 |
No.3 デイトレシステムの検証と運用のしかた
|
2007年10月に執筆 ・・・・
講座目次へ.
@デイトレ・システムとは?
《リアル24》の条件表のNo.103に「プレゼント」があります。この3日で、どのような取引マークが出たのかを掲げます。

2007.10.18
(a)で買い仕掛けのマーク(赤色の↑)がでました。このときの株価は17110円(次の足の始値は17110円)。
(b)で手仕舞いのマーク(緑色の▽)がでました。このときの株価は17110円(次の足の始値は17120円)
マークが出たときの株価で約定できていたとすれば、このトレードの利益は0円(=17110-17110)です。手数料(往復)2.1円を払うと、-2.1円の損失です。
(A)マークが出た次の足の始値で約定できていたとすれば、このトレードの利益は10円(=17120-17110)です。手数料(往復)2.1円を払うと、+7.9円の利益です。通常はマークが出た瞬間に注文を出すことはできないので、次の足の始値で約定する可能性が高い。
(B)マークが出たときの株価より10円有利な値段で指値をしていたとすれば、((a)は17110円なので17100円で指値しておく)次の足で17090円がついているので、17100円で約定しています。手仕舞いのマークがでた(b)の次の足の始値で約定したとすれば、このトレードの利益は20円(=17120-17100)です。手数料(往復)2.1円を払うと、+17.9円の利益です。

2007.10.19
(c)で売り仕掛けのマーク(青色の↓)がでました。このときの株価は16940円(次の足の始値は16940円)。
(d)で手仕舞いのマーク(緑色の△)がでました。このときの株価は16860円(次の足の始値は16810円)
(A)マークが出た次の足の始値で約定できていたとすれば、このトレードの利益は130円(=16940-16810)です。手数料(往復)2.1円を払うと、+127.9円の利益です。
(B)マークが出たときの株価より10円有利な値段で指値をしていたとすれば、((c)は16940円なので16950円で指値しておく)次の足以降16950円以上の株価はついていないので、この場合は約定できません。よって損得なし。0円

2007.10.22
(e)で買い仕掛けのマーク(赤色の↑)がでました。このときの株価は16390円(次の足の始値は16390円)。
(f)で手仕舞いのマーク(緑色の▽)がでました。このときの株価は16460円(次の足の始値は16450円)
(A)マークが出た次の足の始値で約定できていたとすれば、このトレードの利益は60円(=16450-16390)です。手数料(往復)2.1円を払うと、+57.9円の利益です。
(B)マークが出たときの株価より10円有利な値段で指値をしていたとすれば、((e)は16390円なので16380円で指値しておく)次の足以降16380円以下の株価は3か所(ピンク○の分足)でついているので、この値段で約定できたとすると、このトレードの利益は70円(=16450-16380)です。手数料(往復)2.1円を払うと、+67.9円の利益です。
この3日の取引を見ましたが、トレードシステムは次の3点からなることがおわかりでしょう。
- どういうときに仕掛けるのか?(《リアル24》では条件表がこれを受け持つ)
- どういうときに手仕舞うのか?(《リアル24》では売買ルールがこれを受け持つ)
- どういう注文を出すのか?(これはトレーダーが決断する)
このシステムによって得られるのが利益ですが、単に利益がでるだけではよいシステムとはいえません。システムは
- より大きな利益が出ること(利益可能性)
- しかしリスクが小さいこと(安全性)
- 必要な資金が少なくてすむこと(効率性)
- 成績が安定していること(安定性)
- 損失が出ても早く取り返せること(回復力)
を総合して評価すべきです。
この5項目のうちの一つでもが劣るとトレード・システムとして採用することはできません。
Aシステムの評価はどうすればよい?
システムを評価するには、過去のデータを使って「検証」(バックテスト)をしなければわかりません。(将来の成績は未定なので、過去の成績を基にして評価するしかない)
これまでに何度も「検証」のしかたについて述べてきましたが、《リアル24》Ver.3になって、「売買ルール」(特に仕掛けのルール)が変わったり、「検証」の成績の項目が追加されたりしたので、あらためて書きます。

検証の手順
「検証ツール」のスタート画面を出します。右図の4つが正しく指定できているかをチェックして下さい。
一度に検証できるデータ数は65000個です。3分足は1日に95本のデータが発生するので、1つのコードに5日分(500個÷95本=5.26日)が記憶されています。あるコードと次のコードでダブった日付時刻のデータは使われないので、1つのコードのデータのうち95本×5=475本が使われます。
よって65000個のデータなら、65000÷475本=136.8により、136個の銘柄(コード)を選択することができます。

- 現在のところ銘柄(コード)は110銘柄しかないので、「全銘柄」ボタンをクリックして、
- 110銘柄(コード)をまとめて選択しました。
- メニューの「新規検証」→「個別検証」をクリック。
「新規検証のしかた」の画面が現れます。右の番号の指定をして下さい。
- 使う条件ファイルは「拡張7」。
- 使う条件表No.103「プレゼント」。
- 条件表の内容が表示されます。
- 検証する期間は、050801〜070731までの2年間。
- 検証するのは「売買共」。
- 「ギャップの調整」はしない。
- 売買ルールの内容を確認します。
売買ルール
ここで使う売買ルールは標準の売買ルールです。すなわち

- 条件表が売買マークを出したら、「翌足の始値」で仕掛ける。
- 14:30〜1510までの時刻には仕掛けはしない。(残り時間が少ないから)
- 仕掛けて(売買マークが出た次の足から)40本が経過したら、「翌足の始値」で手仕舞う。
- 15:00になったら手仕舞う。
- 仕掛けているときに、反対の売買マークがでたら、手仕舞いと同時に新規に仕掛ける
- 仕掛けた株価から1.2%の利益がでたら、ザラバで利食いする。
- 仕掛けた株価から-0.7%の損失がでたら、ザラバで損切りする。
検証リスト
検証時間は、条件表の設定内容にもよりますが、たいていは1〜2分くらいで終わります。
「検証」が終わると、まず「検証リスト」が表示されます。

ここには、
- いつ、何円で、仕掛け(買い・売り)
- いつ、何円で、手仕舞いしたのか、
- その結果いくらの利益がでたのか、
- 手仕舞いの原因は何だったのか。
が1取引につき1行で表示されています。

「検証リスト」画面の「損益経過」ボタンをクリックすると、右図の画面が現れます。
- ここで「損益経過」の検証のしかたを指示します。
-
「1枚ずつ売買する」を選ぶと、利益額に関係なく、いつでも1枚単位で売買をします。
「資金の一定割合で建て玉枚数を決めて売買する」は、積み上がった利益額に応じて、売買する枚数を増やしたり減らしたりして、損益経過を見ます。
通常「条件表の成績」を見るには「1枚ずつ・・」のほうを指定します。
- スタート時の資金(1000千円。変更できます。)
- 1枚あたりの必要証拠金(700千円。変更できます。)
- 1枚あたりの片道手数料(0千円。変更できます。通常は1.05千円。スリッページが平均して3.3円だとすると、4.35円と入力すればよい)
損益経過のまとめ(成績表)
これが条件表No.103「プレゼント」が標準の売買ルールを使って出した取引マークにしたがったときの成績です。(2005年8月1日〜2007年7月31日までの)
- トレード数は、423回。勝ちが221回、負けが202回
- 累計損益額は、5840円(実際はX1000倍)。勝ちの累計損益額は 16600円、負けの累計損益額は -10760円。
- 平均損益は、13.8円(実際はX1000倍)。勝ちの平均利益額は75.1円、負けの平均損失は -53.3円。
- 平均損益%は、+0.081%。勝ちの平均利益%は+0.463%、負けの平均損失%は-0.338%。
- 勝率は、52.2%
- 取引途中での最大ドローダウンは、-860円(実際はX1000倍)
- 9連勝をしたとき690円の利益が出たが、5連敗したとき-390円の損失となった。
- 1000回のトレードをしたとき、10連敗する可能性がある。そのときには-532.7円の損失がでる。
- 連敗による損失を取り戻すためには38.6回のトレードをしなければならない。
- PF(プロフィット・ファクタ-)は、1.54倍。
- ドローR(ドローダウン・レシオ)は、1.36倍。
- 回復R(連敗回復レシオ)は、1.30倍。
- 総合評価のT得点は115点だった。
この成績は、取引コストが0円のときのものです。実際には、@手数料が往復で2.1円かかり、A注文執行時に予定した値段で約定できないスリッページが発生するので、これを取引コストに含めると、取引コストの合計は2.1円〜12.5円として成績を見るのがよいでしょう。(「検証ツールの解説」やここの講座で、取引コストを考慮するときは、往復で8.7円とします)
この成績をどう評価すればよいのか?
さてこのシステムの成績はどう評価したらよいのでしょうか?Ver.2までは以下のように基準をつけていました。
- トレード数は100回以上あること
- 平均利益%は0.10%以上あること
- 勝率は50%以上あること
- PFは1.50倍以上あること
- 最大ドローダウンは500円以下であること
この基準は、当時のデータ(約半年分)についての成績です。いまや過去データは2年以上あります。ほとんどのシステムのトレード数は100回を超えています。またトレード数が多くなれば最大ドローダウンは大きくなっていきます。2年間の成績を判定する基準としてはやや不十分になってきました。
不十分ながらも、システムとして採用できるかどうかの判定基準にはなりますが、しかしシステムどうしの成績を比較することはできません。例えばトレード数が99回しかないが平均利益率が0.15%、PFが1.80倍のシステムと、トレード数が300回で平均利益率が0.09%、PFが1.60倍のシステムを比べると、どちらが勝っているのでしょうか。
このためには、成績を総合的に評価する基準が必要です。Ver.3では「T得点」という評価基準を作りました。T得点が高いものほどシステムは優れていると判断できます。
B成績を評価する視点について
前章で掲げたNo.103「プレゼント」の成績をまとめると次の表になります。システムを評価する重要な成績の項目は上記の7項目(@累計損益額、A平均利益額、B最大ドローダウン、C勝率、Dプロフィット・ファクター(PF)、Eドローダウン・レシオ(ドローR)、F回復レシオ(回復R))で、これらを総合したのがGT得点です。
| 条件表No. |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
No.103 プレゼント |
423回 221回 202回 |
5840円 16600円 -10760円 |
13.8円 17月 7月 |
-860円 9連勝 5連敗 |
52.2% |
1.54倍 |
1.36倍 |
1.30倍 |
115点 |
主な成績の項目について解説します。
@累計損益額
トレードするのは、利益をあげるためです。では「累計損益額」が大きいものがよい成績であるのかというと違います。例えば2年間で8910円の利益を出しているシステムがあったとしても、トレード回数が2073回もあればどうでしょう。1トレードあたりの利益額は4.3円にしか過ぎません。
わずかでも利益が上がるシステムならば、トレード数が多ければ多いほど損益額は大きくなりますが、トレード数が多ければ @手数料というコストが増大する。A売買執行時のリスク(スリッページ)が増大するために、現実には利益がでないか損失勘定になります。
A平均損益額
1トレードあたりいくらの利益が上がったのかは重要な指標です。現在では1単位あたり往復2.10円の手数料がかかります。ここに売買注文を出して成約するために、1トレード(往復)で平均して5円のスリッページ(16200円で買いたいとき16210円でしか買えない。あるいは16200円で売りたいとき16190円でしか売れない、といったロスがある)が発生するとすれば、1トレードあたり7.10円の利益がないと損失勘定です。
スリッページはトレーダーの注文の出し方によって大きく変わります。本章では1トレード(往復)で6.6円のスリッページが発生するとします。手数料を加えて、1トレードで8.7円の取引コストがかかるとします。これを考慮するとNo.103「プレゼント」は、平均利益額13.8円から8.7円を引いた5.1円が平均純利益です(わずかです)。だいたいにおいて、トレード数が多いものほど平均利益率が悪くなります。
B最大ドローダウン
デイトレシステムを続行していくためには、将来発生するだろう一時的な損失額を別途に用意していなければなりません。実際には、1枚を建て玉するのに必要な証拠金(だいたい60万〜100万円)と将来予想できる損失分の金額を用意しておくことは必須です。
最大ドローダウンはこの2年間で最も負けがこんだときの損失額です。Aというシステムのドローダウンが-250円で、Bというシステムのドローダウンは-2750円だったとしましょう。このことは重要です。Aのシステムを過去2年間運用したとき、最低必要な資金は、証拠金の1000千円+ドローダウンの250千円=1250千円ですが、Bのシステムでは証拠金の1000千円+ドローダウンの2750千円=3750千円が必要になります。BのシステムはAのシステムに比べて約3倍の資金を必要とします。
例えばCシステムは、最大ドローダウンが-440円で、7010円の利益を上げており、Dシステムは、最大ドローダウンが-910円で、7030円の利益を上げているとしましょう。利益額からはCシステムのほうがわずかに勝っていますが、利益率となると大違いです。
Cシステムの利益率は7010円÷(証拠金の1000円+ドローダウンの440円)×100-100=386%の利益率になります。一方Dシステムの利益率は7030円÷(証拠金の1000円+ドローダウンの910円)×100-100=268%の利益率になります。
ここにある最大ドローダウンは、この2年間で発生したものなので、将来的にこの数字の3倍のドローダウンが発生してもよいように資金を準備するならば、Cシステムの利益率は7010円÷(証拠金の1000円+ドローダウンの440円×3倍)×100-100=202%の利益率になります。一方Dシステムの利益率は7030円÷(証拠金の1000円+ドローダウンの910円×3倍)×100-100=88%の利益率になります。
最大ドローダウンが小さいシステム(連続して負けないシステム)を採用するときは、必要資金が少なくですみます。同じ資金であれば、トレードする枚数を多くでき、したがって利益の額も大きくなります。
C勝率
デイトレシステムを続行していくためには、ある程度の勝率が必要です。例えば勝率40%のシステムで、1000回のトレードをしたとき何連敗するかを計算すると、
- 0.6...負ける確率10回に6回
- 0.6×0.6=0.36...2連敗する確率10回に3.6回
- 0.6×0.6×0.6=0.21...3連敗する確率10回に2.1回
- 0.6×0.6×0.6×0.6=0.129...4連敗する確率10回に1.3回
- 0.6×0.6×0.6×0.6×0.6=0.077...5連敗する確率100回に7.7回
- 0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6=0.0466...6連敗する確率100回に4.66回
- 0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6=0.0279...7連敗する確率100回に2.8回
- 0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6=0.01679...8連敗する確率100回に1.7回
- 0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6=0.0100...9連敗する確率100回に1.0回
- 0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6=0.006...10連敗する確率1000回に6.0回
- 0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×=0.003...11連敗する確率1000回に3.0回
- 0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6=0.002...12連敗する確率1000回に2.1回
- 0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6×0.6=0.00013..13連敗する確率1000回に1.3回
となります。勝率40%のシステムを使ってトレードすると、1000トレードに1回は13連敗をすることがあるわけです。
長くトレードを続けていれば延べトレード数が1000回に達するのは確実です。1000回のトレードで13連敗が出てきたとき、心理的にこのシステムを続行することは不可能でしょう。ではどれくらいの勝率があればよいのか。勝率50%のときは負ける確率は0.5です。
- 0.5...負ける確率10回に5回
- 0.5×0.5=0.25...2連敗する確率10回に2.5回
- 0.5×0.5×0.5=0.125...3連敗する確率10回に1.2回
- 0.5×0.5×0.5×0.5=0.0625...4連敗する確率100回に6.2回
- 0.5×0.5×0.5×0.5×0.5=0.031...5連敗する確率100回に3.1回
- 0.5×0.5×0.5×0.5×0.5×0.5=0.015...6連敗する確率100回に1.5回
- 0.5×0.5×0.5×0.5×0.5×0.5×0.5=0.0078...7連敗する確率1000回に7.8回
- 0.5×0.5×0.5×0.5×0.5×0.5×0.5×0.5=0.0039...8連敗する確率1000回に3.9回
- 0.5×0.5×0.5×0.5×0.5×0.5×0.5×0.5×0.5=0.0019...9連敗する確率1000回に1.9回
- 0.5×0.5×0.5×0.5×0.5×0.5×0.5×0.5×0.5×0.5=0.00097..10連敗する確率1000回に1.0回
となります。勝率が40%のときは1000回のトレードをすると13連敗する可能性がありますが、勝率50%のシステムでは1000回のトレードをしても10連敗の可能性に減じます。さらに勝率55%のシステムを使うなら、負ける確率は0.45であるので、
- 0.45...負ける確率10回に4.5
回
- 0.45×0.45=0.2025..2連敗する確率10回に2.0回
- 0.45×0.45×0.45=0.091...3連敗する確率10回に0.9回
- 0.45×0.45×0.45×0.45=0.041...4連敗する確率100回に4.1回
- 0.45×0.45×0.45×0.45×0.45=0.018...5連敗する確率100回に1.81回
- 0.45×0.45×0.45×0.45×0.45×0.45=0.0083...6連敗する確率1000回に8.3回
- 0.45×0.45×0.45×0.45×0.45×0.45×0.45=0.0037...7連敗する確率1000回に3.7回
- 0.45×0.45×0.45×0.45×0.45×0.45×0.45×0.45=0.00016...8連敗する確率1000回に1.6回
- 0.45×0.45×0.45×0.45×0.45×0.45×0.45×0.45×0.45=0.00075...9連敗する確率1000回に0.7回
となります。勝率が55%のときは1000回のトレードをすると8〜9連敗することがあるわけわけです。
ただ勝率は利益額や利益率に直結しているわけではありません。心理的にトレードを持続できるかどうかの指標です。
Dプロフィット・ファクター(PFと略す)

プロフィット・ファクターは、(勝ちトレードによる累計利益額)÷(負けトレードによる累計損失額)で計算されます。負けた額の何倍の利益が出たかを表します。
実際の純利益(損益額)は、図に見るように(勝ちトレードによる累計利益額)−(負けトレードによる累計損失額)=(損益額)で計算されるので、PF自体からは損益額はわかりません。
PFはシステムの「安定性」を表す指標です。No.103「プレゼント」の累計損益額は5840円ですが、これは勝ちトレードで16600円の利益を上げ、負けトレードで-10760円の損失を出した差額です。上表には載せていませんが、勝ちトレードにおける平均利益は75.1円で、負けトレードにおける平均損失は-53.3円です。
上表によると勝ちトレードは221回、負けトレードは202回ありますが、将来の2年間で221回の勝ちトレードの10%の22回が負けトレードに変化し、勝ちトレードは199回、負けトレードが224回になったとしましょう(勝率が47.0%に低下する)。
このとき勝ちトレードによる利益額は、75.1円×199回=14940円になります。負けトレードによる損失は、-53.3円×224回=-11940円になります。この結果、累計損益額は+3000円になります。勝率が52.2%から47.0%へ約5%低下したことによって損益額は5780円から3000円へ低下します。約半減です。
しかしまだある程度の純利益を確保しています。これは、勝ちトレードの利益額が負けトレードの損失額の1.51倍あったので、少し勝率が低下してもなお勝ちトレードの利益額が損失額より上回るからです。PFの要素は、@勝ちトレードの利益額とA負けトレードの損失額、の2つですからPFの倍率が大きいほどシステムは安定しているわけです。
Eドローダウン・レシオ(ドローRと略す)
ドローダウン・レシオは「効率性」を表す指標です(うちで作った指標。一般的な指標ではない)。
「効率性」とは「資金の効率性」=利益率のことです。上図の「資金」の図を見てください。デイトレをするためには、
- 証拠金(60万円〜100万円。株価とボラティリテイによって変動する)
- 過去の最大ドローダウンに匹敵する予備資金
- 今後発生するだろうより大きなドローダウンのための余裕資金
が必要です。証拠金を用意しただけでは、わずかな負けでトレードができなくなります。最大ドローダウンに匹敵する資金を用意していたとしても、今後発生するドローダウンが過去の最大ドローダウンより小さい保証はありません。過去の最大ドローダウンを超えるドローダウンに遭遇した時点でシステムは破綻します。将来のことがわからない以上、どれくらいの資金を用意しておけばよいのかは不明です。ただ最大ドローダウンの額はトレード数が増加するにしたがって増えていくのが普通です。最低でも過去の最大ドローダウンの額の2倍は見込んでおかねばならないでしょう。慎重には5倍を考えておけば大丈夫かと思います。
ドローダウン・レシオは、(損益額)÷(最大ドローダウンの5倍)で計算します。
この計算では「必要資金」は「最大ドローダウンの5倍の金額」としています。(証拠金+最大ドローダウウン+将来のドローダウンの割り増し)を「最大ドローダウンの5倍の金額」で代用していることになります。システムを維持しているための資金を「最大ドローダウンの5倍の金額」と仮定するならば、ドローRが資金の効率を表すことになります。
No.103の資金効率は、ドローR=5840円÷(860円×5倍)=1.36倍と計算されます。用意した資金に対して、2年間で36%の利益率だったわけです。1年では18%なので、さほどよい数字ではありません。ドローRの要素は、B損益額(純利益額)とC最大ドローダウン、の2つです。
F連敗回復レシオ(回復Rと略す)
連敗回復レシオは「回復力」を表す指標です(うちで作った指標。一般的な指標ではない)。
「回復力」とは「連敗によって損失を出した後、何回のトレードでその損失を取り戻すことができるか」を表す指標です。例えば10連敗したとしても、その後5回のトレードでその損失を取り戻すことができるなら、10連敗は決して恐れることはありません。しかし10連敗をしたら、その後80回のトレードをしないと損失を回復できないシステムであれば、システムにしたがってトレードすることは心理的に困難でしょう。(10連敗したら、80回のトレードをしてようやく元にもどる!)
C「勝率」で、勝率40%のシステムは1000回のトレードをすると13連敗する可能性があるといいました。勝率50%なら1000回のトレードで10連敗の可能性があり、勝率55%では1000回のトレードをすると8〜9連敗する可能性があります。
No.103の勝率は52.2%であるので、1000回のトレードをすると10連敗する可能性があります。No.103の負けトレードの平均損失額はD「PF」で書いたように-53.3円です。10連敗すると、-53.3円×10連敗=533円の損失がでることになります。一方No.103の1トレードあたりの平均損益額は表にあるように13.8円です。-533円の損失を取り戻すには、533円÷13.8円=38.6回のトレードを重ねる必要があります。
回復に必要なトレード回数を、「PF」や「ドローR」と同じような「何倍」という単位にするために、50回で回復できたとき1.0倍、25回で回復できたとき2.0倍になるように調整したものが「回復R」です。No.100を例にすると、回復R=50÷83.8=0.60倍。No.103は、回復R=50÷38.6=1.30倍と計算できます。
GT得点
「T得点」は総合評価のための得点です。主な評価の指標として「PF」「ドローR」「回復R」の3指標を掲げましたが、その指標の要素は、
- PFは、@勝ちトレードの利益額とA負けトレードの損失額
- ドローRは、B累計損益額(純利益額)とC最大ドローダウン
- 回復Rは、D勝率とE平均損益額
でした。つまりこの3つの指標を総合すると、@〜Eの要素を含んだ(評価した)指標になります。
「T得点」は(PF)×(ドローR)×(回復R)を掛け合わせ、これの立方根を求めたものです。No.103を例にすると、1.54(PF)×1.36(ドローR)×1.30(回復R)=2.7223。この立方根は 1.396となる(1.396×1.396×1.396=2.7205)。これを100倍した139.6をT得点とします。(各指標が2.0倍以上のものは2.0倍として掛け合わせる)ただし上表のNo.103のT得点は115点となっています。これは「PF」と「ドローR」をより厳しく修正した数字から計算したT得点です。
以上のことから「T得点」を見ればどのシステムがよいのか、どちらのシステムが優れているのか、の判定がつきます。「取引コストが0円」とした場合は、T得点が150点以上あれば合格です。
Cより慎重なシステムの評価
前々章・前章で、No.103「プレゼント」について「検証」を行い、このシステムの評価をどうすべきかについて述べました。成績は次図のようになっていました。
この検証は過去2年間についてのものです。その2年間で起こったことでしかありません。将来ともこれと同じことが繰り返し起きるわけではありません。おそらく、将来(例えば向こう10年のうちには、この2年で起きたことよりも、悪いこと(勝率が低下する、最大ドローダウンが大きくなる、予想したよりもきつい連敗をする)が起きる可能性が大きいでしょう。

この成績は将来的にはブレが発生します。そのブレがあってもシステムを維持できるのかを考えておかねばなりません。そのためには、この成績を割り引いて評価することです。
ドローダウンの割り増し
システムを今後も維持していくためには、2年間で起きたこリスクを割り増ししておかねばなりません。例えばこのNo.103の最大ドローダウンは-860円だからといって860円の余裕資金しか用意していないならば、-900円のドローダウンが発生したらシステムは破綻します。最低でも2倍の1720円、普通は3倍の2580円、慎重には5倍の4300円を用意します。
PFの割り引き
No.103は423回のトレードをして、勝ちトレードは221回、負けトレードは202回でした。その結果、勝率は52.2%と計算されていますが、はたしてこの勝率が維持できるのかどうか。将来の10年間のうちにある年の勝率は60%近くになることがあるかもしれないが、逆に40%近くまで低下することもあるかも知れません。どの程度の勝率の低下を見込んでおけばよいのでしょうか。
この検証では、勝ちトレードは(b)221回となっていますが、統計的には221回を中心にしてその平方根を±したものが勝ちトレードの範囲になります。221の平方根(ルート)は14.86(≒15)なので、236回(221+15)〜206回(221-15)が勝ちトレードの推測範囲です。最も悪い事態を想定すれば勝ちトレードは206回としておくほうがよい。
(統計学では「F検定」を行うが、これは煩雑なので、トレード数の標準誤差をもってブレとした。この考えは「トレーディングシステムの開発と検証と最適化」著者・ロバート・パルド、6090円(出版・パンローリング)に啓発された。)
負けトレードも同じように考えて、(c)202回の平方根14.2(≒14
)を±した216回(202+14)〜188回(202-14)が推測範囲です。悪いほうを考えると負けトレードは216回であるとしたほうがよい。
このときの勝率は206回÷(206+216)=48.8%です。これくらいの勝率に低下する時期があることを考えておかねばなりません(16%の確率でこれ以下の勝率になる)。
勝ちトレードが206回、負けトレードが216回を想定すると、累計の損益額は変わってきます。
- 勝ちトレードによる累計利益額は、(h)75.1円×206回=15470円。
- 負けトレードによる累計損失額は、(i)-53.3円×216回=-11510円。
- この結果、累計損益額は、15470円-11510円=3960円になります。
(A)のPFは、累計利益額÷累計損失額で計算されています。(e)16600÷(f)10760=1.54倍。上記の割り引いた数字を使ってPF(SE)を計算すると、15470÷11510=1.34 となります。これが図のPFの下にあるPF(SE)の数字です。勝率が低下したときのPFです。
その下のPF(MP)は勝ちトレードのうちで最もトレードの利益額を差し引いた数字を累計利益額とします。例えばこの例では累計利益額は(e)16600円ですが、あるトレードで800円の利益を上げていたとすると、約5%の利益をそのトレードが稼ぎだしていたことになります。1トレードで800円を稼ぎ出すのは滅多にあるものではありません。滅多に起きないことをこの成績(累計利益額)は含んでいることになります。今後起こりそうにない(成績を嵩上げしている)ものは排除しておくほうがよい。
423回のトレードで最大の利益額になったのは(j)210円です。この利益額を利益額15470円から引いた15260円を累計利益額とします。このときのPF(MP)は、15260÷11510=1.325(≒1.33倍)になります。
この検証で使った標準の売買ルールでは、@1.2%の利益がでたら利食いする、A15:00で手仕舞う(オーバーナイトしない)ので、ギャップがもたらせる異常に大きな利益や損失は発生しません。だから最大の利益額を引いたPF(MP)の1.33倍と最大の利益額を引かないで計算したPF(SE)の1.34倍はほとんど差がありません。
しかし、オーバーナイトするルールでは、例えば仕掛けに有利な500円のギャップ発生すると、これだけで証拠金に近い利益が出ます(平均損益額が13.8円程度のものが1回で500円の利益を出すのだから異常に大きな利益額です)。このために最大の利益額を引いた利益額から計算するPF(MP)を使ったほうがよいのです。
ドローRの割り引き
(B)のドローRは、累計損益額÷(最大ドローダウン×5倍)で計算されています。(d)5840÷((C)860×5)=1.358(≒1.36倍)。
上記の割り引いた数字(累計利益額は15470円、損失額は-11510円)から累計損益額を計算すると3960円(=15470-11510)です。これからドローR(SE)を計算すると、3960÷(860×5)=0.92倍になります。これが図のドローRの下にあるドローR(SE)の数字です。勝率が低下したときのドローRです。
さらに累計損益額(3960円)から最大の利益額の(j)210円を引いた3750円(=3960-210)を使ってドローRを計算すると、3750÷(860×5)=0.87倍になります。ドローR(MP)にある数字です。
T得点
このように悪いことは過大に、よいことは過小に考えた指標がPF(MP)とドローR(MP)です。

T得点は@PF(MP)、AドローR(MP)、B回復R(図のRCの数字)の幾何平均です。平均には算術平均と幾何平均があります。3つの指標の算術平均は(@1.33+A0.87+B1.30)÷3=3.47÷3=1.157であり、幾何平均は(@1.33×A0.87×+B1.30)の立方根=1.146です。この例では似たような数字になっていますが、極端に大きい数字や小さい数字があるときは、算術平均では正しい
代表値になりません。幾何平均のほうが優れています。
T得点は3つの指標の幾何平均を100倍したものです。1.146×100≒115点。なお幾何平均を計算するとき、2.0倍を超える指標は2.00倍として計算されます。200点満点というわけです。この例のT得点は115点なので、「並」のシステムであると判断します。(取引コストを0円としたときの成績では150点以上が合格)
D取引コストを8.7円としたときのシステムの評価
前々章・前章で、No.103「プレゼント」のシステムの評価をどうすべきかについて述べました。ここで注意せねばならないのは、取引コストを考慮していないことです。取引コストを0円として検証したのは、
- 検証する時間が短くてすむ。
- 取引コスト0円で成績の悪いシステムは、取引コストを考慮するともっと悪くなる。
- よってまずは取引コスト0円でよい成績(T得点が高い)を出したシステムを見つける(構築する)ことである
という考えから、まずは取引コスト0円の「検証」と成績の評価のしかたを説明しました。すでにいいましたが、取引コストが0円のときのT得点は150点以上が合格です。取引コストを考慮した検証をしてみましょう。
- 1トレードの片道の手数料は1.05円である。
- 3回の注文に1回の割合で10円のスリッページが発生するならば1回のスリッページは3.30円になる。
- 片道手数料とスリッページを3.30円を加えた4.35円が、1トレード(片道)の取引コストである。
No.103「プレゼント」の成績は次のようになります。
| 条件表No. |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
No.103 プレゼント |
423回 221回 202回 |
2159円 14677円 -12517円 |
5.1円 15月 9月 |
-1053円 9連勝 5連敗 |
52.2% |
1.17倍 |
0.39倍 |
0.41倍 |
19点 |
当然のことながら、1回の利益額は-8.7円だけ減り、損失額は8.7円増加します。その結果、@累計損益額は5840円→2159円に減り、A平均損益額は13.8円→5.1円になります。Bドローダウンは-860円→-1053円になり、CPFは1.54倍→1.17倍へ、DドローRは1.36倍→1.17倍へ、E回復Rは1.30倍→0.41倍になります。
だいたいこれが、この2年間トレードしたときの成績に近いものでしょう。T得点は115点から19点へ低下しています(このT得点は将来の成績のブレを織り込んでいるので、これを重視するのがよい)。先に取引コストが0円のときのT得点は150点以上が合格であるといいました。取引コストが8.70円のときのT得点は50点以上が合格です。No.103はどちらも不合格です(ただし注文の出し方によっては、T得点は合格水準(50点)を超える)。No.103は取引コストを負担すると、平均して5.1円の利益しかでません。ただし取引コストを負担して利益がでるシステムは案外に少ないのです。次章でよく知られているチャートを使ったシステムの検証を行いますが、ほとんど全滅です。
これでシステムの評価のしかたが決まりました。すなわち
- 取引コストは1トレード(往復)あたり8.70円として検証する。
- このときのT得点は50点以上あれば合格である。
- システムの比較はT得点の高いほうが優れている。
とします。
E代表的なチャートを使ったシステムの評価 (1)トレンドフォロー系
市販本でよく取り上げられているトレンド・フォロー系のチャートを使ったシステムの評価をします。次の3つです。
@平均線のクロス
A波動の切り上がり・切り下がり
Bモーメンタム
トレンドの判定
右図は2007年9月5日〜6日の日経先物の3分足のグラフです。9月6日は、
- で寄り付き、
- まで上昇した後、
- まで下落(最安値)し、
- まで上昇(最高値)し、
- で大引けとなりました。
いま「買い仕掛け」をしようとするならば、次のどちらかに確信(ないしは確率)がなければなりません。
- 「今は安値圏である。まもなく上昇に転じるだろう。」
- 「株価が上昇を始めた。この後もしばらくは上昇を続けるだろう。」
(A)は逆張りの発想で、オシレータ系のチャートが役立ちます。(B)は順張りの発想で、トレンド・フォロー系のチャートの分野です。
トレンド・フォロー系のチャートは、トレンドが転換したことを表現します。その表現のしかたはいろいろです。
@平均線のクロス

2本の平均線がクロスしたときをトレンドの開始であると判定します。
図は(A)10本平均線と(B)40本平均線です。
- (A)線が(B)線を下回った(b)の分足から下降トレンドが始まった(売り仕掛け)とし、
- (A)線が(B)線を上回った(b)の分足から上昇トレンドが始まった(買い仕掛け)とします。
この条件表は次のようになります。
@過去2年間について、A標準の売買ルールを使って、Bパラメータの最適化をすると、
- (A)は10本、(B)は90本が最適であり、
- 取引コスト0円のT得点は133点となります。
- 取引コスト8.7円で検証すると、次表の成績でした。
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
@平均線クロス 10本/90本 |
651回 275回 376回 |
666円 16877円 -16211円 |
1.0円 15月 9月 |
-1051円 5連勝 9連敗 |
42.2% |
1.04倍 |
0.13倍 |
0.09倍 |
0点 |
A波動の切り上げ・切り下げ

株価が直前の小波動のピークやボトムを突破したしたときをトレンドの開始であると判定します。
(A)は小波動のボトムで
、(B)は小波動のピークです。
- 株価が(A)の水準を下回った(a)の分足から下降トレンドが始まった(売り仕掛け)とし、
- 株価が(B)の水準を上回った(b)の分足から上昇トレンドが始まった(買い仕掛け)とします。
この条件表は次のようになります。

@過去2年間について、取引コスト8.7円で検証すると、次表の成績でした。
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
| A波動の切上げ・切下げ |
814回 356回 458回 |
-5641円 20952円 -26594円 |
-6.9円 7月 17月 |
-5727円 9連勝 10連敗 |
43.7% |
0.79倍 |
-0.20倍 |
0.00倍 |
0点 |
Bモーメンタム

当足の終値がN本前の終値より高くなったとき、反対に安くなったときをトレンドの開始であると判定します。
図は「20本前のモーメンタム」です。
- 20本前の終値(A)の水準をを下回った(a)の分足から下降トレンドが始まった(売り仕掛け)とし、
- 20本前の終値(B)の水準を上回った(b)の分足から上昇トレンドが始まった(買い仕掛け)とします。
この条件表は次のようになります。

@過去2年間について、A標準の売買ルールを使って、Bパラメータの最適化をすると、
- 「29本前」が最適であり、
- 取引コスト0円のT得点は54点となります。
- 取引コスト8.7円で検証すると、次表の成績でした。
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
Bモーメンタム 29本 |
2443回 730回 1713回 |
-16214円 31039円 -47253円 |
-6.6円 1月 23月 |
-16214円 5連勝 22連敗 |
29.9% |
0.66倍 |
-0.20倍 |
0.00倍 |
0点 |
以上の3つのチャートはどれも切れ味はよくありません。上昇トレンドになったからといってすぐに買い仕掛けをし、下降トレンドになったからといってすぐに売り仕掛けをすると、@平均線のクロスがようやく平均損益額が1.0円を出すだけす。A波動の切り上げ・切り下げは、-6.9円の損失を重ね、Bモーメンタムは-6.6円の損失を重ねます。これらチャートを単独で使ってもよい成績はでません。別のチャートを組み合わせる必要があるでしょう。
F代表的なチャートを使ったシステムの評価 (2)チャネル・ブレイク系
市販本でよく取り上げられているチャネル・ブレイク系のチャートを使ったシステムの評価をします。次の3つです。
Cドンチャンのチャネル
Dボリンジャー・バンド
Eオープニング・レンジ・ブレイクアウト

チャネルのとりかた
チャネル(あるいはレンジ)とは、上限線と下限線の2本の線に挟まれた株価のゾーンです。右図の(A)のように水平でもよいし、(B)のように傾いていてもよいし、また必ずしも上限線と下限線は平行でなくてもかまいません。
いま「買い仕掛け」をしようとするならば、次のどちらかの基準で行います。
- 「株価が下限線を突破したから今は安値圏である。まもなく上昇に転じるだろう。」
- 「株価が上限線を突破したから、この後もしばらくは上昇を続けるだろう。」
(A)は逆張りの発想で、(B)は順張りの発想です。
Cドンチャンのチャネル

長短2通りのチャネルを用い、長い期間のチャネルを突破したときに仕掛け、短い期間のチャネルを逆に突破したときに手仕舞いします。
図は40本の高値(Aの赤色線)と安値(A'の青色線)が仕掛けのチャネルで、20本の高値(Bのピンク色線)と安値(B'の緑色線)が手仕舞いのチャネルとしています。
- 株価が(A'の青色線)を下に突き抜けた(a)で「売り仕掛け」をし、株価が(Bのピンク色線)を上に突き抜けた(b)で手仕舞いします。
- 株価が(Aの赤色線)を上に突き抜けた(c)で「買い仕掛け」をし、株価が(B'の緑色線)を下に突き抜けたなら手仕舞いします(図ではまだ下に突破していない)。
この条件表は次のようになります。
「仕掛け」のための条件は赤枠で、「手仕舞い」のための条件は「青枠」です。AグループとBグループの2通りの売買マークがでます。

Aグループが出す売買マークで仕掛け、Bグループが出す売買マークでは手仕舞いするだけです。売買ルールにこのことを指示しておかねばなりません。次図で「仕掛けA」は「Aグループ」だけがチェックが入っており、「決済M」では「Bグループ」だけがチェックが入っていることに注意して下さい。

@過去2年間について、A標準の売買ルールを使って、Bパラメータの最適化をすると、
- (A)(A')は70本、(B)(B')は15本が最適であり、
- 取引コスト0円のT得点は33点となります。
- 取引コスト8.7円で検証すると、次表の成績でした。
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
Cドンチャン 70本/15本 |
589回 251回 338回 |
-2344円 17156円 -19500円 |
-4.0円 7月 17月 |
-3676円 6連勝 9連敗 |
42.6% |
0.88倍 |
-0.13倍 |
0.09倍 |
0点 |
Dボリンジャー・バンド

株価が-2σの下限線を下に抜けたら買い、+2σの上限線を上抜けたら売りとします。これは逆張りの使い方です。
この条件表は次のようになります。

@過去2年間について、A標準の売買ルールを使って、Bパラメータの最適化をすると、
- 「2065」(65本平均の偏差)が最適であり、
- 取引コスト0円のT得点は0点となります。
- 取引コスト8.7円で検証すると、次表の成績でした。
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
Dボリンジャー 逆張り |
760回 355回 405回 |
-5622円 19991円 -25613円 |
-7.4円 8月 16月 |
-5817円 8連勝 8連敗 |
46.7% |
0.78倍 |
-0.19倍 |
0.00倍 |
0点 |
株価が-2σの下限線を下に抜けたら「売り」、+2σの上限線を上に抜けたら「買い」とします。これは順張りの使い方です。
順張りこの条件表は次のようになります。

@過去2年間について、A標準の売買ルールを使って、Bパラメータの最適化をすると、
- 「2020」(20本平均の偏差)が最適であり、
- 取引コスト0円のT得点は42点となります。
- 取引コスト8.7円で検証すると、次表の成績でした。
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
Dボリンジャー 順張り |
1309回 552回 757回 |
-6918円 31637円 -38555円 |
-5.3円 7月 17月 |
-6955円 7連勝 10連敗 |
42.2% |
0.82倍 |
-0.20倍 |
0.00倍 |
0点 |
Eオープニング・レンジ・ブレイクアウト

9:00の寄り付きからN本の間の最高値を上限線に、最安値を下限線としておき、寄り付きからN+1本以降の終値が、上限線を上抜いたら買い、下限線を下抜いたら売りとします。上限線と下限線はその日に限り有効です。
図は「20本のオープニング・レンジ」です。
- 9月5日は、寄り付きから20本の間の最安値(B')の水準を上回った(b)で売り仕掛けをし、
- 9月6日は、寄り付きから20本の間の最高値(A)の水準を上回った(a)で買い仕掛けをします。
この条件表は次のようになります。

この例では寄り付きから20本の間はレンジが決まるのを待っているので、仕掛けはできません。売買ルールに「(9:00〜9:59)の間は新規に仕掛けない」の指定をしておく必要があります。

パラメータを変化させると同時に売買ルールの「時刻制限」も変化させねばならないので、「パラメータの最適化」はできません。やむなく「パラメータ」と「売買ルール」を設定しなおして、いちいち「個別検証」をしました。
- 「25本」が最適であり、
- 取引コスト0円のT得点は0点となります。
- 取引コスト8.7円で検証すると、次表の成績でした。
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
Eオープニング・レンジ 25本 |
471回 223回 248回 |
-2117円 12959円 -15077円 |
-4.5円 8月 16月 |
-2793円 8連勝 10連敗 |
47.3% |
0.86倍 |
-0.15倍 |
0.00倍 |
0点 |
以上の3つのチャートはどれも切れ味はよくありません。一定幅のチャネル(レンジ)を突破したときは、すでに株価はかなり高く(安く)なっており、仕掛けた後に、取引コスト+利益を出すほど株価は変化することはしょっちゅうあるものではない。ということを成績は示しています。
これらチャートを単独で使ってもよい成績はでません。別のチャートを組み合わせる必要があるでしょう。
G代表的なチャートを使ったシステムの評価 (3)オシレータ系
市販本でよく取り上げられているオシレータ系のチャートを使ったシステムの評価をします。次の3つです。
FRSI
GMACD
HCCI

逆張りの売買条件
オシレータ系のチャートは現在の株価が安すぎるのか高すぎるのかを表現します。チャートによって高すぎる・安すぎる水準の目安がそれぞれにあります。
図は「15本RSI」のグラフです。指数が+75以上のとき高すぎる、+25以下のときに安すぎるという条件を設定しています。
いま「買い仕掛け」をしようとするならば、次のどれかの基準で行います。
- 「指数が安すぎる水準になったから、株価は上昇に転じるだろう。」
- 「指数が安すぎる水準から抜け出たから、上昇に転じている株価は、この後もしばらくは上昇を続けるだろう。」
- 「指数が高い水準に近づいたから上昇している株価は、ますます上昇を続けるだろう。」
(A)は完全な逆張りの発想で、(B)は逆張りではあるが順張りの発想が入っている、(C)は順張りの発想です。
FRSI
グラフに3本の「注意水準」を表示しています。(A)はRSIが75の水準、(B)は50の水準、(C)は25の水準です。例えば買い仕掛けをするには次の4つのやりかたが考えられます。
- RSIが(C)の25を下回ったので買う。
- RSIが(C)の25を上回ったので買う。
- RSIが(B)の50を上回ったので買う。
- RSIが(A)の75を上回ったので買う。
順に逆張り発想から順張り発想になっています。どの発想がよいのでしょうか。
(A)の条件表は次のようになります。これは単純です。
No.4行でRSIが(25以下)になったら買い。
No.5行でRSIが(75以上)になったら売り。
と設定しています。

(B)の条件表は次のようになります。これは当足と前の足の2つを見なければなりません。
No.4行でRSIが(25以上)になったら買い。
No.6行で、ただし昨日(注目日が1〜1になっている)のRSIは24.99以下であること。
No.5行でRSIが(75以下)になったら売り。
No.7行で、ただし昨日(注目日が1〜1になっている)のRSIは75.01以上であること。
(C)の条件表は25のパラメータを50に、75のパラメータを50に、24.99を49.99に、75.01を50.01変更するだけです。
(D)の条件表は25のパラメータを75に、75のパラメータを25に、24.99を74.99に、75.01を25.01変更するだけです。

@過去2年間について、A標準の売買ルールを使って、Bパラメータの最適化をすると、
(A)は3本が最適であり、取引コスト0円のT得点は114点です。次表の(A)が取引コスト8.7円で検証した成績。
(B)は3本が最適であり、取引コスト0円のT得点は0点です。次表の(B)が取引コスト8.7円で検証した成績。
(C)は68本が最適であり、取引コスト0円のT得点は60点です。次表の(C)が取引コスト8.7円で検証した成績。
(D)は14本が最適であり、取引コスト0円のT得点は65点です。次表の(D)が取引コスト8.7円で検証した成績。
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
FRSI(A) 25以下・75以上 |
7406回 3993回 3413回 |
-47672円 51630円 -99303円 |
-6.4円 0月 24月 |
-47672円 12連勝 16連敗 |
53.9% |
0.52倍 |
-0.20倍 |
0.00倍 |
0点 |
FRSI(B) 24→25以上・76→75以下 |
6681回 2648回 4033回 |
-61264円 41952円 -103217円 |
-9.2円 0月 24月 |
-61264円 9連勝 19連敗 |
39.6% |
0.41倍 |
-0.20倍 |
0.00倍 |
0点 |
FRSI(C) 50以上・50以下 |
1589回 566回 1023回 |
-9074円 21215円 -30290円 |
-5.7円 8月 16月 |
-9185円 7連勝 18連敗 |
35.6% |
0.70倍 |
-0.20倍 |
0.00倍 |
0点 |
FRSI(D) 75以上・25以下 |
932回 427回 505回 |
-2978円 25455円 -28433円 |
-3.2円 8月 16月 |
-3063円 8連勝 12連敗 |
45.8% |
0.90倍 |
-0.19倍 |
0.00倍 |
0点 |
RSIは逆張りの発想(A,B)で使うよりは、順張りの発想(C,D)で使うほうがよいことがわかります。(としてもC,Dの成績ではシステムは不合格だが)
GMACD
(A)は12本平滑平均
(B)は26本平滑平均
(C)は(A)-(B)の差で、これがMACD。
(D)は(C)を9本平均したもの
(C)が(D)を上抜いた(b)や(c)で買い、(C)が(D)を下抜いた(a)や(d)で売る。
この条件表は次のようになります。

@過去2年間について、A標準の売買ルールを使って、Bパラメータの最適化をすると、
- 短期平滑は25本、長期平滑は50本、MACDの平均は15本、が最適であり、
- 取引コスト0円のT得点は65点となります。
- 取引コスト8.7円で検証すると、次表の成績でした。
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
| GMACD |
1490回 567回 923回 |
-7363円 29837円 -37200円 |
-4.9円 6月 18月 |
-8085円 7連勝 16連敗 |
38.1% |
0.80倍 |
-0.18倍 |
0.00倍 |
0点 |

HCCI
CCIはその日の株価は終値を使わずに(高値+安値+終値)÷3(これをTPと呼ぶ)をその日の株価とします。あとは平均線とカイリ差との関係を指数化したものです。
(A)はTPの30本平均
(B)はCCI
CCIが-100以下になった(a)で売り仕掛けをし、-100以上になった(b)で手仕舞いする。CCIが+100以上になった(c)で買い仕掛けをし、+100以下になった(d)で手仕舞いする(dはまだ出ていない)
CCI(コモディテイ・チャネル・インデックス)は参考文献の「究極のトレーディング・ガイド」に紹介されていたので、条件表を設定してみました。
この条件表は次のようになります。
「仕掛け」のための条件は赤枠で、「手仕舞い」のための条件は「青枠」です。AグループとBグループの2通りの売買マークがでます。

Aグループが出す売買マークで仕掛け、Bグループが出す売買マークでは手仕舞いするだけなので、売買ルールにこのことを指示しておかねばなりません。次図で「仕掛けA」は「Aグループ」だけがチェックが入っており、「決済M」では「Bグループ」だけがチェックが入っていることに注意して下さい。

@過去2年間について、A標準の売買ルールを使って、Bパラメータの最適化をすると、
- 85本が最適であり、
- 取引コスト0円のT得点は59点となります。
- 取引コスト8.7円で検証すると、次表の成績でした。
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
| HCCI |
1061回 303回 758回 |
-6210円 12763円 -18974円 |
-5.9円 3月 21月 |
-6693円 10連勝 16連敗 |
28.6% |
0.67倍 |
-0.19倍 |
0.00倍 |
0点 |
以上の3つのオシレータ系のチャートはどれも成績がよくありません。このことはオシレータ系のチャートがいつも役立たないということではなく、「デイトレでは役立たない」ということです。
オシレータ系のチャートは心理的な分析です。サイコロジカルのように心理を名前にしているチャートもあるくらいです。例えば9日順位相関が-80以下になったときは弱気が増加していることを表します。多くの投資家が弱気になり、それ以上に弱気が増加しなくなれば相場は反転します。オシレータ系のチャートが弱気を表現すればするほど反転の時期が近づいていることは確かです。
しかしそれは日足ベースの話です。誰でも9日間も株価が下げ続ければ、反転を期待するでしょう。25日間も下げ続ければ、より反転する確率は高くなります。これを分足に応用することができるのか?です。3分足で9本の順位相関は、たった27分間のことを表すに過ぎません。人間の心理は27分間でコロコロ変わるものではありません。
Hシステムでは仕掛けが最も重要
この講座の初めに、トレードシステムは次の3点からなるといいました。
- どういうときに仕掛けるのか?(《リアル24》では条件表がこれを受け持つ)
- どういうときに手仕舞うのか?(《リアル24》では売買ルールがこれを受け持つ)
- どういう注文を出すのか?(これはトレーダーが決断する)
このうち最も重要なものは@の仕掛けです。前3章で代表的なチャートを組み込んだ条件表を設定し検証しましたが、取引コスト8.7円を負担して、T得点が0点を超えるものは1つもありませんでした。全部が0点でした。T得点が0点ということは、そのシステムはデイトレードには使えないということです。
本に紹介してあるからといって、そのチャートは有効なわけではありません。ユーザーは少しの手間をかけて「検証」してみることです。成績が悪かったら「条件表を最適化」して検証してみる。「売買ルールを最適化」して検証してみる。それでもT得点(取引コスト8.7円のとき)が50点にならないシステムはダメなのです。ダメなものは捨てましょう。
この章から「パラボリック」を例にして、検証し、条件表を最適化し、条件表を変更・追加し、売買ルールを最適化し、T得点が50点を超えるところまで成績を高めることができるのかどうかを述べます。結論をいうと50点は取れません。パラボリックでは継続的なトレードはできません。(時期を選んでトレードすればよいときもあるかと思いますが、それはシステムとはいわない)
パラボリック
パラボリックの条件表は次のようになります。

No.3行で、パラボリックのパラメータは(301)としています。パラボリックのパラメータは特殊で、前半の2桁(03)は初期値で1〜20までの数値が設定できます。後半の2桁(01)は加速係数の増加分で1〜20までの数値を取ります。パラメータの最小値は(101)で最大値は(2020)です。

パラメータを(301)としたときのグラフは図のようになります。使っている売買ルールは標準の売買ルールです。一見して売買マークが多いことがわかります。図のマークに従ってトレードする(翌足の始値で仕掛け・手仕舞いする)と、
- で売り仕掛け(16420円)
- でドテン買い(16470円)し、-50円の損失。
- で手仕舞い(16440円)し、-30円の損失。
- で買い仕掛け(16500円)
- でドテン売り(16470円)し、-30円の損失。
- でドテン買い(16490円)し、-20円の損失。
- でドテン売り(16540円)し、+50円の利益。
- でドテン買い(16570円)し、-30円の損失。
- でドテン売り(16540円)し、-30円の損失。
- で決済Kで手仕舞い(16470円)し、+70円の利益。
注文は16回出しており、トータルで-70円の損失です。ここに16回分の手数料16.8円(=1.05×16)を加えると、-86.8円の損失になります。まあこのままでは、ダメなシステムです。
実はこのパラメータの(301)はすでに最適化してあります(これ以外のパラメータではもっと成績は悪くなります)。その最適化したものの成績は次のようになります。(同じ2年間の成績。取引コストは8.7円)
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
| パラボリック(初期) |
2447回 844回 1603回 |
-16648円 38837円 -55486円 |
-6.8円 1月 23月 |
-16699円 6連勝 15連敗 |
34.5% |
0.70倍 |
-0.20倍 |
0.00倍 |
0点 |
成績が悪い原因
成績が悪い原因は、
- 仕掛けが多すぎるのが第一でしょう。2年間(500日)で2447回の仕掛けをしています。1日当たり約5回です。これだけ仕掛けるということは、仕掛けのマークは十分な吟味がされていない、ほぼデタラメということです。実際に勝率は34.5%であり、3回に1回しか当たっていません。
- 次に、仕掛けるタイミングが悪いというのが第二でしょう。パラボリックの仕掛けのタイミングは、@ザラバ高値が上限線にタッチしたら買い、Aザラバ安値が下限線にタッチしたら売る、となっています。その上限線・下限線は一種の傾向線を表すものですが、これが時間の経過とともに曲がってきます。(曲線の形が放物線に似ているのでパラボリックと呼ぶ)。これがいけない。ザラバ値で決定するので仕掛けの回数が増えます。さらに上限線・下限線が曲がってくるので、時間が経過するとともにタッチしやすくなり、やはり仕掛けの回数を多くさせています。
- ドテン売買であるのが第三の原因です。ドテン売買は常に買いの仕掛けか売りの仕掛けをしており「休む」ということがありません。ドテン売買は最終的には利益が0円になり、売買した分だけの手数料がマイナスになります。
上のグラフで、売り仕掛けと買い仕掛けの時間を見ると、
- 〜b.は4本(5本目でドテン)-50円
- 〜c.は7本(8本目でドテン)-30円
- 〜d.は9本(10本目で転換)
- 〜e.は14本(8本目でドテン)-30円
- 〜f.は12本(13本目でドテン)-20円
- 〜g.は26本(27本目でドテン)+50円
- 〜h.は8本(9本目でドテン)-30円
- 〜i.は6本(7本目でドテン)-30円
- 〜j.は24本(25本目で手仕舞い)+70円
となっています。使っているのは3分足なので、例えば(a)〜(b)の間の4本とは12分間という短い時間です。この12分にトレンドが発生したと早トチリをしているわけです。いくらデイトレだといってもこんなに短時間でトレンドが変化するはずはありません。実際に利益がでたときの時間は、(f)〜(g)が26本(78分間)、(i)〜(j)が24本(72分間)です。これより短いものは全部がマイナスです。
条件表の設定を変更する (1)売買条件をきつくする
条件表を次のように変更します。

買いは(10以上 10以下)に、売りは(-10以上 -10以下)に変更しました。つまり、パラボリックが買いである(上昇トレンドに転換した)とマークを出してもすぐには買いとせず、10本目でもなお上昇トレンドが継続していれば、ここでおもむろに買う。
パラボリックが売りである(下降トレンドに転換した)とマークを出してもすぐには売りとせず、10本目でもなお下降トレンドが継続していれば、ここでおもむろに売る。
このことによって、マークからマークの間の期間が9本しかない早トチリの売買の判断は排除されます。仕掛けるのは、(c〜d)、(e〜f)、(f〜g)(i〜j)の4か所になります。ダマシがかなり減るはずです。一方では転換してから10本目で仕掛けるので、そのマークが正しかったときは10本遅れて仕掛けることになり、これは不利な点です。この条件表による成績は次のようになります。(10本目、15本目、20本目の3種類の検証をした)
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
| パラボリック(10本目) |
1489回 595回 894回 |
-7914円 31053円 -38967円 |
-5.3円 8月 16月 |
-8062円 9連勝 12連敗 |
40.0% |
0.80倍 |
-0.20倍 |
0.00倍 |
0点 |
| パラボリック(15本目) |
1068回 464回 604回 |
-4031円 25853円 -29884円 |
-3.8円 6月 18月 |
-8062円 7連勝 10連敗 |
43.4% |
0.87倍 |
-0.19倍 |
0.00倍 |
0点 |
| パラボリック(20本目) |
754回 325回 429回 |
-5929円 18042円 -23972円 |
-7.9円 6月 18月 |
-6091円 6連勝 9連敗 |
43.1% |
0.75倍 |
-0.19倍 |
0.00倍 |
0点 |
15本目で仕掛けるのが最もよい成績になっています。平均利益が-3.8円なので、取引コストがそうかからないような注文を出せば、プラスになる可能性はあります。
条件表の設定を変更する (2)別のチャートを追加して早トチリを抑える

上述の検証で、早トチリを抑えるには転換と判定したときから15本目に仕掛けるのがよいということがわかりました。それでも平均損益額は-3.8円です。
売買条件をキツクしただけではまだ不足です。となると別のチャートを追加して、早トチリを抑制するしかありません。
右図は30本RSI(K相対力)を追加したグラフです。RSIは通常は(30以下で買い、70以上で売り)のように逆張りの使い方をしますが、デイトレにおいては順張りの使い方(60以上で買い、40以下で売り)としたほうがよいことが前章で明らかになっています。
これを追加してRSIが50以上のときにパラボリックが買い転換と判定したときだけ「買い」、RSIが50以下のときにパラボリックが売り転換と判定したときだけ「売り」としてみましょう。
条件表を次のように変更します。

青枠は前回の検証によって売買条件をキツクした箇所です。赤枠はRSIを追加した箇所です。この条件表による成績は次のようになります。取引コストは8.7円。(50以上・50以下、60以上・40以下、40以上・60以下の3種類の検証をした)
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
| パラボリック(40/60) |
1049回 456回 593回 |
-4036円 25202円 -29239円 |
-3.8円 6月 18月 |
-4108円 7連勝 10連敗 |
43.5% |
0.86倍 |
-0.20倍 |
0.00倍 |
0点 |
| パラボリック(50/50) |
901回 391回 510回 |
-5408円 21568円 -26977円 |
-6.0円 8月 16月 |
-5492円 8連勝 10連敗 |
43.4% |
0.80倍 |
-0.20倍 |
0.00倍 |
0点 |
| パラボリック(60/40) |
433回 208回 225回 |
-1457円 12630円 -14087円 |
-3.4円 9月 15月 |
-1722円 6連勝 7連敗 |
48.0% |
0.90倍 |
-0.17倍 |
0.00倍 |
0点 |
RSIが(40以上で買い・60以下で売り)を付け加えたら、成績はいくぶんかはよくなりましたが、平均損益は-3.4円と依然としてマイナスです。30本RSIではパラボリックの早トチリを抑制できていません。
I条件表を最適化する
前章では、30本RSIが@(40以上で買い、60以下で売り)、A(50以上で買い、50以下で売り)、B(60以上で買い、40以下で売り)の3通りについて検証した結果(60以上で買い、400以下で売り)が最もよい成績となったのでした。
そこでは、RSIのパラメータは(30本)と決めつけて、パラボリックと組み合わせましたが、30本が最適なのかどうか。本章では「条件表の最適化」をしてみます。次のことをします。
- (40以上で買い、60以下で売り)とするときのRSIのパラメータは何本にすればよいのか
- (50以上で買い、50以下で売り)とするときのRSIのパラメータは何本にすればよいのか
- (60以上で買い、40以下で売り)とするときのRSIのパラメータは何本にすればよいのか

- 銘柄を選択し、
- メニューの「最適パラメータ」をクリックすると、
(次図)「最適パラメータのもとめかた」の画面になります。

- 条件表は「パラボリック」を指定し、
- NO.6行の(30本)のパラメータを、5から60まで5ずつ増加させて検証します。
- 検証の対象期間は、ここまでの検証例と同じく、2005年8月1日〜2007年7月31日まで。
- 「実行」ボタンをクリック。

- RSIのパラメータを、5→10→15→20→25→30・・・60に変化させて検証されます。
図では
- パラメータが(60本)のとき、
- T得点は66点で最高です。この検証は取引コストが0円のものなので、T得点が150点以上でないと不合格です。
- H損益額(平均損益額)は5.3円となっているので、取引コスト8.7円を負担すると-3.4円の損失がでることもわかります。
- 一応、条件表を最も成績のよいパラメータ(60本)に書き換えて、取引コスト8.7円を負担したときの検証をします。
60本RSIが(40以上で買い、60以下で売り)としたときの成績は次のようになります(取引コスト8.7円)
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
| パラボリック(60-40/60) |
999回 443回 556回 |
-3421円 24815円 -28237円 |
-3.4円 9月 15月 |
-3702円 7連勝 10連敗 |
44.3% |
0.88倍 |
-0.18倍 |
0.00倍 |
0点 |
同様にして(50以上で買い・50以下で売り)のRSIの最適パラメータをもとめると(15本)でした。このときのT得点は69点、平均損益額は5.3円です。この成績は次のようになります。(取引コスト8.7円)
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
| パラボリック(15-50/50) |
1012回 442回 570回 |
-3404円 24974円 -28379円 |
-3.4円 8月 16月 |
-3607円 7連勝 10連敗 |
43.7% |
0.88倍 |
-0.19倍 |
0.00倍 |
0点 |
(60以上で買い・40以下で売り)のRSIの最適パラメータをもとめると(15本)でした。このときのT得点は45点、平均損益額は4.7円です。成績は次のようになります。(取引コスト8.7円)
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
| パラボリック(15-60/40) |
786回 366回 420回 |
-3128円 21035円 -24164円 |
-4.0円 6月 18月 |
-3618円 10連勝 8連敗 |
46.6% |
0.87倍 |
-0.17倍 |
0.00倍 |
0点 |
以上のように、RSIのパラメータをどのように変化させても、T得点は0点から抜け出ることはできません。(平均損益額もマイナスのままだった)。@パラボリックとRSIの組み合わせによる条件表、A標準の売買ルール、によるシステムは採用できません。
J売買ルールを最適化する
前章では(標準の売買ルールのもとでは)パラボリックの成績は悪かったので、RSIを追加して「パラボリック」の早トチリ(ダマシ)を抑制するような条件表に変更してみました。しかしT得点は0点から脱出できませんでした。
「条件表の最適化」によってはこれ以上の成績にすることは難しいでしょう。そこで「売買ルール」について検討します。話を単純にするために、条件表は次のものに戻しました。

- 銘柄を選択し、
- メニューの「最適パラメータ」をクリックすると、
(次図)「最適売買ルールのもとめかた」の画面になります。

- 条件表は「パラボリック」を指定し、
- 「時間切れJ」の期間を、10本から100本まで10本ずつ増加させて検証します。
- 「利食いA」の利食い%を、0.6%から2.0%まで0.2%ずつ増加させて検証します。
- 「損切りZ」の損切り%、0.5%から1.5%まで0.2%ずつ増加させて検証します。
- 検証の対象期間は、ここまでの検証例と同じく、2005年8月1日〜2007年7月31日まで。
- 「実行」ボタンをクリック。

時間切れJは10通りの変化をさせ、利食いAは8通りの変化をさせ、損切りZは6通りの変化をさせるので、全体では480通り(=10×8×6)の検証をすることになります。しかし時間はわずかです。3分半くらいで480回の検証は終わりました。
右図でT得点が最も高かったのは、
(a)時間切れJは(10本)・利食いAは(0.6%)、損切りZは(1.5%)というもので、
(b)T得点は90点です。取引コストが0円なので、T得点は150点ないといけません。
(c)もっといけないのは平均損益額が(3.5円)でしかないことです。取引コストの8.7円を負担すると、-5.2円の損失になります。これでは最適な売買ルールにはなりません。

- そこで「平均損益額」の大きなものから順にソートしてみましょう。
- 「平均損益額」を指定して、
- ソートすると、
平均損益額が大きいものは、
- 時間切れは(90本)か(100)本。
利食いは(2.0%)。
損切りは(0.9%以上)。
となっています。3分足は1日に95本しかないので、時間切れが90本または100本というのは、「時間切れJの手仕舞いはしない」のがよいということです。
- このときの平均損益額は7.6円なので、取引コスト8.7円を負担すると、-1.1円の損失がでることになります。
- T得点は82点なので不合格です。
- しかし一応、この売買ルールに書き換えます。
時間切れJは(40本)→(90本)へ
利食いAは(1.2%)→(2.0%)へ
損切りZは(0.7%)→(1.5%)になります。
図は「パラボリック」に最適な売買ルールです。赤枠の部分が標準の売買ルールと違っています。
この売買ルールによって「パラボリック(15本目)」の検証をすると次の成績になりました。
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
| パラボリック(15本目)固有の売買ルール |
1005回 413回 592回 |
-1073円 28646円 -29720円 |
-1.1円 12月 12月 |
-3644円 10連勝 13連敗 |
41.1% |
0.96倍 |
-0.06倍 |
0.00倍 |
0点 |
売買ルールを最適化しても「パラボリック」のT得点は0点のままです。依然として「パラボリック」は使えません。
K注文の出し方を変えて検証する
「パラボリック」のT得点は0点から抜け出せません。すでに@条件表の最適化、A売買ルールの最適化はやりました。残るはB注文の出し方です。
この講座の冒頭の第@章「デイトレシステムとは?」で、次のグラフを掲げ、(A)(B)2通りの約定の例を掲げました。

2007.10.18
(a)で買い仕掛けのマーク(赤色の↑)がでました。次の足の始値は17110円でした。
(b)で手仕舞いのマーク(緑色の▽)がでました。このときの次の足の始値は17120円。
(A)マークが出た次の足の始値で約定できていたとすれば、このトレードの利益は10円(=17120-17110)です。手数料(往復)2.1円を払うと、+7.9円の利益です。
(B)マークが出たときの株価より10円有利な値段で指値をしていたとすれば、((a)は17110円なので17100円で指値しておく)次の足で17090円がついているので、17100円で約定しています。このトレードの利益は20円(=17120-17100)です。手数料(往復)2.1円を払うと、+17.9円の利益です。

2007.10.19
(c)で売り仕掛けのマーク(青色の↓)がでました。次の足の始値は16940円です。
(d)で手仕舞いのマーク(緑色の△)がでました。次の足の始値は16810円です。
(A)マークが出た次の足の始値で約定できていたとすれば、このトレードの利益は130円(=16940-16810)です。手数料(往復)2.1円を払うと、+127.9円の利益です。
(B)マークが出たときの株価より10円有利な値段で指値をしていたとすれば、次の足以降16950円以上の株価はついていないので、この場合は約定できません。よって損得なし。
(A)は翌足の始値で約定できたとするもので、(B)は翌足の始値を見て、これより10円有利な値段で指値注文を出しておくというものです。ここまでの検証は(A)で約定したものとして成績を出してきました(このときのスリッページと手仕舞いのときのスリッページを合わせて、1トレード(往復)で6.6円のスリッページを見込んでいます)。
ここで検証するのは(B)の「10円有利な指値注文」によると成績はどうなるかです。この注文は
- 指値がとおって約定すると、10円有利(利益が10円かさ上げされ、損失は10円減る)という大きな利点があります。
- 一方で、指値がとおらないと、仕掛けのチャンスを逃すという欠点があります。
10.18の買い仕掛けの指値注文は、翌足の始値の17110円より10円安い17100で約定したので、通常よりも10円利益がかさ上げできました。しかし10.19の売り仕掛けの指値注文は、翌足の始値の16940円より10円高い16950円では約定できず、130円幅の利益を取りそこないました。

- 銘柄を選択し、
- メニューの「新規検証(個別検証)」をクリックすると、
(次図)「新規検証のしかた」の画面になります。

- 条件表は「パラボリック」を指定し、
- 「売買ルールを見る」ボタンをクリック。

- 売買ルールは前章で最適化した売買ルールです。ピンク色の部分が標準の売買ルールと違っています。
「仕掛けC」を指定して下さい。仕掛けCは仕掛けのマークがでてから@有効期限内に、A呼び値の1倍(10円)ほど有利な値段で指値する、というルールです。
- 「仕掛けC」を指定したら「記憶」ボタンをクリックして、「新規検証のしかたの画面に戻ります。
「仕掛けC」を採用したときの成績は次のようになります。はじめてT得点が25点になっています。

表にまとめました。(上段は前章で最適化した売買ルールによるもので、下段は、これに「仕掛けC」を採用したときの成績です。)
| 条件表 |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
| パラボリック(15本目)固有の売買ルール |
1005回 413回 592回 |
-1073円 28646円 -29720円 |
-1.1円 12月 12月 |
-3644円 10連勝 13連敗 |
41.1% |
0.96倍 |
-0.06倍 |
0.00倍 |
0点 |
| パラボリック(15本目)仕掛けC採用 |
893回 390回 503回 |
3170円 26107円 -22936円 |
3.6円 13月 11月 |
-1825円 6連勝 9連敗 |
43.7% |
1.14倍 |
0.35倍 |
0.30倍 |
25点 |
上段の数字と下段の数字を比べると、もとは1005回あったトレードが893回に減少しています。指値が通らなかったのが112回あったわけです。逆にいえば、88.8%(=893÷1005)はその後に指値の株価がついた(成約できたかどうかはわからないが)のですから、いくらデイトレだといっても、慌てて「成行」注文を出すことはないことがわかります。
112回のトレードのチャンスは減ったけれども、平均損益額は-1.1円→+3.6円にアップし、最大ドローダウンは-3644円→-1825円へと半減しています。注文の出し方を工夫すれば、成績はアップします。(それでもT得点は50点に満たないので、このシステムは不合格です)。
L《リアル24》Ver.3のサンプル条件表の成績
最終章です。この講座で述べたことは、
- トレードシステムは、
@どういうときに仕掛けるのか?(《リアル24》では条件表がこれを受け持つ)、
Aどういうときに手仕舞うのか?(《リアル24》では売買ルールがこれを受け持つ)、
Bどういう注文を出すのか?(これはトレーダーが決断する)
の3つが揃っていなければならない。
- システムが使えるかどうかを評価するには、過去データを使っての検証が必須である。
- 検証した成績の評価は「T得点」で判断する。(取引コスト0円のときは150点以上、取引コストが8.7円のときは50点以上で合格)。
- 成績が悪いときは、@条件表の最適化をする、A売買ルールの最適化をする、B注文の出し方を変えてみる。

という作業によって、ユーザーなりのトレードシステムを構築することができます。システムのうちで最も重要なものは「条件表」です。使っているチャートががまずいと、どう「条件表の最適化」をしようと「売買ルールの最適化」をしようと、よい成績はでません。
またダマシを防ごうとして、条件行を次々に追加すればするほど、現象に条件表を合わせてしまう「オーバーフィッティング」になります。成績を上げようとして過度にヒネクリまわした条件表はすぐにハズれていきます。
たぶん売買条件に関わりがある条件行が10行を超えているものは、細工のしすぎです。
《リアル24》Ver.3には25本のサンプルの条件表が入っています。これを参考にして、トレードシステムを作って下さい。
以下にサンプル条件表の成績を掲げます。
- 検証期間は2005年8月1日〜2007年7月31日までの2年間。
- 取引コストは片道4.35円(手数料1.05円・スリッページ3.30円)とする。
| 条件表No. |
トレード数 勝ちトレード 負けトレード |
損益額 利益額 損失額 |
平均利益 勝月数 負月数 |
最大ドローダウン |
勝率 |
プロフィットF |
ドローR |
回復R |
T得点 |
| No.140 |
373回 198回 175回 |
1814円 10857円 -9042円 |
4.9円 15月 9月 |
-674円 6連勝 6連敗 |
53.1% |
1.20倍 |
0.54倍 |
0.47倍 |
28点 |
| No.141 |
1377回 531回 846回 |
-6889円 28590円 -35480円 |
-5.0円 6月 18月 |
-7151円 6連勝 11連敗 |
38.6% |
0.81倍 |
-0.19倍 |
0.00倍 |
0点 |
| No.142 |
1013回 476回 537回 |
-2823円 25818円 -28641円 |
-2.8円 11月 13月 |
-4017円 7連勝 10連敗 |
47.0% |
0.90倍 |
-0.14倍 |
0.00倍 |
0点 |
No.143 プレゼント |
423回 221回 202回 |
2159円 14677円 -12517円 |
5.1円 15月 9月 |
-1112円 9連勝 5連敗 |
52.2% |
1.17倍 |
0.39倍 |
0.41倍 |
19点 |
| No.144 |
826回 267回 559回 |
-3846円 14787円 -18633円 |
-4.7円 9月 15月 |
-3920円 5連勝 17連敗 |
32.3% |
0.79倍 |
-0.20倍 |
0.00倍 |
0点 |
| No.145 |
616回 288回 328回 |
-1569円 17314円 -18883円 |
-2.5円 8月 16月 |
-2448円 7連勝 9連敗 |
46.8% |
0.92倍 |
-0.13倍 |
0.00倍 |
0点 |
| No.146 |
2097回 825回 1272回 |
-8263円 42352円 -50616円 |
-3.9円 5月 19月 |
-8365円 9連勝 15連敗 |
39.3% |
0.84倍 |
-0.20倍 |
0.00倍 |
0点 |
| No.147 |
1399回 600回 799回 |
-4011円 35360円 -39371円 |
-2.9円 8月 16月 |
-4249円 6連勝 9連敗 |
42.9% |
0.90倍 |
-0.19倍 |
0.00倍 |
0点 |
| No.148 |
1297回 547回 750回 |
-4393円 32811円 -37205円 |
-3.4円 7月 17月 |
-4399円 8連勝 9連敗 |
42.2% |
0.88倍 |
-0.20倍 |
0.00倍 |
0点 |
| No.149 |
812回 348回 464回 |
-2594円 20552円 -23146円 |
-3.2円 9月 15月 |
-2730円 5連勝 10連敗 |
42.9% |
0.89倍 |
-0.19倍 |
0.00倍 |
0点 |
| No.150 |
477回 250回 227回 |
3000円 16855円 -13854円 |
6.3円 16月 8月 |
-729円 8連勝 6連敗 |
52.4% |
1.22倍 |
0.82倍 |
0.52倍 |
49点 |
| No.151 |
464回 233回 231回 |
1323円 15682円 -14359円 |
2.9円 14月 10月 |
-1344円 8連勝 8連敗 |
50.2% |
1.09倍 |
0.20倍 |
0.23倍 |
0点 |
| No.152 |
399回 208回 191回 |
3538円 14150円 -10611円 |
8.9円 17月 7月 |
-1151円 9連勝 7連敗 |
52.1% |
1.33倍 |
0.61倍 |
0.80倍 |
63点 |
| No.153 |
548回 282回 266回 |
3682円 19066円 -15384円 |
6.7円 15月 9月 |
-1051円 9連勝 5連敗 |
51.5% |
1.24倍 |
0.70倍 |
0.58倍 |
55点 |
| No.154 |
519回 269回 250回 |
2494円 17319円 -14825円 |
4.8円 15月 9月 |
-1049円 8連勝 6連敗 |
51.8% |
1.17倍 |
0.48倍 |
0.41倍 |
29点 |
| No.155 |
174回 92回 82回 |
1066円 6569円 -5503円 |
6.1円 14月 10月 |
-755円 8連勝 8連敗 |
52.9% |
1.19倍 |
0.28倍 |
0.46倍 |
0点 |
| No.156 |
218回 121回 97回 |
2913円 8587円 -5673円 |
13.4円 19月 5月 |
-390円 7連勝 4連敗 |
55.5% |
1.51倍 |
1.49倍 |
1.27倍 |
102点 |
| No.157 |
331回 177回 154回 |
1970円 11090円 -9119円 |
6.0円 14月 10月 |
-1024円 9連勝 7連敗 |
53.5% |
1.22倍 |
0.38倍 |
0.50倍 |
27点 |
| No.158 |
100回 57回 43回 |
1390円 3884円 -2494円 |
13.9円 14月 9月 |
-359円 6連勝 5連敗 |
57.0% |
1.56倍 |
0.77倍 |
1.33倍 |
62点 |
| No.159 |
100回 59回 41回 |
1670円 3856円 -2186円 |
16.7円 13月 8月 |
-508円 5連勝 3連敗 |
59.0% |
1.76倍 |
0.66倍 |
1.96倍 |
84点 |
| No.160 |
1838回 701回 1137回 |
-6960円 37971円 -44931円 |
-3.8円 6月 18月 |
-7223円 9連勝 16連敗 |
38.1% |
0.85倍 |
-0.19倍 |
0.00倍 |
0点 |
| No.161 |
1051回 479回 572回 |
-2113円 25682円 -27796円 |
-2.0円 9月 15月 |
-3046円 7連勝 8連敗 |
45.6% |
0.92倍 |
-0.14倍 |
0.00倍 |
0点 |
| No.162 |
748回 329回 419回 |
-2877円 16517円 -19395円 |
-3.8円 10月 14月 |
-2907円 7連勝 15連敗 |
44.0% |
0.85倍 |
-0.20倍 |
0.00倍 |
0点 |
| No.163 |
795回 361回 434回 |
-2886円 21339円 -24225円 |
-3.6円 10月 14月 |
-3219円 9連勝 8連敗 |
45.4% |
0.88倍 |
-0.18倍 |
0.00倍 |
0点 |
| No.164 |
606回 257回 349回 |
-2022円 16514円 -18536円 |
-3.3円 8月 16月 |
-3133円 6連勝 9連敗 |
42.4% |
0.89倍 |
-0.13倍 |
0.00倍 |
0点 |
講座目次へ.
株式会社 東研ソフト
執筆:坂本 正治