい。どちらのほうがよいとはいえません。ではこの表から「3分足」によってギャップをとるほうが有利であるといえるのでしょうか? 「3分足」のほうが明日のギャップをより的確に判定しているといえるのでしょうか?

そのためには「3分足」で使った182日間のギャップの発生が偏っていなかったかどうかを吟味する必要があります。


L-3 3分足の新値足はギャップをとらえていない

次の表は、「日足5本新値」と「3分足の4本新値足」を使って、発生したギャップをどう予想したのかをまとめたものです。

(C-9)
ギャップの発生
A.日足10年 B.出現率 C.日足5本新値の正解率 D.正解の割合 a.3分足182日 b.出現率 c.分足4本新値の正解率d.正解の割合
全体
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
2564回
1290回
1118回
156回
100.0%
50.3%
43.7%
6.1%
-
51.8%
44.8%
-%
-
26.1%
19.6%
45.6%
182回
101回
72回
9回
100.0%
55.5%
39.6%
4.9%
-
54.6%
40.0%
-%
-
30.3%
15.8%
46.1%


  1. われわれはすでに過去10年間(2571日間)で発生したギャップは、@ギャップアップが50.2%、Aギャップダウンが43.7%、Bギャップなしが6.1% の確率で出現していることを知っています。明日はギャップアップとなるのかギャップダウンとなるのかを判定するとき、何も考えずに「明日はギャップアップである」とすると、50.2%は当たります。(ハズレは43.7%。ギャップなしが6.1%)。

    利益がでるのは(@ギャップアップとギャップダウンの予想があたった回数)と(Aギャップアップとギャップダウンの予想がハズレた回数)の差です。この場合はギャップアップしか予想していないので、ギャップアップが当たった50.2%とハズレた43.7%の差の6.5%が利益を出すことができます。例えば、 1000回予想して、毎回「ギャップアップ」を予想したとき、@アタリは502回、Aハズレは437回、Bギャップ0が61回あります。損得に影響するのはハズレとアタリなので、この場合は1000回の予想で69回(=502-437)で利益を出します。

  2. 「日足の5本新値足」でトレンドを判定し、これを明日のギャップの予想としましょう。(新値足が陽転中ならギャップアップと予想し、陰転中ならギャップダウンと予想する)。「日足5本新値」の対象期間は2564日でした(全データの2571日より少し少ない)。

    @この間のギャップアップの出現率は50.3%でしたが、このうち51.8%が正解でした。2565回のギャップのうち、正しくギャップアップであると判断できたのは26.1%(=50.3%×51.8%)でした。

    A一方この間のギャップダウンの出現率は43.7%でしたが、このうち44.8%が正解でした。2565回のギャップのうち、正しくギャップダウンであると判断できたのは19.6%(=43.7%×44.8%)でした。

    Bこの正解の合計は45.6%になります。「正解の割合」といってよいでしょう。ギャップアップやギャップダウンを正しくあてたのは45.6%、ギャップなしが6.1%なので、ハズレは48.3%です。1000回予想していたなら、アタリは456回・ハズレが483回なので、ハズレのほうが27回多い(損失のほうが大きい)ことになります。何も考えずに「ギャップアップである」としたときの「正解の割合」は50.1%(5本新値の期間では50.3%)なのですから、これを下回るような割合では、「日足5本新値」によってはギャップの予想は出来たとはいえません。

  3. 「3分足の4本新値足」でトレンドを判定し、これを明日のギャップの予想としましょう。(新値足が陽転中ならギャップアップと予想し、陰転中ならギャップダウンと予想する)。「3分足4本新値」の対象期間は182日でした(全データの2571日に比べてかなり少ない)。

    @この間のギャップアップの出現率は55.5%でした。10年間のギャップアップの出現率は50.2%であるので、この182日間はギャップアップがより多く出現しています。このうち54.6%が正解でした。182回のギャップのうち、正しくギャップアップであると判断できたのは30.3%(=55.5%×54.6%)でした。

    A一方この間のギャップダウンの出現率は39.6%で, 10年間の出現率の43.7%より少なくなっています。この時期はギャップアップがより多発した時期であったといえます。このうち40.0%が正解でした。182回のギャップのうち、正しくギャップダウンであると判断できたのは15.8%(=39.6%×40.0%)でした。

    Bこの正解の合計(「正解の割合」)は46.1%になります。ギャップアップやギャップダウンを正しくあてたのは46.1%、ギャップなしが4.9%なので、ハズレは49.0%(=100-46.1-4.9)です。1000回予想していたなら、アタリは461回・ハズレが490回なので、ハズレのほうが19回ほど多い(損失のほうが大きい)ことになります。何も考えずに「ギャップアップである」としたときの「正解の割合」は50.1%なのですから、正解の割合がこれを下回る46.1%では、「3分足の4本新値」によってはギャップの予想は出来たとはいえません。
3分足の4本新値足を使って、トレンドを判定してギャップアップやギャップダウンを予想して売買したものと、いつもギャップアップと予想したときの成績は次のようになっています。すべての項目で「新値足」によってギャップを予想した成績のほうが悪くなっています。分足の「4本新値足」ではギャップの予想はできないことがわかります。

(C-10)売買成績 トレード数
勝ちトレード
負けトレード
損益額(千円)
利益額
損失額
平均利益率 勝率 プロフィットF 最大ドローダウン 資金効率
(A)3分足の4本新値足
上昇トレンドなら買い
下降トレンドなら売り
182件
87件
95件
1250千円
8120千円
-6870千円
0.04% 47.8% 1.18倍 -1500千円
7連勝
5連敗
0.42倍
(B)3分足いつも
買いでオーバーナイト
182件
101件
81件
2030千円
8510千円
-6480千円
0.07% 55.5% 1.33倍 -1230千円
7連勝
4連敗
0.83倍


L-4 「プレゼント」はギャップをとらえていない

次の表は、「日足5本新値」および「3分足のプレゼント」を使って、発生したギャップをどう予想したのかをまとめたものです。

(C-11)
ギャップの発生(分足)
A.日足10年 B.出現率 C.日足5本新値の正解率 D.正解の割合 a.3分足182日 b.出現率 c.プレゼントの正解率d.正解の割合
全体
ギャップアップ
ギャップダウン
ギャップなし
2564回
1290回
1118回
156回
100.0%
50.3%
43.7%
6.1%
-
51.8%
44.8%
-%
-
26.1%
19.6%
45.6%
182回
101回
72回
9回
100.0%
55.5%
39.6%
4.9%
-
59.4%
44.4%
-%
-
33.0%
17.6%
50.6%


「正解の割合」はギャップアップが33.0%、ギャップダウンが17.6%で、合計で50.6%あります。これがアタリの割合です。ギャップなしが4.9%あるので、ハズレの割合は44.5%(=100-50.6-4.9)です。アタリ50.6%とハズレ44.5%の差の6.1%で利益をだすわけです。

「日足の5本新値足」の正解割合は45.6%、前章の「3分足の4本新値足」の 「正解割合」は46.1%であり、50%を超えていませんが、「3分足のプレゼント」は50.6%あり、ギャップをとることでも利益を出すことがわかります。しかしアタリとハズレの差の6.1%というのは、「いつでもギャップアップ」と予想したときの6.5%(アタリが50.2%、ハズレが43.7%)よりも小さなものです。 「プレゼント」がギャップアップを予想したときと、ギャップダウンを予想したときの別々について売買成績をまとめました(次表)

(C-12)
プレゼントの
ギャップ成績
トレード数
勝ちトレード
負けトレード
損益額(千円)
利益額
損失額
平均利益率 勝率 プロフィットF 最大ドローダウン 資金効率
(E)プレゼント
上昇トレンド
107件
60件
47件
1890千円
4760千円
-2870千円
0.10% 56.1% 1.66倍 -440千円
5連勝
4連敗
2.16倍
(e)プレゼント
下降トレンド
75件
32件
43件
-140千円
3610千円
-3750千円
-0.02% 42.7% 0.95倍 -1190千円
4連勝
6連敗
-0.06倍

(上表)上昇トレンドであるから買い仕掛けをしてギャップをとらえる成績は、@利益率が0.10%、A勝率56.1%、BプロフィットFが1.66倍であり、上昇トレンドであると判定したときにギャップをとれば、まずまずの合格点かと思います。しかしギャップダウンのほうはいけません。

次表は、@3分足の5本新値、A3分足のプレゼント、Bいつのギャップアップ、の3つの182日間のギャップをとったときの成績です。アタリとハズレの差が6.1%(プレゼント)と6.5%(いつでもギャップアップ)の違いが売買成績に現れています。

(C-13)
ギャップの成績(分足)
トレード数
勝ちトレード
負けトレード
損益額(千円)
利益額
損失額
平均利益率 勝率 プロフィットF 最大ドローダウン 資金効率
(A)3分足の4本新値足
上昇トレンドなら買い
下降トレンドなら売り
182件
87件
95件
1250千円
8120千円
-6870千円
0.04% 47.8% 1.18倍 -1500千円
7連勝
5連敗
0.42倍
(C)プレゼント
上昇トレンドなら買い
下降トレンドなら売り
182件
92件
90件
1750千円
8370千円
-6620千円
0.05% 50.5% 1.25倍 -1270千円
6連勝
9連敗
0.69倍
(D)3分足いつも
買いでオーバーナイト
182件
101件
81件
2030千円
8510千円
-6480千円
0.07% 55.5% 1.33倍 -1230千円
7連勝
4連敗
0.83倍

(上表)に見るように「プレゼント」でギャップアップとギャップダウンをとろうとしたときの成績は、@利益率が0.05%、A勝率50.5%、BプロフィットFが1.25倍です。利益率が0.05%あるのだから、何度もオーバーナイトすれば、平均して0.05%の利益を上乗せすることはできます。182回で1750千円の利益を上乗せした統計がでています。しかしそのために「最大ドローダウン」の-1270円(実際には127万円)のリスクを覚悟しておかねばなりません。

このリスク(-1270円)はリターン(+1750円)に比べて大きすぎます。

「Cオーバーナイトしたら何が利益を稼いだのか?」において、オーバーナイトしないときとオーバーナイトしたときの成績が、次表のように大きく違っていたので、ひょっとしたら「今日までのチャートから、明日のギャップをとらえることができるのか?」と思ってギャップについて調べたのでしたが、分足でもギャップはとらえることはできないとしたほうが正しい判断でしょう。

プレゼントの成績 トレード数
勝ちトレード
負けトレード
損益額(千円)
利益額
損失額
平均利益率 勝率 プロフィットF 最大ドローダウン 資金効率
(A-1)
オーバーナイトしない
158件
95件
63件
3010千円
5690千円
-2680千円
0.11% 60.1% 2.12倍 -400千円
7連勝
4連敗
3.76倍
(A-2)
オーバーナイトする
166件
100件
66件
4830千円
8510千円
-3680千円
0.17% 60.2% 2.31倍 -510千円
9連勝
5連敗
4.74倍


上表(A-2)でオーバーナイトしたのは47回ありました。もしこの47回のオーバーナイトが(C-13)のギャップによる利益を(運良く連敗しなかったので)上乗せできたのであれば、(182取引の累計損益が1750円なので、1取引あたり9.6円として)9.6円×47=451円ぶんの利益の上乗せが見込まれます。しかし実際には(A-1)オーバーナイトしないときの累計損益額は3010円、(A-2)オーバーナイトしたときは4830円であるので、その差は1820円と大きなものになっています。上乗せの可能性がある450円の4倍ほど違います。

47回のオーバーナイトの成績がよかった理由は、
  1. その時期に発生したギャップは、「運良く、たまたま」順風になっただけである。
  2. ギャップのほかに仕掛けにプラスになる株価の変動があった。
のどちらかです。(C-13)の「プレゼント」がギャップをうまく捕らえれらていないことを考えれば、たぶん「運良く」が原因だとおもいますが、「ギャップのほかに仕掛けにプラスとなる株価の変動があった」の可能性もあるので、次章でこれについて検討してみます。







M-1 日足のトレンドによって翌日の株価の変動の方向性がわかるのか?

IJK章で、「トレンドによってギャップの発生は違うのか?」について調べました。上昇トレンドにあるときはギャップアップが発生しやすく、下降トレンドにあるときはギャップダウンが発生しやすい、という仮定を立て検証してみましたが、日足ベースでは『翌日のギャップ』を予見する(コントロールする)ことはできないことがわかりました。

L章で3分足について、トレンドとギャップの関係を調べましたが、やはりギャップのコントロールはできませんでした。しかしオーバーナイトしたときに成績がよくなっていたは事実です。この成績向上がギャップによるものではないならば、一体何が成績を向上させているのでしょうか?

オーバーナイトするということは
  1. ギャップの影響を受ける。
  2. 手仕舞いを先に延ばす。
ことです。ギャップの影響は予め予想することは困難でした。となると、手仕舞いを延ばすことによって成績が向上しているのではないか?の仮説を立てることができます。つまり
  1. 上昇トレンドにあるとき、翌日の値動きはより高いほうへ変動するのではないか?
  2. 下降トレンドにあるとき、翌日の値動きはより安いほうへ変動するのではないか?
「より高いほうへ変動」した量は(当日のザラバ高値−前日の終値)で計算できます。「より安いほうへ変動」した量は(当日のザラバ安値−前日の終値)で計算できます。トレンドによってこの2つの量に違いがあるかないかを調べてみましょう。


図は50日平均線です。株価(終値)が50日線より上位にあるときを上昇トレンド、下位にあるときを下降トレンドとしてみましょう。このとき次のような量を計測します。
  1. の株価は、高値17970円、安値17850円、終値17930円。

  2. の株価は、高値18140円、安値18030円、終値18090円。
    b.の日の上昇幅は+210円(18140-17930)で、下落幅は+100円(18030-17930)と計算する。

  3. の株価は、高値18240円、安値18050円、終値18220円。
    c.の日の上昇幅は+150円(18240-18090)で、下落幅は-40円(18050-18090)と計算する。
  1. の株価は、高値17000円、安値16720円、終値16760円。

  2. の株価は、高値17090円、安値16670円、終値17070円。
    B.の日の上昇幅は+330円(17090-16760)で、下落幅は-90円(16670-16760)と計算する。

  3. の株価は、高値17200円、安値17040円、終値17110円。
    C.の日の上昇幅は+130円(17200-17070)で、下落幅は-30円(17040-17070)と計算する。
《カナル24》の「平均とSD」を使って、上昇トレンドにあるときの上昇幅と下落幅、下降トレンドにあるときの上昇幅と下落幅の統計を取ります。次のような条件表を設定します。




  1. No.6行は、当日の高値から前日の終値を「a-b」で引いています(上昇幅)。通常はプラスの値になるが、窓を空けて下落したときはマイナスの値になることもあります。
  2. No.7行で(上昇幅を前日の終値で割り)、1000倍しています。(数字の桁数を多くしたいため)

  3. No.9行は、当日の安値から前日の終値を「a-b」で引いています(下落幅)。通常はマイナスの値になるが、窓を空けて上昇したときはプラスの値になることもあります。
  4. No.10行で(下落幅を前日の終値で割り)、1000倍しています。(数字の桁数を多くしたいため)

  5. No.12行で50日平均を計算します。
  6. No.13行で株価が50日平均とクロスして何日かを計算します。(株価が平均線より上位になったときは、+1,+2,+3,+,4・・・となり、株価が平均線より下位になったときは、-1,-2,-3,-4,・・・となります)

  7. クロス日数を1日先行させて、昨日が上位であったら「買い」(1以上で買い)、
  8. 昨日が下位であったら「売り」(-1以下で売り)とします。



《カナル24》のスタート画面で
  1. 1009「日経先物」を選び

  2. 「計算」→「平均とSD」をクリックします。



  3. 過去10年間の統計をとりたいので「連結」にし、

  4. さきほど設定した条件表を選び、

  5. 961226〜070611 までと期間を指定する。

  6. 「売買共」にして

  7. 「開始」をクリック。


「平均とSD」は次のような画面に統計値がまとめられます。(横に長いので、途中の項目(元データ・副データ・パラメータ・加工)は省略してある)


  1. 買いの条件に合致した日の統計は左欄にまとめられています。(この条件表の「買い」は、前日終値が50日線より上位にあるので、上昇トレンドと判定する)
  2. 売りの条件に合致した日の統計は右欄にまとめられています。(この条件表の「売り」は、前日終値が50日線より下位にあるので、下降トレンドと判定する)

  3. 株価が50日線より上位にあった日は1303日だった。
  4. 株価が50日線より下位にあった日は1223日だった。

  5. 上昇トレンドにあるときの、上昇幅の平均は+112.2円
  6. 上昇トレンドにあるときの、下落幅の平均は-97.3円だった。

  7. 下降トレンドにあるときの、上昇幅の平均は+120.1円
  8. 下降トレンドにあるときの、下落幅の平均は-128.2円だった。
この数字はよいものです。上昇トレンドと判定したとき、翌日の株価は平均して+112.2円上昇(ザラバ高値)し、平均して-97.3円下落(ザラバ安値)します。昨日の時点で上昇トレンドであると判定したとき、その日の終値で「買い仕掛け」をしておくと、翌日は+112.2円高になる可能性があり、-97.3円安になる可性があるわけです。もし上昇トレンドであるの判定が5分5分であったとしても、買い仕掛けをしていると、平均して14.9円(=112.2-97.3円)ほど有利になります。

一方、下降トレンドであると判定したとき、翌日の上昇幅は+120.1円で、下落幅は-128.2円であるので、「売り仕掛け」をしていれば8.1円(=-128.2-12.01)ほど有利になります。トレンドを判定してオーバーナイトすると、仕掛けたほうに順風が吹くということです。




M-2 日足によるトレンドの判定と翌日の変動幅と方向性の実証

「K-2 日足ベースのトレンドでは明日のギャップを捕らえることはできない」で検証したチャートについて、翌日の株価がどう変動したかを調べ、まとめたものが次の表です。

(D-1) 翌日の変動(日足) 件数 C→高値 C→安値 比較 C→高値% C→安値% 比較%
(X-0) 全ての日
(過去10年間)
2571件 +117.5円 -114.5円 +3.0円 0.85% -0.82% +0.03%
(B-1) 株価が50日線より上
(上昇トレンド)
1303件 +112.2円 -97.3円 +14.9円 0.78% -0.67% +0.11%
(S-1) 株価が50日線より下
(下降トレンド)
1223件 +120.1円 -128.2円 -8.1円 0.91% -0.95% -0.04%
(B-2) 20日線が130日線より上
(上昇トレンド)
1238件 +110.7円 -100.8円 +9.9円 0.76% -0.68% +0.08%
(S-2) 20日線が130日線より下
(下降トレンド)
1208件 +117.6円 -123.5円 -5.9円 0.92% -0.95% -0.03%
(B-3) 株価が抵抗帯上限より上
(上昇トレンド)
1175件 +108.6円 -97.7円 +10.9円 0.75% -0.66% +0.09%
(S-3) 株価が抵抗帯下限より下
(下降トレンド)
999件 +121.2円 -126.7円 -5.5円 0.95% -0.97% -0.02%
(B-4) 8本新値足が陽転中
(上昇トレンド)
883件 +116.5円 -104.1円 +12.4円 0.84% -0.75% +0.09%
(S-4) 8本新値足(陰転中)
(下降トレンド)
1482件 +113.2円 -110.7円 +2.5円 0.86% -0.83% +0.03%
(B-5) 950円カギ足が陽転中
(上昇トレンド)
1351件 +118.7円 -108.2円 +10.5円 0.82% -0.73% +0.09%
(S-5) 950円カギ足が陰転中
(下降トレンド)
1214件 +116.5円 -120.4円 -3.9円 0.89% -0.90% +0.01%
(B-6) 185日平滑平均が上向き中(上昇トレンド) 1216件 +106.4円 -91.8円 +14.6円 0.74% -0.64% +0.10%
(S-6) 185日平滑平均が下向き中(下降トレンド) 1174件 +122.2円 -128.7円 -6.5円 0.96% -0.99 -0.03%
(B-7) 110日順位相関が0超のとき(上昇トレンド) 1254件 +111.9円 -104.8円 +7.1円 0.76% -0.71 +0.05%
(S-7) 110日順位相関が0以下のとき(下降トレンド) 1212件 +116.8円 -119.1円 -2.3円 0.92% -0.92% -0.00%


上昇トレンドにあると判定したときは「買い仕掛け」でオーバーナイトするのだから、翌日の上昇幅は下落幅よりも大きいほうが有利です。下降トレンドにあると判定したときは「売り仕掛け」でオーバーナイトするのだから、翌日の下落幅は上昇幅よりも大きいほうが有利です。

上表で(B-1)「株価が50日線より上のとき上昇トレンド」と判断したとき、上昇幅のほうが下落幅よりも14.9円大きい。また下降トレンドと判断したとき下落幅のほうが上昇幅よりも8.1円大きい。合計するとオーバーナイトしないときに比べて23.0円ほど有利となります。

役に立たないのは「8本新値足」です。(S-4)「8本新値足が陰転中のとき下降トレンド」と判定したとき、上昇幅が下落幅より大きくなっています。



M-3 3分足でトレンドに従ってオーバーナイトしたとき有利になるか?

今、開発中の《リアル24》Ver.3では、最大65000本を使って「新規検証」や「最適化」ができるような仕様にしています。ちょうどこの部分が完成したので、ここ2年間(2005年7月1日〜2007年6月30日。ただし半日立会いの日は除く。)の3分足を使って、次のことを調べました。
  1. 終値で仕掛け、
  2. 翌日の11:00に手仕舞いする。
  3. 反対の売買マークがでたら手仕舞う。
  4. +1.2%の利益がでたら利食いする。
  5. -0.7%の損失がでたら損切りする。
例えば「株価が80本平均より上位にあれば買い、下位にあれば売り」の条件表を設定しておきます(次図)。





売買ルールは右図のようにします。
  1. 「当足の終値」で仕掛ける。

  2. 9:00〜15:06 の間の仕掛けはしない。

    (3分足のデータの日付(時刻)は、9:00→9:03→9:06→・・・15:00→15:03→15:06→15:09 であるので、15:09だけで仕掛けることができるようにする)

    ( なお大納会と大発会の日は15:09を11:09に変更するが、ここでは半日立会いの日は除外した)

  3. 時間切れは、売買マークがでて「41本が経過したら当足の終値」で手仕舞う。(売買マークがでた15:09から41本が経過した11:00の終値で手仕舞う)

  4. 反対の売買マークがでたら手仕舞う(ドテンはしない)

  5. +1.2%の利益がでたら利食い。

  6. -0.7%の損失がでたら損切り。

以下のような成績がわかります。このように、いろいろなトレンドの判定のしかたについて、@上昇トレンドと判定して「買い仕掛け」をしたとき、翌日は順風(株価上昇)になったか、A下降トレンドと判定して「売り仕掛け」をしたとき、翌日は順風(株価下落)となったのか、の成績を調べてみましょう。


上図を見ると成績はよくありません。
  1. トレード数は485件
  2. 累計利益額は 2870円
  3. 平均利益率は、わずかに0.03%
  4. 勝率は、42.5%
  5. プロフィットファクターは、1.13倍
  6. 最大ドローダウンは-4220円
とほとんど実用に耐えることはできません。ただし買い仕掛けだけの成績は平均利益率は0.11%、勝率46.9%、PFは1.44倍と合格点に近い。いけないのは売り仕掛けの成績で、平均利益率は-0.05%、勝率37.4%、PFが0.89倍と足を引っ張っています。

これはM-2章の日足ベースで実証したとき、どのチャートを使っても、翌日の上昇値幅は下落値幅よりも大きかった事実と一致します。つまりは「買い仕掛けでのオーバーナイト」は「売り仕掛けでのオーバーナイト」よりも有利であることを3分足でも実証していることになります。

M-4 3分足でのトレンドを判定してオーバーナイトしても、翌日は順風が吹くとはいえない

9通りのトレンドの判定について調べました。 (T-3)〜(T-11)にそれぞれのトレンド判定のしかたの成績を掲げました。@買いと売りの成績(黄色欄)と、(黄色欄の下に)A上昇トレンドと判定して買ったときの成績、B下降トレンドと判定して売ったときの成績の3つがあります。

比較のために、(T-1)いつも買い仕掛けでオーバーナイトしたときの成績と、(T-2)いつも売り仕掛けをしたときの成績も掲げます。

(D-2) トレンド判定の成績 トレード数
勝ちトレード
負けトレード
損益額(千円)
利益額
損失額
平均利益率 勝率 プロフィットF 最大ドローダウン 資金効率
(T-1)
いつも買いでオーバーナイト
485件
256件
229件
5230千円
29140千円
-23910千円
0.07% 52.8% 1.22倍 -2800千円
6連勝
7連敗
0.93倍
(T-2)
いつも売りでオーバーナイト
485件
204件
281件
-5190千円
24400千円
-29590千円
-0.08% 42.1% 0.82倍 -5330千円
6連勝
8連敗
-0.49倍
(T-3)
株価が80本平均線より上・下
485件
206件
279件
2870千円
25760千円
-22890千円
0.03% 42.5% 1.13倍 -4220千円
7連勝
11連敗
0.34倍
上昇トレンド(買い)
下降トレンド(売り)
121/258件
85/227件
4360千円
-1490千円
0.11%
-0.05%
46.9%
37.4%
1.44倍
0.89倍
-2080千円
-3590千円
1.05倍
-0.21倍
(T-4)
5本平均線が65本平均線より上・下
485件
231件
254件
6970千円
27800千円
-20830千円
0.09% 47.6% 1.33倍 -2570千円
13連勝
9連敗
1.36倍
上昇トレンド(買い)
下降トレンド(売り)
137/259件
94/226件
6490千円
480千円
0.16%
0.00%
52.9%
41.6%
1.72倍
1.04倍
-1340千円
-2210千円
2.42倍
0.11倍
(T-5)
株価が抵抗帯より上・下
408件
182件
226件
2230千円
22290千円
-20060千円
0.03% 44.6% 1.11倍 -3410千円
10連勝
10連敗
0.33倍
上昇トレンド(買い)
下降トレンド(売り)
108/218件
74/190件
4510千円
-2280千円
0.13%
-0.08%
49.5%
38.9%
1.55倍
0.81倍
-1530千円
-3010千円
1.47倍
-0.38倍
(T-6)
4本新値足が陽転・陰転
485件
208件
277件
690千円
25400千円
-24710千円
0.00% 42.9% 1.03倍 -3850千円
8連勝
7連敗
0.09倍
上昇トレンド(買い)
下降トレンド(売り)
125/263件
83/222件
2410千円
-1720千円
0.06%
-0.06%
47.5%
37.4%
1.22倍
0.87倍
-2150千円
-2670千円
0.56倍
-0.32倍
(T-7)
950円カギ足が陽転・陰転
449件
218件
231件
970千円
26240千円
-25270千円
0.01% 48.6% 1.04倍 -30300千円
6連勝
9連敗
0.16倍
上昇トレンド(買い)
下降トレンド(売り)
173/336件
45/113件
2840千円
-1870千円
0.05%
-0.12%
51.5%
39.8%
1.18倍
0.80倍
-1640千円
-2340千円
0.87倍
-0.40倍
(T-8)
80本平滑平均の向き
485件
214件
271件
2680千円
25660千円
-22980千円
0.03% 44.1% 1.12倍 -2860千円
6連勝
9連敗
0.47倍
上昇トレンド(買い)
下降トレンド(売り)
125/259件
89/226件
4050千円
-1370千円
0.10%
-0.05%
48.9%
39.4%
1.41倍
0.90倍
-1640千円
-3030千円
1.23倍
-0.23倍
(T-9)
60本順位相関が0超・0以下
485件
238件
247件
7850千円
28950千円
-21100千円
0.10% 49.1% 1.37倍 -1430千円
6連勝
7連敗
2.74倍
上昇トレンド(買い)
下降トレンド(売り)
142/265件
96/220件
6780千円
1070千円
0.16%
0.02%
53.6%
43.6%
1.73倍
1.09倍
-1340千円
-1460千円
2.53倍
0.37倍
(T-10)
60本順位相関が+20以上・-20以下
407件
206件
201件
7160千円
25440千円
-18280千円
0.11% 50.6% 1.39倍 -1830千円
6連勝
7連敗
1.96倍
上昇トレンド(買い)
下降トレンド(売り)
121/218件
85/189件
5430千円
1730千円
0.16%
0.05%
55.5%
45.0%
1.65倍
1.17倍
-430千円
-1620千円
2.04倍
0.53倍
(T-11)
プレゼント
485件
214件
271件
570千円
25390千円
-24820千円
0.00% 44.1% 1.02倍 -1920千円
6連勝
8連敗
0.15倍
上昇トレンド(買い)
下降トレンド(売り)
129/267件
85/133件
2230千円
-1660千円
0.06%
-0.06%
48.3%
39.0%
1.20倍
0.88倍
-1700千円
-1850千円
0.66倍
-0.45倍


(上表)は、@終値でしかけて→Aオーバーナイトし→B翌日の11:00までに決済する(決済できないときは11:00で時間切れとなる)という売買ルールによる成績です。「もし前日のトレンドが翌日の前場で順風を吹かせる」のであれば、的確にトレンドを判定いれば成績はよいはずです。

(T-1)と(T-2)の統計から、統計をとった485日のうち、翌日の11:00までに高くなったものが256件(52.8%)、翌日安くなったものが204件(42.1%)ありました。(残りは前日終値と11:00の値段は同じで、25件(5.1%)あった)であることがわかります。これが基準になります。
  1. 上昇トレンドであると判断したときの勝率が52.8%以上なければ、正しく上昇トレンドであると判定したことにはなりません。また下降トレンドであると判定したときの勝率が42.1%以上なければ、正しく下降トレンドと判定したことにはなりません。

    (勝率)の欄を見ると、これに該当するのは(T-9)「60本順位相関が0超か0以下か」と(T-10)「60本順位相関が+20以上か-20以下か」で判定した2つだけです。 その(T-9)(T-10)の勝率は実際に起きた確率(52.8%と42.1%)を大きく上回るものではありません。

    9通りのトレンド判定のうち、7つまでが翌日の上昇あるいは翌日の下落を現実の確率以上には当てていません。このことは「トレンドを判定しても、翌日の株価は同じトレンドの方向に動くとは限らない」ということです。

  2. (T-9)(T-10)は、トレンドの判定をすることで少しばかり「順風」をとらえたといえますが、「下降トレンド」と判定したときのプロフィットファクターは(T-10)が1.17倍、(T-9)が1.09倍であり、リターンとリスクの差はそれほどありません。(1.50倍はないといけない)

  3. 的確にトレンドの判定をしたとしても、順風が吹くのは驚くような確率ではありません。下降トレンドと判断したときの「資金効率」(利益額÷(最大ドローダウン×2))で最もよかったのは(T-10)の0.53倍でしたが、E章「建て玉を0にすることが利益を出す」で掲げた「プレゼント」の成績を見てください。完全なドテン売買である(A-3)を除いて、資金効率は1.28倍以上あります(標準の売買ルールの(A-1)は3.76倍ある)。順風をとらえようとするといかに資金効率が悪いかです。

  4. 以上のことから、ありきたりのチャートでトレンドを判定しても、明日の@ギャップ(ギャップアップかギャップダウンか)や、A前場の株価の方向性、を予想することは困難である。当日トレンドを判定しても、翌日に順風が吹くのはわずかであり、リスクをとるほどのものではない。といえます。

N 終わりに

分足を使ってシステムトレードをする際に、「オーバーナイトすべきかどうか」は大きな問題です。オーバーナイトするには、今日の方針(売りか買いか)が明日より多くの利益を出すことが予想できてなければなりません。そこで、オーバーナイトすると、「何が利益をもたらせるのか?」について調べました。利益をもたらせる可能性があるのは
  1. 翌日、有利なギャップが発生する可能性がある。
  2. 翌日、有利な株価の動きになる可能性がある。
の2つです。そこで「当日の大引け直前に、ギャップや明日の動きを予想することができるのか?」について調べました。手がかりにしたのは「当日の引け時のトレンド」でした。
  1. 上昇トレンドのときは「ギャップアップ」が発生しやすいか?
  2. 下降トレンドのときは「ギャップダウン」が発生しやすいか?
    を、I章〜L章で調べましたが、日足ベース・3分足ベースではトレンドによってギャップの発生が左右されることはない。という結論になりました。「プレゼント」がギャップを予想することはないことも明らかになりました。

  3. 上昇トレンドのときは、翌日の株価は上昇しやすいのか?
  4. 下降トレンドのときは、翌日の株価は下落しやすいのか?
    についてはM章で調べました。日足ベースでは、わずかに順風が吹くかの感じがありましたが、3分足ベースではトレンドによって明日の株価の動きは予想できない。という結論になりました。
今日のグラフを見て明日の動きが予想できるかどうかは、「トレンド」についてだけを調べたので、あるいは明日のギャップや株価の動きが確率的に予想できるものがあるかも知れません。しかし、現時点では「明日の予想はできない」としておくのが正しいでしょう。

そうであれば、「オーバーナイトしない」と決めて、図のような売買ルール(これは新標準ルール)とするのがよいと思います。



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執筆:坂本 正治